こんにちは、
ともやんです。
1909年からオーケストラの演奏が録音されるようになったそうです。
それまではピアノ伴奏の歌曲やピアノ曲、ヴァイオリン曲程度でした。
当時の録音は、ラッパやメガホンのような筒状に向けて演奏し、その振動をワックスを塗った円盤(レコード盤)に刻むという非常に原始的な録音方式でした。
しかも、レコード盤の1面が3分から4分程度しか持たないので、その都度レコード盤を交換しなければならず、あとで編集もできないので、その都度演奏を止めて小刻みに録音して行くというスタイルだったそうです。
だから、演奏時間が1時間を超える第九となると18面にもなり、大変な作業だったようです。
ベートーヴェン 第九の録音 黎明期
それでも、ベートーヴェンが第九を作曲したから100年後の1924年には、日本には2種類の第九のレコードが存在していました。
ブルーノ・ザイドラー=ヴィンクラ―指揮新交響楽団(1923年録音)
アルバート・コーツ指揮アルバート・ホール管弦楽団(1924年録音)
二人の指揮者は、戦後も活動しそれぞれ1960年、53年に亡くなっており、レコードも遺されていて聴くことが出来ますが、残念ながら第九に関して僕には聴くことが出来ません。
僕が現在聴くことができるもっとも古い録音が、1929年のオスカー・フリート指揮シュターツカペレ・ベルリンのものです。この録音のレビューに関しては改めてします。
そして次が1935年の名指揮者ワインガルトナー指揮ウィーンフィルの演奏。
フェリックス・ワインガルトナーは、1963年現在のクロアチアでオーストリア貴族の家系に生まれ、1942年に亡くなっています。
マーラーと同世代ですが、79歳まで生きたので、録音も多く残されています。
ハッキリ言って、録音が古いだけで、現代の演奏と比べて全く遜色のないもので、まさに不朽の名演だと思います。
また随所にウィーンフィルの匂い立つような香しい響きも録音されていて85年前によくぞここまでの録音を残してくれたものだという思いと、その復刻に尽力して下さった方々に感謝です。
しかもワインガルトナーは、1927年から38年に掛けて史上初のベートーヴェン交響曲全てを録音しています。
オーケストラが、ウィーンフィルと5曲(第1,3,7,8,9番)、ロンドンフィルと2曲(第4,5番)、ロンドン響と第2番、ロイヤルフィルと第6番という内容です。
第6番が27年と録音が古く、再録音を考えていたようですが、すでにワインガルトナーも高齢になっていたので叶わなかったようです。
ワインガルトナーの全集に関しても改めてレビューしたいと思います。
ワインガルトナー 第九
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第9番 ニ短調 「合唱付き」 Op. 125
Symphony No. 9 in D Minor, Op. 125, “Choral”
ルイーゼ・ヘレツグルーバー – Luise Helletsgruber (ソプラノ)
ロゼッテ・アンダイ – Rosette Anday (コントラルト)
ゲオルク・マイクル – Georg Maikl (テノール)
リヒャルト・マイヤー – Richard Mayr (バス・バリトン)
ウィーン国立歌劇場合唱団 – Vienna State Opera Chorus
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
フェリックス・ワインガルトナー – Felix Weingartner (指揮)
録音: 2-4 February 1935, Mittlerer Konzerthausaal, VIenna
1.(15:30)Allegro ma non troppo,un poco maestoso
2.(10:01)Molto vivace
3.(14:47)Adagio molto e cantabile
4.(22:29)Presto-Allegro assai
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