こんにちは。
ともやんです。
ブラームスの交響曲の中では、その劇的な曲想から言っても第1番が一番、フルトヴェングラーに向いていると思います。実際、ライヴ録音も含めて数種類あります。
今回、宇野功芳氏がその著書『フルトヴェングラーの全名演名盤』に沿って僕が現在聴くことが出来る録音を聴いてみましたので、ご案内します。
年代順に聴いていきました。ただ、新しいからと言って録音が良いわけではなく、意外と40年代の録音方が生々しかったりして面白いです。
宇野氏の著書では、フルトヴェングラーの指揮によるブラームス交響曲第1番は、10種類あることになっています。そのうち、2点は、同じ音源と宇野氏も断言しているので、『フルトヴェングラーの全名演名盤』が出版された1998年時点では9種類となります。
今回僕が、実際に聴くことが出来たのは6点でした。
ほぼ主要な録音は聴けたので良かったと思います。
フルトヴェングラー ブラームス交響曲第1番 ベルリンフィル’45年
ヨハネス・ブラームス – Johannes Brahms (1833-1897)
交響曲第1番 ハ短調 Op. 68
Symphony No. 1 in C Minor, Op. 68
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – Berlin Philharmonic Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音: 23 January 1945, Live recording
1.(16:58) IV. Adagio – Piu Andante
ブラームス:交響曲第1番 (第4楽章のみ) (1/23/1945)/第1番 (8/27/1947):ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮/BPO/ルツェルン祝祭管弦楽団
45年1月23日の第4楽章だけが残っている録音を聴きました。僕はアリアCDhttp://www.aria-cd.com/がオリジナルレーベルから出している復刻盤HFCDR-8で聴きました。
この1月23日のコンサートが、フルトヴェングラーが指揮した第二次大戦中に最後の演奏となりました。
プログラムは、モーツァルトの魔笛序曲、交響曲第40番第2楽章で停電となり1時間中断。その後ブラームス交響曲第1番で終わりました。もしかして第4楽章しか録音が残っていないのは、そんな事情も影響していたのかもしれません。
演奏は、今回聴いた6種類のうちもっともドラマティックなもので、録音自体も生々しく記録されています。
全曲が残されていないのが本当に残念です。
あと残響加工がされているようで宇野氏も指摘していますが、少々気になります。
フルトヴェングラー・ファンは必聴です。
なお、タワーレコードで紹介しているCDには、47年8月のルツェルン祝祭管との録音が収録されていますが、僕は未聴です。
フルトヴェングラー ブラームス交響曲第1番 ウィーンフィル’47年
ヨハネス・ブラームス – Johannes Brahms (1833-1897)
交響曲第1番 ハ短調 Op. 68
Symphony No. 1 in C Minor, Op. 68
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音: 17-20 November 1947, Grossersaal, Vienna Musikverein
1.(14:48) I. Un poco sostenuto – Allegro
2.(10:39) II. Andante sostenuto
3.(05:06) III. Un poco allegretto e grazioso
4.(16:32) IV. Adagio – Piu Andante
total(47:05)
『ナクソス・ヒストリカル・シリーズ – ヴィルヘルム・フルトヴェングラー』
後のEMIによるスタジオ録音です。
貧しい録音からかなり素晴らしい演奏だということが想像できます。
宇野氏は、楽章を追うごとに音がぼやけていくと書かれていますが、ナクソス盤で聴く分には十分楽しめます。戦後の復帰間もない頃のフルトヴェングラーを知るには貴重な録音です。
フルトヴェングラー ブラームス交響曲第1番 コンセルトヘボウ’50年
ヨハネス・ブラームス – Johannes Brahms (1833-1897)
交響曲第1番 ハ短調 Op. 68
Symphony No. 1 in C Minor, Op. 68
コンセルトヘボウ管弦楽団 – Concertgebouw Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
1.(14:17) I. Un poco sostenuto – Allegro
2.(09:58) II. Andante sostenuto
3.(04:56) III. Un poco allegretto e grazioso
4.(16:07) IV. Adagio – Allegro non troppo ma con brio
total(45:18)
録音:1950年7月13日
Brahms: Symphony No.2 (7/13/1950), Double Concerto (1/27/1952) / Wilhelm Furtwangler(cond)
宇野氏は、ティンパニーしか聴こえないと表現しているくらい、ティンパニーが前面に出ています。せっかくコンセルトヘボウ管を振っているのにもったいないです。
フルトヴェングラー ブラームス交響曲第1番 北ドイツ放送響’51年
ヨハネス・ブラームス – Johannes Brahms (1833-1897)
交響曲第1番 ハ短調 Op. 68
Symphony No. 1 in C Minor, Op. 68
北ドイツ放送交響楽団 – North German Radio Symphony Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音: 27 October 1951, Live recording
1.(17:02) I. Un poco sostenuto – Allegro
2.(10:08) II. Andante sostenuto
3.(05:21) III. Un poco allegretto e grazioso
4.(17:17) IV. Adagio – Piu Andante
total(49:48)
ブラームス: 交響曲第1番ハ短調 Op.68/ハイ ドンの主題による変奏曲 Op.56a ヴィルヘルム・フルトヴェングラー 、 北ドイツ放送交響楽団
個人的には、一番の名演だと思います。
ティンパニーの決めも決まっているし、ライヴだけに魂の演奏に感動します。
フルトヴェングラー ブラームス交響曲第1番 ウィーンフィル’52年
ヨハネス・ブラームス – Johannes Brahms (1833-1897)
交響曲第1番 ハ短調 Op. 68
Symphony No. 1 in C Minor, Op. 68
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
1.(14:28) I. Un poco sostenuto – Allegro
2.(10:22) II. Andante sostenuto
3.(05:07) III. Un poco allegretto e grazioso
4.(16:33) IV. Adagio – Allegro non troppo ma con brio
total(46:30)
録音:1952年1月27日
【CD】 ブラームス: 交響曲全集、協奏曲、ドイツ・レクイエム ヴィルヘルム・フルトヴェングラー 、 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 、 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
演奏、録音の総合点では、この録音が一番だと思います。
宇野氏は物足りないようですが、僕は十分楽しめました。
やはりフルトヴェングラーは唯一無二の演奏をする人でした。
フルトヴェングラー ブラームス交響曲第1番 ベルリンフィル’52年
ヨハネス・ブラームス – Johannes Brahms (1833-1897)
交響曲第1番 ハ短調 Op. 68
Symphony No. 1 in C Minor, Op. 68
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – Berlin Philharmonic Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
1.(14:40) I. Un poco sostenuto – Allegro
2.(10:40) II. Andante sostenuto
3.(05:24) III. Un poco allegretto e grazioso
4.(17:09) IV. Adagio – Allegro non troppo ma con brio
total(47:53)
録音: 02 February 1952, Radio Recording, Berlin, Titania Palast
Brahms/:Symphony 1/Rosamundeov/Manfred Ov ヴィルヘルム・フルトヴェングラー 、 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
宇野氏の著書には出てこない録音です。
宇野氏の著書には、2月10日の放送用録音となっています。
この録音にもラジオレコーディングと書かれているので、もしかして同じ録音かもしれません。
前出の51年の北ドイツ放送響、52年のウィーンフィルとの録音と似ています。
ただ、録音が一番生々しさが不足しています。
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