こんにちは、
ともやんです。
クルト・マズア(1927-2015)は東ドイツ出身の名指揮者で、ライプツィヒゲヴァントハウス管弦楽団、ニューヨークフィル、ロンドンフィルという名門オーケストラの首席指揮者を務めた名士です。
1970年にライプツィヒゲヴァントハウス管のカペルマイスターに就任した時、当時中学生の僕は、亡くなったコンヴィチュニーへの思いが強すぎて、まったく聴くになれず、ずっと過ごしました。
しかしそれから17年後の1987年5月26日サントリーホールに聴きに行っているようです。
ようですというのは心もとないですが、聴きに行ったのが確かで、時期をみるとこの年しかないのです。
曲目は、ブラームス ピアノ協奏曲第1番とベートーヴェンの第5交響曲でした。
これも全く憶えていません。
一緒に行った友人が、残り少ない頭髪がひよこの産毛みたいと言っていた印象だけです。
しかし、このロンドンフィルとのベートーヴェンなかなかいいです。
クルトマズアの経歴
ここでクルト・マズアの経歴を簡単にたどってみます。
1927年、ドイツ東部シュレージエン地方のブリーク(現在のポーランド・オポーレ県ブジェク)生まれ。
ライプツィヒの音楽大学で学びボンガルツに師事しました。
ハルレ州立劇場の指揮者としてキャリアを始めました。ライプツィヒ歌劇場、ドレスデン・フィル、そしてベルリン・コーミッシェ・オーパーの音楽監督になりました。
70年にはライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のカペルマイスターに就任し96年までその任になりました。
1979年には読売日本交響楽団の名誉指揮者に就任。
1991年から2002年まで、ズービン・メータの後任としてニューヨーク・フィルハーモニックの音楽監督を務めました。
2000年から2007年には、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任、2002年4月からはフランス国立管弦楽団の音楽監督も務めました。
ニューヨーク・フィル退任時には、楽団史上初の名誉音楽監督の称号も贈られたというからオーケストラからも絶大に信頼され愛された人だったことがわかります。
また、僕も憶えていますが、ベルリンの壁崩壊につながったとされる1989年10月9日のライプツィヒの月曜デモにおいて、民主化を要求するデモ参加者が7万人に達しました。
このデモに対して東ドイツの秘密警察と軍隊の銃口が市民に向けられた際、マズアは、天安門事件の二の舞を恐れ、東ドイツ当局に対して市民への武力行使を避け、平和的解決を要望するメッセージを発表しました。
この行動は、当時国際的にも注目を集め、僕のそのニュースを聞いて、マズアやるじゃないか!と思ったものです。
クルトマズア ロンドンフィル ベートーヴェン 交響曲”英雄””運命”
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第3番 変ホ長調 「英雄」 Op. 55
Symphony No. 3 in E-Flat Major, Op. 55, “Eroica”
1.(16:57) I. Allegro con brio
2.(14:02) II. Marcia funebre: Adagio assai
3.(05:34) III. Scherzo: Allegro vivace
4.(11:25) IV. Finale: Allegro molto
total(47:58)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 – London Philharmonic Orchestra
クルト・マズア – Kurt Masur (指揮)
録音: 24 November 2004, Southbank Centre’s Royal Festival Hall, London
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交響曲第5番 ハ短調 「運命」 Op. 67
Symphony No. 5 in C Minor, Op. 67
5.(07:12) I. Allegro con brio
6.(09:14) II. Andante con moto
7.(07:59) III. Allegro
8.(10:25) IV. Allegro
total(34:50)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 – London Philharmonic Orchestra
クルト・マズア – Kurt Masur (指揮)
録音: 27 November 2004, Southbank Centre’s Royal Festival Hall, London
【CD】 ベートーヴェン: 交響曲第3番「英雄」&第5番「運命」 クルト・マズア 、 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
まさに巨匠の風格
マズアによる英雄&運命2000年から2007年に首席指揮者を務めたマズアによるベートーヴェン。マズアは首席指揮者在任期間中に海外公演を含め150回もの演奏会を指揮しました。2005年、LPOレーベルは、マズアのショスタコーヴィチ交響曲第1番でスタートしました。マズアといえばベートーヴェン。この演奏会も暗譜で指揮していました。「運命」の終楽章の最後では会場全体が熱気に包まれているのが感じられる白熱した演奏となっております。
キングインターナショナル
まとめ
“英雄”に関して、ゲヴァントハウス管との70年代と90年代、そして21世紀のロンドンフィルとの3つを聴き比べました。
新しい録音ほど、軽快になって来た感じがあります。
ゲヴァントハウス管との最初の録音は、コンヴィチュニーを意識したかどうかはわかりませんが、コンヴィチュニー張りの遅いテンポで重厚感を出そうとしていますが、中途半端に終わった感があります。
多分、マズアもコンヴィチュニーには敵わないと思ったかどうか、2回目のゲヴァントハウス管は、テンポも速くなり軽快さが増しました。
そしてロンドンフィル盤が、一番軽やかになりました。
だからといって内容も軽くなったわけではありません。もしろ味わいが出てきて感銘度は一番高いです。
マズアの演奏が、ちょっと好きになりました。
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