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ディヌ・リパッティ 誕生日に聴く最後のコンサート

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こんにちは、
ともやんです。

「不世出の天才」、「夭折の天才」と言われるピアニスト、ディヌ・リパッティ。
1917年3月19日ルーマニアのブカレスト生まれ。

だから今日は105回目の誕生日。
しかし残念ながら1950年12月2日に不治の病により、33歳の生涯を閉じました。

不治の病とは、白血病と書かれている記述が多いようですが、実際は悪性リンパ腫の一種だったようで、いくつかの病名が散見されます。

さて、夭逝とは、僕の愛用している三省堂新明解国語辞典第八版では、「期待された才能が開花するしないうちに、年若くして死ぬこと、と記載されています。

この言葉通りに考えるとリパッティは夭逝という言葉が当てはまらないかもしれません。

4歳である慈善公演で人前で演奏し、またこの頃から作曲も始めていたそうです。

また、師エネスコとのヴァイオリン・レッスンの時の写真を見たある音楽評論家は、4歳の子供とは思えない眼で師を見つめる姿に驚いたと記しています。

それはまるで人や物事の本質を見抜こうとする眼差しとしか見えないと思ったそうです。

つまりディヌ・リパッティは亡くなった年齢こそ若かったですが、すでに芸術家として開花していたと思います。

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リパッティ 最後のリサイタル

リパッティは20代の中頃には病に罹っており本格的な活動が出来たのは、僅か6年程度しかありませんでした。

レコーディングも1946年に英EMIと契約し、本格的に活動を開始しましたが、病気のため思うように進みませんでした。

だから録音もそれほど多くなく、1947年ロンドンのアビー・ロードでのスタジオ録音、亡くなる年1時的に回復した時にジュネーヴの自宅で録られたもの、そして亡くなる2か月前、9月16日のブザンソンで行われた最後のリサイタルの録音でほとんどのようです。

そして今日リパッティを偲んで「最後のリサイタル」を聴きました。
この時のリサイタルは、本人はもちろん聴衆もみな彼の病気のことを知っているので、異様な緊張感を持って開始されます。

J・S・バッハのパルティータ第1番から始めますが、弾き出してすぐはっとさせられます。なんか指がもつれたのではという感じを2度ほど受けました。

もしかして相当な緊張ともしかして自分自身でもこれが最後ではという思いもあったのか、凡人には想像すらできません。

しかし、次第に集中が高まり、次のモーツァルトのピアノソナタ第8番では、モーツァルトでは珍しい短調の作品と相まって異様なパッションを感じさせます。

3曲目がシューベルトの即興曲第2番と3番。
これが凄い。儚さを湛えた名演でやはり31歳で亡くなったシューベルトの無念さと同化したような演奏です。

最後が、ショパンのワルツ全曲。
まさに研ぎ澄まされたような演奏で、甘美さは全くなくビターな味わいを全曲を通して感じます。

ただショパンのワルツ全曲は14曲、しかし演奏されたのは13曲でした。
僕のもつ資料では、最後の1曲を遂に弾きことなく、リサイタルを終えたそうです。

弾きたかったのに弾けなかったのか、それとも弾かなかったのか不明です。

このリサイタルの約2ヵ月半後の1950年12月2日にかえらぬ人となりました。

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ディヌ・リパッティ ブザンソンにおける最後のリサイタル

J.S.バッハ:パルティータ 第1番 BWV825
モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第8番 K.310
シューベルト:即興曲 D899 Op.90 – No.2 & No.3
ショパン:ワルツ(13曲)

ディヌ・リパッティ(ピアノ)
録音:1950年9月16日

ブザンソン音楽祭における最後のリサイタル ディヌ・リパッティ

伝説の「ディヌ・リパッティ最後のリサイタル」が偶然発見されたINA所蔵のRTF音源から約70年ぶりに蘇える!

ご存知、今や伝説として語り継がれるリパッティ最後のリサイタルはEMI(現WP)等で発売されてきたが、今回INA-Institut National de l’Audiovisuel)で偶然にも発見されたオリジナル・マスター・テープ(RTF-Radiodiffusion Francaise音源)よりINAによって初めてマスタリングされた。アナウンスと指鳴らしPresentation et arpegesも全て収録。完全収録のため超長時間収録(81分24秒)。

ブックレットに未公開演奏写真を含む写真多数掲載。コルトーとの写真もあります。51年9月6日の追悼コンサート(指揮:ジョルジュ・エネスコ、ソロ:マドレーヌ・ディヌ・リパッティ)のプログラム、マルグリット・ロン、ルフェビュール宛の手紙等も掲載。
タワーレコード・オンラインショップより



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