こんにちは、
ともやんです。
トスカニーニ&NBC交響楽団の1939年の演奏を聴きました。
聴いてすぐ、怒りの鉄拳という言葉が頭をよぎりました。
ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)
交響曲第5番ハ短調「運命」作品67
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮
NBC交響楽団
1939年11月11日NBCスタジオ8H
クラシック音楽の聴き始めた中学生の頃、学研から毎月出ているミュージック・エコーという雑誌を一時期、定期購買していました。
どれくらいの期間取っていたかも今では憶えていませんが、毎月17センチのEP盤が付いていて、贅沢な雑誌だったと思います。
また記事内容も充実していて、僕はその数年後実家を出て40年経つので、多分実家にはもう残っていないと思います。
トスカニーニとフルトヴェングラーの「運命」
その記事の中でトスカニーニとフルトヴェングラーの運命の演奏比較の記事があった記憶があります。
二人の演奏の違いを音符のイラストで表していましたが、
トスカニーニがダダダダーン、
フルトヴェングラーが、ダァダァダァダァーン
という感じで、クラシックって指揮者で違うんだなぁと興味を感じたものです。
まぁ、それから40年、いまだにクラシック音楽を指揮者で聴き較べているんですがね。
間違った理解でトスカニーニは楽譜に忠実という概念がありますが、メカニックな演奏とは似て非なるもので、本日紹介する運命もかなりテンポを動かしたり、オーボエのカデンツァの部分でも、哀愁を漂わせています。
そしてなんと言ってもトスカニーニの演奏からは感じられるのは、そのほとばしる情熱です。
この「運命」の速いテンポで畳み掛けるような推進力は、運命は自分で切り開いていくものだ!という断固たる意志の強さを感じさせます。
その印象が、僕に怒りの鉄拳という言葉を連想させたのかもしれません。
トスカニーニ&NBC交響楽団 1939年ベートーヴェン交響曲全集より
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第5番 ハ短調 「運命」 Op. 67
Symphony No. 5 in C Minor, Op. 67
1.(07:22) I. Allegro con brio
2.(09:22) II. Andante con moto
3.(04:46) III. Allegro
4.(08:51) IV. Allegro
total(30:21)
アルトゥーロ・トスカニーニ – Arturo Toscanini (指揮)
NBC交響楽団 – NBC Symphony Orchestra
録音: 11 November 1939, Carnegie Hall, New York, United States
ベートーヴェン・フェスティヴァル 1939 アルトゥーロ・トスカニーニ NBC交響楽団
トスカニーニの録音はほとんどがモノラルで、しかも現在CDで出ているものは、干物のような音質です。
その中からトスカニーニの表現を読み取ることは僕には難しいです。
しかし、もし目の前のトスカニーニの指揮でコンサートを聴いたならば、多分、いや絶対、圧倒されて終っても椅子から立てないくらい感動すると思います。
この39年録音の「運命」は後の52年に比べても断然名演で、10数年も前なのに録音も鑑賞に堪えうるもので、これぞ決定盤!と言えるものです。
トスカニーニの演奏は機械的で色気がないと思っている方は、ぜひこの運命を聴いてください。
速いテンポの中にたくさんの微細なニュアンスを盛り込んでいます。
むき出しの音だけで勝負しているという感じで、その迫力には圧倒されます。
ベートーヴェンを愛する人には必聴の録音です。
聴き終わった僕のイメージは、怒りの鉄拳から闘魂に変わりました。
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