こんにちは、
ともやんです。
ブルックナー交響曲第9番は、彼の最後の作品ですが、残念ながら未完で終わっています。
でもその内容は、彼の交響曲の中でももっとも充実している曲で、ブルックナーマニアからは、第5番、第8番とともにベスト3に挙げられる傑作です。
だからか、聴くとなるとそれなりの覚悟が必要です。
作業をしながら聴くなんてもってのほか、没頭して聴いてしまう曲です。
おすすめの名盤となると、宇野功芳氏なら、シューリヒト&ウィーンフィル、ヴァント&ベルリンフィル、朝比奈隆&大阪フィルを挙げるでしょう。
それでは面白くないので、自分なりに勝手に3つおすすめとして挙げてみました。
カルロ・マリア・ジュリーニ シュトゥットガルト放送交響楽団
カルロ・マリア・ジュリーニ(1914-2005)のコンサート活動でも晩年に1996年の録音。
遅いテンポとコクのある表現で、すこしくどく感じる部分もありますが、その濃厚な表現の良さがわかると癖になります。
アントン・ブルックナー – Anton Bruckner (1824-1896)
交響曲第9番 ニ短調 WAB 109 (1894年初稿・ノヴァーク版)
Symphony No. 9 in D Minor, WAB 109 (original 1894 version, ed. L. Nowak)
1.(25:54) I. Feierlich: Misterioso
2.(10:43) II. Scherzo: Bewegt, lebhaft – Trio: Schnell
3.(25:41) III. Adagio: Langsam feierlich
total(62:18)
シュトゥットガルト放送交響楽団 – Stuttgart Radio Symphony Orchestra
カルロ・マリア・ジュリーニ – Carlo Maria Giulini (指揮)
録音: 20 September 1996, Liederhalle Stuttgart, Germany
Bruckner: Symphony No.9 カルロ・マリア・ジュリーニ 、 シュトゥットガルト放送交響楽団
たっぷりとしたテンポによる瞑想的な演奏が特徴であった晩年のジュリーニですが、このシュトゥットガルト放送交響楽団とのブルックナーは早めのテンポ設定で知られています。
しかし決して淡泊になるのではなく、奥深い感情表現と、長い経験に裏打ちされた知的な解釈による素晴らしいブルックナーです。SWR所蔵のオリジナル・テープを使用しています。
ナクソス・ジャパン
ブロムシュテット ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
90歳過ぎても現役のブロムシュテット。
ステージで倒れてもいいと思っているのか、その生涯現役の姿勢には、頭が下がります。
しかも多くの指揮者が、年齢とともにテンポが遅くなりますが、ブロムシュテットには、そんなところがありません。壮年期と変わらず、颯爽として瑞々しい音楽を提供してくれます。
このブルックナーも自然な流れと躍動感溢れ、瑞々しい響きが素晴らしいです。
アントン・ブルックナー – Anton Bruckner (1824-1896)
交響曲第9番 ニ短調 WAB 109 (1894年初稿・ノヴァーク版)
Symphony No. 9 in D Minor, WAB 109 (original 1894 version, ed. L. Nowak)
1.(24:45) I. Feierlich, misterioso
2.(10:07) II. Scherzo: Bewegt, lebhaft
3.(25:18) III. Adagio: Langsam feierlich
total(60:10)
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 – Leipzig Gewandhaus Orchestra
ヘルベルト・ブロムシュテット – Herbert Blomstedt (指揮)
ブルックナー: 交響曲第9番, 弦楽オーケストラのためのアダージョ<タワーレコード限定> ヘルベルト・ブロムシュテット 、 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
この9番においてもブロムシュテットはこれまでの演奏スタイルに則り、オケの特筆と格式を尊重した上で淀みないブルックナーを描いています。
後に同じくLGOと遂に全曲を録音することになりますが(9番の再録音はこの盤の16年後、2011年。全曲は2012年に完成)、基本的な解釈は大きくは変わっていません。
再録音盤はライヴのためニュアンスは若干異なるとはいえ、この1995年録音のDECCA盤は色褪せる所か、今では両者のレア盤として多くの発売リクエストをいただいておりました。発売元より
佐渡裕 トーンキュンストラー管弦楽団
佐渡さんの新しい録音。
佐渡さんは僕と同世代なので応援しているのですが、どうもまだベートーヴェン、ブラームス、ブルックナーとなると不安があります。
景気のいい曲、覇気を求められる曲はいいのですが、内面から訴えるような曲はまだまだという感覚がありました。
でも、トーンキュンストラー管とのブルックナーは、オーケストラの味わいのある響きとともになかなか聴かせてくれます。
今後の期待も込めておすすめしたい名盤です。
アントン・ブルックナー – Anton Bruckner (1824-1896)
交響曲第9番 ニ短調 WAB 109 (1894年初稿・ノヴァーク版)
Symphony No. 9 in D Minor, WAB 109 (original 1894 version, ed. L. Nowak)
1.(24:41) I. Feierlich, misterioso
2.(10:58) II. Scherzo: Bewegt, lebhaft
3.(24:17) III. Adagio: Langsam feierlich
total(59:56)
トーンキュンストラー管弦楽団 – Tonkunstler Orchestra
佐渡裕 – Yutaka Sado (指揮)
録音: 20-23 May 2017, Wiener Musikverein, Austria
【SACDハイブリッド】 ブルックナー:交響曲第9番/武満徹:≪セレモニアル≫ 佐渡裕 、 ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団
佐渡裕のブルックナー初録音となった第4番≪ロマンティック≫に続く第2作はブルックナーの絶筆第9番。峻厳にそびえ立つ冬のアルプスを思わせる厳しくも美しい音楽がムジークフェラインに響き渡り、消えてゆく…その後の深い沈黙から笙の響きが立ち上り武満徹の音楽が始まる瞬間には息を呑む。選曲の妙と素晴らしい演奏とが相まった、聴き映えのする一枚。タワーレコード
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