こんにちは。
ともやんです。
フィリップ・ジョルダン指揮ウィーン交響楽団によるベートーヴェンの交響曲全集を聴き始めました。
まだ第3番”英雄”と第5番のさわりしか聴いていませんが、それらの曲にまとわりつくしがらみを拭い去ったような鮮烈な印象です。
さて、フィリップ・ジョルダンは、1974年10月18日スイス・チューリッヒ生まれの指揮者。
名字からしてもしかしたら、と思っていたらあの名指揮者アルミン・ジョルダンの息子です。
2014年よりウィーン交響楽団の首席指揮者となり、来年2020年からは、ウィーン国立歌劇場の音楽監督に就任します。
現在45歳。
今後巨匠への道を歩み始める指揮者だと思います。
フィリップ・ジョルダン ベートーヴェン交響曲第3番”英雄”
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第3番 変ホ長調 「英雄」 Op. 55
Symphony No. 3 in E-Flat Major, Op. 55, “Eroica”
1.(16:39) I. Allegro con brio
2.(12:58) II. Marcia funebre: Adagio assai
3.(05:46) III. Scherzo: Allegro vivace
4.(11:23) IV. Finale: Allegro molto
total(46:46)
ウィーン交響楽団 – Vienna Symphony Orchestra
フィリップ・ジョルダン – Philippe Jordan (指揮)
録音: 25-26 February 2017, Golden Hall, Vienna Music Association, Vienna, Austria
ベートーヴェン: 交響曲全集<完全限定盤> フィリップ・ジョルダン 、 ウィーン交響楽団
パリ国立オペラ座とウィーン交響楽団の首席指揮者を兼任しているフィリップ・ジョルダンが来日し、日本ツアーを行います。
ベートーヴェン「交響曲第5番」、ブラームス「交響曲第1番」、マーラー「交響曲第1番」をメインに、世界的ヴァイオリニストの樫本大進氏をソリストに迎えたメンデルスゾーンの協奏曲など、魅力的なドイツプログラムが組まれています。
ご紹介のアルバムは、2017年2月に録音されたウィーン交響楽団とのベートーヴェン交響曲ツィクルス第1弾。
第3番は「エロイカ(英雄)」を「プロメテウス」として解釈しており、ジョルダン独自の視点で演奏されています。「英雄=ナポレオン」とは違った観点でお聴きいただくと、聴き慣れた作品に新しい発見があるかもしれません。
ナクソス・ミュージック・ライブラリーのレビューより
フィリップ・ジョルダン ベートーヴェン交響曲第5番
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第5番 ハ短調 「運命」 Op. 67
Symphony No. 5 in C Minor, Op. 67
1.(06:59) I. Allegro con brio
2.(08:47) II. Andante con moto
3.(07:46) III. Allegro
4.(10:41) IV. Allegro
total(34:13)
ウィーン交響楽団 – Vienna Symphony Orchestra
フィリップ・ジョルダン – Philippe Jordan (指揮)
録音: 8-9 March 2017, Goldener Saal, Musikverein, Vienna, Austria
ベートーヴェン: 交響曲全集<完全限定盤> フィリップ・ジョルダン 、 ウィーン交響楽団
1900年に「ウィーン演奏協会管弦楽団」として設立され、100年以上の長い歴史を誇るウィーン交響楽団。
楽団にとって初となるベートーヴェンの交響曲全集の録音に取り組んだのは2014年に首席指揮者に就任したフィリップ・ジョルダンでした。
2017年の春から夏にかけて全曲録音が行われ、これらは半年ごとに1枚ずつリリース。ベートーヴェンのアニヴァーサリー・イヤー(生誕250年)となる2020年に全集が完成する予定です(ただし、2017年の来日において、ツアー特別盤が日本のためだけにリリースされ、今回の曲目は先行発売されました)。
ツィクルス第1集である「第1番&第3番」と同じく、このアルバムにもヴァルター・ヴァイトリンガーによる読み応えのある解説「影絵役者と冒険者」が付属しております。(ブックレット日本語翻訳…山下詠美子)ヴァイトリンガーは作品の詳細な解説を行うと同時に、ジョルダンの作品に対する捉え方、取り組み方を聴き手に提示します。
一般的には「対照的な性格を有する」とされる第4番と第5番の交響曲ですが、ジョルダンは第4番の秘められた暗い性格に着眼し、だからこそ第5番と組み合わせることに意義があり、作品の理解が深まると語ります。
かつて、シューマンが交響曲第4番を「すらりとしたギリシャの乙女」と賛美したことは有名ですが、ジョルダンは否定することはないものの、この曲が決して「しなやかで、明るく、抒情的なものではない」ことをユニークな言葉で語っていきます。
まず、第1楽章冒頭の短い導入部について「ここにロマン派が始まる」と断言し、たくさんの事例を挙げながら、第4番の持つ不安や暗さを伝え、続く第5番との関連性について言及します。
第5番では、「この作品は『運命』ではなく『革命』であり、この曲の根底には反逆、反抗、怒りがある」とした上で、冒頭の3つの音符は「本来叩くもの、痛いものでなくてはならない」とジョルダンは言います。
第5番全体の構成についても熟考を重ね、通常は省略される第3楽章でのトリオの反復についても、反復の削除について歴史的な変遷を考察した上で、ベートーヴェンのメトロノーム指示も指摘し「反復は全体の構成にとって重要である」と結論付けています。
ピリオド奏法も取り入れつつ、音の一つ一つを練り上げた演奏は、ジョルダンの作品に対する真摯な取り組み方も含め、この詳細な解説を読むことで理解が深まることでしょう。CD紹介文
まとめ
ウィーン交響楽団というと100年以上の歴史を持つ名門です。
しかし、ウィーンフィルの影に隠れて常に2番手という印象です。
来年2020年は、ベートーヴェンの生誕250周年の記念すべき年。
それに合わせて多くの録音がされたようですが、この全集はその中でも注目盤です。
来年早々よりしっかり聴いてレビューして行きたいと思います。
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