こんにちは、
ともやんです。
カール・ベームは70年代のアイドルでした。
70年代のカール・ベーム(1894-1981)の日本での人気は凄かったです。
計4回(63年、75年、77年、80年)の来日の内、3回が70年代ですし、しかも名門ウィーンフィルとですから、注目され人気が出ない方がおかしいですが。
カール・ベームは、当時の日本のクラシック界のアイドル的存在だったのです。
僕がクラシック音楽に興味を持ち、LPを初めて購入したのが、中学1年の冬くらいだったと思います。
最初に買ったのが、カラヤン&フィルハーモニアの”運命””悲愴”
次が、フルトヴェングラー&ウィーンフィルの”英雄”
そして3番目にベーム&ベルリンフィルのモーツァルト40番と41番”ジュピター”でした。
なんか面白いですね。
フルトヴェングラーを青臭い中学時代が買ったなんて、いまの趣味をその頃から示唆していたのでしょうか。
さて、70年代の雄と言えば、ヘルベルト・フォン・カラヤン(1908-1989)が帝王として君臨していました。
ベームは、同じグラモフォン・レーベルから、カラヤンの対抗馬的に売り出されていて、これはレコード会社の戦略だったんでしょうが、評論家やファンは、それに乗っかって、外面的なカラヤンと精神的なベームなんて、僕も友人たちと意見を戦わせたものです。
いま考えると恥ずかしいですが、しかもアンチ・カラヤン的な評論家故宇野功芳氏の評論を読み漁ったりして、それが僕のクラシック音楽との黎明期でしたね。
ベーム&ウィーンフィルの”田園”は超名盤だが
さて、僕はこのブログを書いていて、気を付けていることは、名盤だから名演とは限らない、また名演だから名盤とは限らない、ということです。
しかも僕のようにLP、CDを中心にクラシック音楽を楽しんでいる人にとっては、名盤だけど、それが本当に名演だったかどうかは分からないわけです。
特にライブ録音では、その傾向が強いと思います。
よく評論家の文章で、実際に聴いたコンサートがCDになったので聴いてみると、その時のコンサートの記憶が蘇ってくるという場合と、あれっ!?こんな演奏だったっけと違和感を覚えるものと2種類あるようです。
だから、僕は名盤という言い方はしても、それは名演だったという言い方は、自分が聴いていない限り極力しないようにしています。
前置きが長くなりましたが、そういう意味では、ベーム&ウィーンフィルの”田園”は、超名盤です。
1971年のアナログ録音成熟期で、ウィーンフィルの魅惑的で豊潤な響きが堪能できます。 ただ、欲を言えばもう少し色気が欲しいところですね。
僕が若い頃あるプロのオーケストラのコントラバス奏者と談話していたら、音楽は色気だよ、だから恋する人思って弾くんだ、ってコントラバスをブ~ンと色気たっぷりに弾いてくれて、それがおおっ!て官能的な響きとして受け止めた記憶があります。
例えば、クナッパーツブッシュやフルトヴェングラーの演奏には、その色気を感じることがあります。
その点、ベームは質実剛健、素っ気ない感じで、50年代のベルリンフィルとの演奏には、その傾向が如実に表れていました。
でもウィーンフィルの潤い豊かな響きは、そのベームの欠点をカバーしてこの名盤を生んだと思います。
ベーム&ウィーンフィル ベートーヴェン交響曲”田園”
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第6番 ヘ長調 「田園」 Op. 68
Symphony No. 6 in F Major, Op. 68, “Pastoral”
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
カール・ベーム – Karl Bohm (指揮)
録音: May, September 1971, Musikverein, Grosser Saal, Vienna, Austria
1.(12:23) I. Awakening of Cheerful Feelings Upon Arrival in the Country: Allegro ma non troppo
2.(14:01) II. Scene by the Brook: Andante molto mosso
3.(05:50) III. Merry Gathering of Country Folk: Allegro
4.(03:42) IV. Thunderstorm: Allegro
5.(09:48) V. Shepherd’s Song: Happy and Thankful Feelings after the Storm: Allegretto
total(45:44)
ベートーヴェン:交響曲第6番≪田園≫・第8番 カール・ベーム ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ドイツ、オーストリア系音楽の演奏において、20世紀最高の指揮者のひとりベームと、その理想的なパートナーであったウィーン・フィルハーモニーによるベートーヴェン。虚飾を排し、真正面から作品を見据えようとするベームの精神に、ウィーン・フィルハーモニーが全身で応え、感動的な演奏が繰り広げられている。黄金時代のウィーン・フィルの艶やかな響きを記録した魅力にあふれる名盤。
また、巨匠ベームとウィーン・フィルとベルリン・フィルによる、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ブラームスの交響曲全集が、CD22枚組でセールで7千円ちょっとで購入できるセットは超おすすめです。
ちなみに僕はこのセットを所有し楽しんでいます。
The Symphonies – Beethoven, Brahms, Mozart, Schubert カール・ベーム 、 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 、 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
カール・ベーム/ ウイーン・フィルハーモニー
ベートーヴェン:交響曲全集
1970~71年録音
カール・ベーム/ ウイーン・フィルハーモニー
ブラームス:交響曲全集
1975~76年録音
カール・ベーム/ ベルリン・フィルハーモニー
モーツアルト:交響曲全集
1959~68年録音
カール・ベーム/ ベルリン・フィルハーモニー
シューベルト:交響曲全集
1963、66、71年録音
すべてアナログ・ステレオ録音(セッション)
まとめ
生前、70年代を中心にあれだけ人気のあったベームも、死後はどちらかというと往年の巨匠、名匠の中に埋もれようとしています。
今回、新宿のディスクユニオンにて、ベーム&ウィーンフィル、ベルリンフィルのセッション録音22枚組を購入して、これから往年のベームを偲ぼうと思います。
22枚には、ベートーヴェン交響曲全9曲、ブラームス全4曲、シューベルト8曲、モーツァルト46曲が収録されています。
1959年から77年のベーム65才から83才までの貴重なセッション録音を聴いて、ベームの偉大さを再認識して行きたいですね。
ベーム&ウィーンフィルの”田園”は聴かずに死ねない1枚です。
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