一昨日横浜のレコファンで購入した、北ドイツ放送響の自主出版の
朝比奈隆90歳記念のCD集が良いです。
今日は、通勤時からフランクのニ短調交響曲をずっと聴いています。
今日だけでもう3回目。
フランクの交響曲なんて、確かクレンペラーとフルトヴェングラーの指揮で持っていますが、どちらも1回ずつ聴いてそのまま。
でも、なんで朝比奈さんの指揮だと1日に3回も聴いてしまうんだろう?
フランクの交響曲のイメージ
セザール・フランク(1822-1890)
交響曲第ニ短調作品48
朝比奈隆指揮
北ドイツ放送交響楽団
録音:1966年2月1日~4日 ハンブルクにて
Ⅰ(19:02) Lento-Allegro non toroppo
Ⅱ(11:19) Allegretto
Ⅲ(11:06) Allegro non toroppo
フランクは、フランスの作曲家ということになっていますが、生まれは、ベルギーのリエージュというオランダ語圏なので気質的には、
ラテン系の明るさよりも質実剛健のイメージがあります。
ベルギーは大きな国ではありませんが、ブラッセルを中心とするフランス語圏とアントワープ(アントウェルペン)を中心とするオランダ語圏があり、互いに対抗しています。
僕は仕事で何度もアントワープに行きましたが、ブラッセルの明るく軽快なイメージに対して落ち着きと多少の暗さを感じました。
フランクの交響曲を聴くと、そのアントワープのイメージに近いもを感じますね。
朝比奈隆のフランクの交響曲
フランクの交響曲がこんなに素敵な曲とはいままで気づきませんでした。
音楽の楽曲の解説書や交響曲の名曲の中には必ず取り上げられていますが、フランスの作曲家にしてはなんか暗いな、しかも魅力的なメロディーに溢れている訳でもなく、多分いままでの人生で数えるほどしか聴いてきませんでした。
また、レコファンでこのCD集を見つけた時も、なんだフランクの交響曲か、ブラームスとかだったら良かったのに、と思ったほどです。
でも、今日だけで3回、すっかりこの曲が好きになってしましました。
朝比奈さんの指揮がいいのか、オーケストラが上手いのか、曲がいいのか、多分その全部なんでしょう。
朝比奈隆 後年のカリスマ性を感じさせる
朝比奈隆は、あくまで誠実に真摯な曲作りをする人で、変にテンポを動かしたり、小細工をしたりするような指揮者ではありません。
僕は残念でなりません。
なぜかというと、日本にこんな偉大な指揮者がいるのに、朝比奈さん名前を知ったのはずっと後だったのです。
はっきり覚えていませんが、社会人になった80年代に入ってからだと思います。
朝比奈さんは、そのころ既に80歳近くになっておられたのです。
朝比奈さんは、90歳近くになってシカゴ交響楽団の招きでシカゴまで行かれていますが、その時のシカゴ交響楽団の事務局長の言葉が忘れられません。
「もっと早く、20年前に出会っていたかった。」
いや、30年前と言ったのかな?
やはり朝比奈さんは、関西で活躍していたこともあるのかもしれません。
それから評論家・宇野功芳氏の広報活動も忘れてはなりません。
朝比奈さんも宇野さんに感謝していましたが、僕も宇野さんの本などから朝比奈さんの存在をしたのでした。
まとめ
80年代以降、圧倒的なカリスマ性で日本指揮界の重鎮として、そして世界的には最後の巨匠として君臨した朝比奈隆ですが、僕は個人的には人気が沸騰する以前の70年代だと思っています。
そしてそれよりも前の60年代は、50代の朝比奈隆の誠実な演奏が聴くことが出来、なんか原点を見たような思いです。
この北ドイツ放送響の自主出版の録音集と出会えたことに感謝します。
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