こんにちは、
ともやんです。
スヴァトスラフ・リヒテルは、1915年3月20日にウクライナに生まれ、2015年8月1日に82歳で死去。
父は、ポーランド生まれのドイツ人でウィーン音楽院で学んだピアニストでオルガニストだったが、事情でウクライナに移住し、同地の音楽院でピアノとオルガンを教えていました。
そこでリヒテルの母を知り合い結婚。
リヒテルが幼い頃にオデッサに家族で移住し、そこで成長しました。
ピアノは、幼少期に父から手ほどきを受けましたが、その後はほとんど独学だったそうです。ただオデッサが文化的水準の高い都市で彼を芸術家として育て上げた土壌があったとも言われています。
リヒテル 評価
実は僕はリヒテルの録音をあまり聴いていません。
理由は簡単で、お気に入りの評論家が、リヒテル推しではなかったからです。
そんな単純な理由で、リヒテルの名前こそよく聴きましたが、その録音をほとんど聴かずにこれまできました。
『クラシックCDの名盤 演奏家篇』という本は、宇野功芳氏、中野健氏、福島章恭氏の三氏がそれぞれ一人の演奏家について語るものです。
傾向としては宇野氏と福島氏が対極にいて中野氏が中道という感じですが、それでも一概ではなく三者三様の評価がおもしろく楽しめる本です。
ピアニストのカテゴリーでは、リヒテルも取り上げていますが、リヒテルに関しては、それぞれリヒテルの評価が低いのです。
それぞれ★5つで評価するのですが、宇野氏★3つ、中野氏★3つ半、福島氏に至っては★2つという低い評価です。
つまり僕の馴染みのある評論家は、平均的にリヒテルへの評価が低かったわけです。
コメントとしては、鈍重でデリカシーがないなどの文字が目立ちます。
僕は、若い時ほど評論家のコメントはあくまで参考で鵜呑みにはしませんが、やはりじゃ、後で聴こうというスタンスになったのは確かです。
結局は自分で聴いてどう感じるかなんですね。
ということで、今回アンチェル&チェコ・フィルとの共演でのライブ録音のベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番と第3番を聴きました。
上記の三氏は全体的な評価は低いとしてもラフマニノフやチャイコフスキー、ショスタコーヴィチなどロシア物への評価は高いので、そこから聴くのも手でした。
しかし、やはり聴きなれたベートーヴェンを聴けば他の演奏と比較できるので、ベートーヴェンから聴くことにしました。
僕が聴いたポイントは2つ
1,アンチェル&チェコ・フィルの伴奏が最高です。キリリと引き締まった名演で楽器の響かせ方も多彩でチャーミング。
2,リヒテルのピアノは、鈍重というよりも武骨でこれはベートーヴェンにとってマイナスではありません。
ライブ録音ということで、緊張感も高く、なぜ三氏の評価が低いのかはこの録音を聴く限りわかりませんでした。
今後は、自分の耳と感性を頼りにリヒテルを聴き込んで行きたいと思います。
リヒテル ベートーヴェン ピアノ協奏曲第1番&第3番
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 Op. 15
Piano Concerto No. 1 in C Major, Op. 15
1.(16:10) I. Allegro con brio
2.(10:13) II. Largo
3.(08:43) III. Rondo: Allegro
total(35:06)
スヴャトスラフ・リヒテル – Sviatoslav Richter (ピアノ)
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 – Czech Philharmonic Orchestra
カレル・アンチェル – Karel Ancerl (指揮)
録音: 2 June 1956, Smetana Hall of Municipal House, Prague, Czech Republic
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ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 Op. 37
Piano Concerto No. 3 in C Minor, Op. 37
4.(16:32) I. Allegro con brio
5.(09:14) II. Largo
6.(09:00) III. Rondo: Allegro
total(34:46)
スヴャトスラフ・リヒテル – Sviatoslav Richter (ピアノ)
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 – Czech Philharmonic Orchestra
カレル・アンチェル – Karel Ancerl (指揮)
録音: 21 June 1962, Smetana Hall of Municipal House, Prague, Czech Republic
ベートーヴェン: ピアノ協奏曲第1番、第3番 スヴャトスラフ・リヒテル
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アンチェル&チェコ・フィルとのライヴ。リヒテルが弾くベートーヴェンの協奏曲集
1950年の「プラハの春音楽祭」におけるモーツァルトのピアノ協奏曲第20番に始まり、1993年のグリーグのピアノ協奏曲に至るまで、プラハでの演奏活動はリヒテルの音楽人生の重要な部分を彩ってきました。
1956年と1962年に、いずれもアンチェル&チェコ・フィルとの顔合わせによりプラハで行われたベートーヴェンの協奏曲ライヴは、以前にも別のレーベルでリリースされたことがありますが、すでに廃盤で長らく入手難となっていたものです。
ベートーヴェンのピアノ協奏曲のなかでも第1番と第3番のみを、リヒテルは好んで取り上げて録音も数多く残されていることから、これらは練り上げられた極上のレパートリーといってよいでしょう。リヒテルは第1番を、ほかに1956年のバカラ指揮ブルノ国立管、1960年のミュンシュ指揮ボストン響(日付違いでセッションとライヴの2種あり)、1962年のコンドラシン指揮モスクワ・フィル、そして1988年のエッシェンバッハ指揮シュレースヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭管と録音しています。
さらに第3番は当録音を含めて8種におよび、ほかに1954年のアーベントロート指揮ソビエト国立響、1954年のロヴィツキ指揮ワルシャワ・フィル、1956年のバカラ指揮ブルノ国立管、1962年のザンデルリンク指揮ウィーン響、1962年のペドロッティ指揮RAI響(未発)、1963年のコンドラシン指揮モスクワ・フィル、1977年のムーティ指揮フィルハーモニア管との録音が知られています。
このたびチェコ放送局収蔵のオリジナル・マスターテープより、あらたにリマスタリングが施されたことも相俟って、アンチェルとの熱のこもったやりとりが楽しめる演奏内容がより身近になりました。
キングインターナショナル
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