こんにちは、
ともやんです。
実は、村上春樹の小説は、一冊も読んでいないのです。
しかし、新刊本『古くて素敵なクラシック・レコードたち』を注文しました。そして村上春樹の作品ではありませんが『村上春樹の100曲』を昨日図書館で借りました。
村上さんの本を読んでいないにもかかわらず、彼は音楽好きでしかも幅広いジャンルに造詣が深いということを知ってはいます。
村上春樹さんは、複数のインタヴューに音楽から小説の書き方を学んだということを述べています。
例えば、アメリカの若手作家の、音楽はものを書くときに役に立っているのかという質問に対して次のように述べています。
「僕は13歳か14歳の頃からずっと熱心にジャズを聴いていました。音楽は僕に強い影響を与えました。コードやメロディーやリズム、そしてブルーズの感覚、そういうものは、僕が小説を書くにあたってとても役に立っています。僕は本当にミュージシャンになりたかったんだろうと思う。」
さて、『村上春樹の100曲』は、村上さんが、小説で取り上げている曲をそれぞれの音楽のジャンル別に別々の書き手が書いています。
・80年代以降の音楽~「60年代的価値観」の消滅
・ロック~手の届かない場所へ
・ボップス~失われた未来を哀悼する
・クラシック~異界への前触れ
・ジャズ~音が響くと何かが起こる
クラシックに関しては、音楽エッセイスト・評論家の鈴木淳史氏(1970年生まれ)が担当しています。
取り上げた曲は20曲。その最初の曲が、ヴィヴァルディの「調和の幻想」なのです。
ヴィヴァルディの「調和の幻想」と「1973年のピンボール」
ヴィヴァルディの『調和の幻想』は、村上春樹の『1973年のピンボール』に登場します。
その部分は、機動隊が大学に突入したときの「ヴィヴァルディの『調和の幻想』がフル・ボリュームで流れていた」という記述です。
誰もいないバリケードのなかで、ヴィヴァルディが鳴っているという、非現実な光景ではあるが、それゆえに美しい詩情を湛えた場面だということです。
村上春樹は、1949年(昭和24年)生まれなので、1968年に早稲田大学に進学しています。ということは、70年安保の学生運動をリアルに体験している世代。
僕が入学したのは、その9年後の1977年なのですっかり静かになっていたけど、バイトしていた喫茶店のマスターなんかは、あの頃は凄かった。火炎瓶が飛び交てったよ、なんて話していました。
そんな休戦状態の中で流れるヴィヴァルディの『調和の幻想』は、さぞかし心に沁みるのではないか?
その場に流れるとしたら、ベートーヴェンでもないし、ましては好戦的なワーグナーなんてありえない。
『村上春樹の100曲』では、次のように書いています。
それは「調和の幻想」という曲のタイトルのせいかもしれない。彼らの運動の最終目的である「世界の調和」が、幻想に終わった、結局は幻想的なものだった、と読者に思わせてしまうような。
ヴィヴァルディ 調和の幻想 ターフェルムジーク・バロック管
アントニオ・ヴィヴァルディ – Antonio Vivaldi (1678-1741)
ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op. 3, No. 6, RV 356
Violin Concerto in A Minor, Op. 3, No. 6, RV 356
1.(02:42) I. Allegro
2.(02:01) II. Largo
3.(02:09) III. Presto
total(06:52)
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4つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ長調 Op. 3, No. 1, RV 549
Concerto for 4 Violins in D Major, Op. 3, No. 1, RV 549
4.(02:49) I. Allegro
5.(02:32) II. Largo e spiccato
6.(02:14) III. Allegro
total(07:35)
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合奏協奏曲 ト短調 Op. 3, No. 2, RV 578
Concerto Grosso in G Minor, Op. 3, No. 2, RV 578
7.(01:22) I. Adagio e spiccato
8.(02:18) II. Allegro
9.(02:13) III. Larghetto
10.(02:18) IV. Allegro
total(08:11)
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06:31ヴァイオリン協奏曲 ト長調 Op. 3, No. 3, RV 310
Violin Concerto in G Major, Op. 3, No. 3, RV 310
11.(02:07) I. Allegro
12.(02:13) II. Largo
13.(02:11) III. Allegro
total(06:31)
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合奏協奏曲 ニ短調 Op. 3, No. 11, RV 565
Concerto Grosso in D Minor, Op. 3, No. 11, RV 565
14.(01:07) I. Allegro
15.(00:24) II. Adagio e spiccato
16.(02:33) III. Allegro
17.(02:38) IV. Largo e spiccato
18.(02:19) V. Allegro
total(09:01)
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2つのヴァイオリンのための協奏曲 イ長調 Op. 3, No. 5, RV 519
Concerto for 2 Violins in A Major, Op. 3, No. 5, RV 519
19.(01:56) I. Allegro
20.(01:31) II. Largo
21.(02:29) III. Allegro
total(05:56)
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2つのヴァイオリンのための協奏曲 イ短調 Op. 3, No. 8, RV 522
Concerto for 2 Violins in A Minor, Op. 3, No. 8, RV 522
22.(03:21) I. Allegro
23.(02:54) II. Larghetto e spirituoso
24.(03:18) III. Allegro
total(09:33)
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ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 Op. 3, No. 12, RV 265
Violin Concerto in E Major, Op. 3, No. 12, RV 265
25.(03:19) I. Allegro
26.(02:48) II. Largo
27.(02:26) III. Allegro
total(08:33)
エリザベス・ウォルフィッシュ – Elizabeth Wallfisch (ヴァイオリン)
ジーン・ラモン – Jeanne Lamon (ヴァイオリン)
パトリシア・アハーン – Patricia Ahern (ヴァイオリン)
クリストファー・ヴェレット – Christopher Verrette (ヴァイオリン)
トーマス・ゲオルギ – Thomas Georgi (ヴァイオリン)
ジュリア・ウェドマン – Julia Wedman (ヴァイオリン)
アレン・ホエアー – Allen Whear (バロック・チェロ)
ジュヌヴィエーヴ・ギラードー – Genevieve Gilardeau (ヴァイオリン)
クリスティーナ・マーラー – Christina Mahler (バロック・チェロ)
ターフェルムジーク・バロック管弦楽団 – Tafelmusik Baroque Orchestra
ジーン・ラモン – Jeanne Lamon (指揮)
ヴィヴァルディ:調和の霊感 Op.3 ターフェルムジーク・バロック管弦楽団
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