ハンス・クナッパーツブッシュ(1888-1965)。
ドイツの名指揮者で、そのやりたい放題的な演奏で日本でも根強いファンがいます。
もちろん僕もその一人です。
今回は、晩年近くのシュトゥットガルト放送響との
得意のブラームスの3番とハイドンの主題による変奏曲をご紹介します。
クナッパーツブッシュは、ブラームスの交響曲の中でも、
特にこの第3番を得意としていて、
録音も8種類残されています。
近々、全てのレビューをお届けしたいと思います。
クナッパーツブッシュ ブラームス交響曲第3番 戦時下の凄演
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以前、このブログでも戦時中の録音をご紹介しています。
なおこの録音は、8種類残されているクナッパーツブッシュの
ブラームス3番の最後のものだそうです。
しかも中々世に出なかった録音と言うことで貴重なものです。
クナッパーツブッシュとシュトゥットガルト放送響のブラームス交響曲第3番
ヨハネス・ブラームス – Johannes Brahms (1833-1897)
交響曲第3番 ヘ長調 Op. 90
Symphony No. 3 in F Major, Op. 90
1.(12:35) I. Allegro con brio – Un poco sostenuto – Tempo I
2.(10:29) II. Andante
3.(07:57) III. Poco Allegretto
4.(11:22) IV. Allegro
total(42:23)
シュトゥットガルト放送交響楽団 – Stuttgart Radio Symphony Orchestra
ハンス・クナッパーツブッシュ – Hans Knappertsbusch (指揮)
録音:1963年11月15日ライブ
ブラームス:交響曲第3番/ハイドンの主題による変奏曲(シュトゥットガルト放送響/クナッパーツブッシュ)
クナらしい、まるで一瞬時間が止まったかのような演奏です。通常聞きなれているこの曲をイメージして聞くと驚くでしょう。しかし聞いていくうちに、この時代の人々の時間の感覚はこの演奏のテンポの方が正しいのでは、と錯覚さえ感じさせる説得力のある内容です。一つ一つの音を大切に丁寧に演奏しているオーケストラのクナに対するひたむきな内容が伝わる名演だと思います。
ナクソス・ミュージック・ライブラリーのレビューより
クナッパーツブッシュとシュトゥットガルト放送響のハイドンの主題による変奏曲
ハイドンの主題による変奏曲 Op. 56a
Variations on a Theme by Haydn, Op. 56a, “St. Anthony Variations”
1.(02:38)Theme: Chorale St. Antoni: Andante
2.(01:54)Variation 1: Andante con moto
3.(01:18)Variation 2: Vivace
4.(02:09)Variation 3: Con moto
5.(01:58)Variation 4: Andante
6.(01:18)Variation 5: Poco presto
7.(01:55)Variation 6: Vivace
8.(04:01)Variation 7: Grazioso
9.(01:44)Variation 8: Poco presto
10.(03:59)Finale: Andante
total(22:54)
シュトゥットガルト放送交響楽団 – Stuttgart Radio Symphony Orchestra
ハンス・クナッパーツブッシュ – Hans Knappertsbusch (指揮)
録音:1963年11月15日ライブ
ブラームス:交響曲第3番/ハイドンの主題による変奏曲(シュトゥットガルト放送響/クナッパーツブッシュ)
ついに正規盤が発売!クナッパーツブッシュ、シュトゥットガルト放送録音!
オール・ブラームス・コンサート!
ヘンスラーと数年越しで交渉していた秘蔵音源のCD化がついに実現しました!クナッパーツブッシュがシュトゥットガルト放送のオーケストラを指揮した、オール・ブラームス・コンサート。ハイドンの主題による変奏曲、そして第3交響曲と、クナッパーツブッシュのお得意の曲ばかり。ハイドン変奏曲は、従来のあらゆる演奏とまったく次元の異なった、叙事詩的雄大さに圧倒される大名演。また御存知第3交響曲も、8種ある録音のうち最後のもので、畏怖の念を抱くほどの巨大なエネルギーを持ちながら、深々と染み渡る豊かな感動に溢れた最高の演奏。いずれもクナの面目躍如たる感動に満ちています。シュトゥットガルト放送収録音源の蔵出しで、音の状態ももちろん優秀、2007年秋の大注目盤です![コメント提供;(株)キング・インターナショナル]
クナッパーツブッシュの名盤 ブラームス3番を聴いて
クナッパーツブッシュは、
よくそのユニークな演奏だけが取り上げられるように思います。
でも彼の本質は、悲しみ寂しさなど負の感情を湛えているところだと僕は思います。
一聴すると豪快な演奏な中に、深い悲しみを感じるのです。
だからそれが聴く人の琴線に触れ、
亡くなって50年以上も経つのに聴かれ続けているだと思います。
先年亡くなった音楽評論家・宇野功芳氏は、
音楽での人の心を打つのは、情熱と寂しさとその著書の中に書かれていました。
それはフルトヴェングラーに関する著書の中ででしたが、
往年の指揮者で亡くなって何十年も経つのに
聴かれ続けている人たちの演奏には、それがあるのです。
まとめ
僕は、現代の演奏家の演奏も聴くように心がけています。
それに関しては、別のブログで進めています。
クラシックの名盤 聴かずに死ねるか
↑
ご興味ある方は、こちらも覗いてみてください。
でもこのブログは、往年の演奏家、
特に指揮者の演奏を主に取り上げています。
いつもなぜ、むかしの指揮者の演奏に惹かれるんだろう、
録音も良くないものも多いのに、と自分に問いかけます。
いつもそうだろうなと思うのは、
第二次大戦やナチスの支配した時代を生き抜いてきた人たちの魂の音が
響いてくるからではないか、と思うのです。
世界史的に見ても異常だった時代に
音楽を通して伝えないものは何だったのかを
感じとろうとする自分がいるのです。
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