こんにちは。
ともやんです。
許光俊氏は、ユニークなクラシック音楽の評論家で、僕は賛同できないことの方が多い人です。
でも出版も多い各書籍への記事も多い人で、どうしても目にすることが多いので、結局読む機会も多い方です。
でも時には、なるほどと賛同することもあるので、許氏の本やコラムはついチェックしてしまいます。
『クラシックの聴き方が変わる本[テーマ別・名盤&裏名盤ガイド]』
という本で、ドイツとオーストリア混同の誤解を解く」というコラムを担当されていて、面白かったので今回はこれをネタにベームとヴァントのブラームスについて書きたいと思います。
ドイツとオーストリアは混同しやすい?
まず個人的な経験から入ります。
僕は、30代から40代に半ばにかけて、仕事で海外に行く機会が、60回ほどありました。
といっても滞在はどこも1週間ほどで長期に滞在したことがなく、あまり詳しく深いことまで知っているわけではありません。
でも、いろいろエピソードはありました。
訪れた国は、ドイツ、ベルギー、ロシア、フランス、イギリス、イタリア、イスラエル、アメリカ、インド、タイ、香港、シンガポールなどで、一見幅広いですが、決まった都市にしか行っていないのでそれぞれのお国柄を語るには情報は少ないです。
そして一番感じたのは、それぞれのお国柄の相違点よりも出会った人たちとの共通点でした。
コミュニケーションは、英語ですが、その内、日本語で話していたように錯覚しだすのです。
一番面白いのは、好かれる人と嫌われる人はほぼ共通していることです。
そして何と言っても大切なのは、挨拶と笑顔です。
ハッキリ言えば、これだけである程度世界を歩けるのではと思ったこともあります。
さて、僕は、ドイツには何度も行きましたが、オーストリアには行ったことがありません。
同じドイツ語を公用語としていますが、許氏によると形而上的ドイツと形而下的オーストリアと言っておこう、だそうです。
!?
つまりドイツが、形而上ということは、形がないもの、形を超えたもの、精神的なもので、オーストリアが形があるもの、物質的なもの?
また許氏は、深刻なドイツ、お気楽なオーストリアと言い換えています。
つまり身近なところでは、関東と関西の違い?
真面目な関東とさばけた関西と言い換えられるのか?
いやこれもおかしい。
大阪に3年半単身赴任した僕には、大阪と東京の違いははっきり感じるが、その違いは複雑で傾向としか言えないと思います。
ドイツとオーストリアの差は、同じ言語を使うということで、関東と関西程度の違いなのか、それとももっと大きいのか、
はたまた二国の間には深くで暗い溝があるのか、実際の両国人しか、いやもしかして本人たちもよくわからないのかもしれません。
ベーム&ウィーンフィル ブラームス交響曲全集
カール・ベーム(1894-1981)は、オーストリアのグラーツ出身のオーストリア人。
そしてウィーンフィルは当然オーストリアのオーケストラ。
70年代の録音で、ウィーンフィルがもっとも響きが充実していた頃の録音ということで、ベームも壮年期の厳しさが薄れ、大らかで豊かな演奏を展開しています。
なんだかんだ言ってもおすすめの全集です。
【SACD】 ブラームス:交響曲全集 [SACD[SHM仕様]]<限定盤> カール・ベーム 、 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
2019年に生誕125周年を迎えるオーストリアの巨匠指揮者カール・ベーム。日本には1963年ベルリン・ドイツ・オペラと共に初来日、その後はウィーン・フィルやウィーン国立歌劇場と共にたびたび来日し、特に1975年のウィーン・フィルとの来日公演は今もなお伝説的なコンサートとして事あるごとにクラシック専門誌等で取り上げられています。カラヤンと並び、日本人に最も愛された指揮者ベームとウィーン・フィル。ベームのブラームス録音は、ベルリン・フィルとの交響曲第1番がSA-CD化されておりますが、今回はウィーン・フィルとの交響曲全集と2つの管弦楽曲、ルートヴィヒをソリストに迎えた「アルト・ラプソディ」をDSDマスタリングしてSA-CD化。
【SHM-CD】 ブラームス:交響曲第1番 ハイドンの主題による変奏曲 カール・ベーム 、 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
【SHM-CD】 ブラームス:交響曲第2番 アルト・ラプソディ/悲劇的序曲 カール・ベーム 、 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
【SHM-CD】 ブラームス:交響曲第3番・第4番 カール・ベーム 、 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
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※分売もされていてこちらの価格の方がリーズナブルです。
ヴァント&北ドイツ放送響 ブラームス交響曲全集
ギュンター・ヴァント(1912-2002)は、ドイツ西部のエルバーフェスト出身で、オケの北ドイツ放送響は、ハンブルクのオケでまさしくゴリゴリのドイツ。
しかし演奏は、見通しの良く機能的で現代的な演奏です。
僕は、ヴァントの第1番の序奏のテンポよくポンポンポンと進めるのが好きで、他の指揮者が重厚に進めるのがどんくさく感じるくらいです。
ベームがちょっと重いという人にはおすすめです。
『ブラームス:交響曲全集/ギュンター・ヴァント&北ドイツ放送交響楽団』
90年代ヴァント絶頂期のライヴ
北ドイツ放送交響楽団とのブラームスの交響曲全集新装丁ボックスで登場2012年のヴァント生誕100年&歿後10年のダブル・アニヴァーサリーにリリースされ、大きな反響を呼んだ「北ドイツ放送交響楽団ライヴ集成」。
そのなかに収められていたブラームスの交響曲全集を、新価格新装丁でセット化致しました。
NDR交響楽団との録音はすべてBMGリリースとは一切重複なしの未発売の内容。音質もNDR提供のオリジナルマスターによりCD化されています。BMG録音とは傾向が異なり、すっきりとクリアな音質に特徴があります。
1980年代半ばから1996年までは、多くのヴァント好きのあいだで絶頂期と評される時期であり、ブラームスの交響曲全集は、同オケとの1度目のセッション録音から、最晩年のライヴ録音のちょうど中間に位置するもので、ヴァントの体力、気力の充実ぶりといった要素が音楽にも表れ、さらには急上昇する人気にも後押しされ、たいへん迫力ある内容となっています。この白熱ぶりは尋常ではありません。
キングインターナショナル
まとめ
ベームとヴァントは、何となく似ている部分があります。
年齢的には、20歳近く違いますが、共に真面目に誠実に演奏を繰り返して経験を積み上げてきた叩き上げタイプです。
でも高齢になってからは、ベームが開放的になり寛容になったとは逆にヴァントはより厳しく求道的に高みをめざした感じがあります。
これはあくまで僕の印象であり、人によっては違う印象を持たれると思います。
どちらの人生も音楽家としては幸せだったのではないかと思います。
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