こんにちは。
ともやんです。
トスカニーニのベートーヴェン全集は、何種類かあるようですが、有名なのでが、1939年のツィクルスと50年代の録音です。
トスカニーニは、1954年の87才まで現役でしたが、39年は、70才を越していたと言え、まだまだ老け込む感じはありませんでした。
もっとも50年代の録音も、これが80代の演奏?と思うほど、快速テンポでしたが。
トスカニーニのベートーヴェン交響曲第2番と第4番
ベートーヴェン(1770-1827)
交響曲第2番 ニ長調 作品36
交響曲第4番 変ロ長調 作品60
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮
NBC交響楽団
1939年 NBCスタジオ 8H
第2番が圧倒的な名演です。
第1楽章の展開部の高速での盛り上げは興奮せずにはいられません。
この1939年のベートヴェン・チクルスのCDのキャッチコピーは、
「老け込む前のトスカニーニが燃焼したNBC響との壮絶なライヴ!」
なんですが、そのものズバリの演奏です。
録音当時、既にトスカニーニは、70才を越えていましたが、たたき上げの芸術家トスカニーニにとってはなんでもなかったようです。
しかもつい後年の52年の全集と比べてしまいますが、リマスターが優れているのか、39年盤の方が音の生々しさは勝っています。
この39年の演奏は聴かずに死ねないベートーヴェンの交響曲全集です。
トスカニーニの交響曲第7番と第8番
ベートーヴェン(1770-1827)
交響曲第7番 イ長調 作品92
交響曲第8番 ヘ長調 作品93
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮
NBC交響楽団
1939年 NBCスタジオ 8H
僕はトスカニーニをいままであまり聴いてきませんでした。
理由は、なんといっても残されている録音が古いからで、しかもトスカニーニの明快でストレートな演奏スタイルと相まって
なんか干物のベートーヴェンやブラームスを聴いているように感じがしていたからです。
でもそんな僕にトスカニーニは凄いんだと思知らせてくれたのが、1939年のベートーヴェン・チクルスの録音なんです。
これを聴く前には1952年録音の全集を聴いていたんだけど音の生々しさは、この39年盤の方があるんですね。
きっとリマスターの違いだと思います。
評論家の福島章恭氏は、身もフタもない話と断りながら、CDでは、トスカニーニの凄さは分からないと断言しています。
初期の頃のLPの方が断然良い音をしていて瑞々しいカンタビーレが聴けるそうです。
こういう話はよく聞くのですが、デジタル録音にしたメリットって結局、長時間録音や複製を作りやすいなどで、音そのものは、アナログの方が良かったのかもしれませんね。
さて肝心の演奏のコメントですが、これは評論家・許光俊氏のコメントを引用したい。
やはりトスカニーニはとんでもない指揮者だったのだと私は思う。
たとえ、1939年に録音されたベートーヴェンの交響曲第8番がある。
これが最初から異常なテンションの圧倒的な演奏なのである。
特に第一楽章後半の緊張感の高まりにはどきどきさせられる。
トスカニーニが嫌いな人でも、これを聴けば、彼が突出した音楽家であったことは否定できないだろう。
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