ヘンデルの「メサイア」は聴いて良し歌って良しの傑作

ヘンデル
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こんにちは、
ともやんです。

所属している合唱団で2026年5月にヘンデルの「メサイア」の公演をすることになりました。
僕にとって、メサイアを歌うのは3回目で、2023年10月以来になります。

その合唱団で一緒に活動しているSさんという仲間がいます。
彼は「メサイア」は初めてだと語っていました。
練習開始から1ヵ月が経ち、まだまだチンプンカンプンとのこと。

そこで僕は彼に1枚のCDを渡しました。
それは初めて歌うために練習していた25年前に何十回も聴き返したCDです。

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ヘンデルのメサイアに憧れて

僕は、1987年の30歳の時、初めて市民合唱団で歌いました。
市民合唱団といっても当時の新星日本交響楽団(のちに東京フィルと合併)が年末のベートーヴェンの第九の公演を行うために合唱団員を募集していたのです。

プロのオーケストラの合唱団ですから練習は厳しかったですが、なんとか出来たばかりのサントリーホールと上野の東京文化会館で歌うことができました。
自分にとっては良い思い出となりました。

メサイアの合唱団員募集

せっかく30歳の時に第九を歌うことが出来ましたが、その後、結婚や育児、しかも会社の業務も忙しくなり、とても合唱団に入ろうという余裕はありませんでした。

そんな時、幼い子供たちとよく遊びに行っていた元住吉の国際交流センターで一枚のチラシを見かけたのです。

そこには、ヘンデルの「メサイア」の公演を2001年12月24日に開催するので、合唱団員を募集するという旨が書かれていました。

練習会場は溝の口。
僕は20代の後半、溝の口に住んでいたので土地勘はあります。
しかも自宅からはバスでも、自転車でも行ける距離でした。

練習は土曜日の夕方。
チラシを見かけたのは記憶では2000年の秋頃だったと思います。
「メサイア」は大曲ですが、まだ1年以上ある「よし、申し込もう!」
その合唱団、今も所属している高津市民合唱団に入団することにしたのです。

なぜメサイアが歌いたかったか

僕は、中学生だった1970年からクラシック音楽を聴くのが大好きになり、当時既に30年来のクラシック音楽ファンでした。

特に好きだった指揮者がオットー・クレンペラー(1885-1973)という人で、20世紀最高の指揮者の一人と言われる音楽家でした。
しかし、人物的にはユダヤ系で難儀な性格も禍して苦難の人生を歩んだ方です。
その演奏は、即物的ながら老年期に入ると身体的なこともありテンポは遅くなり、重厚な音楽を生み出す人でした。だから決してわかりやすい演奏ではないですが、それだからこそ、その人物と演奏には畏敬の念と憧れを持たせる人でもありました。

ただ、この人の演奏で「メサイア」のCDを持っていたのですが、当時はどうも馴染めずにいたのです。
これには自分で「メサイア」を歌ってみるしかないな、と思っていた矢先に高津市民合唱団の募集チラシと出会ったのでした。

終演後の感動は今も忘れない

毎週土曜日、自宅から自転車で練習会場のある溝の口まで通いました。
1年以上の練習を経て、ようやく2001年12月24日の洗足学園の前田ホールというりっぱなコンサートホールのステージに立てたのです。

しかも指揮とオーケストラが、なんと秋山和慶さん指揮の東京交響楽団だったのです。
本番の直前には、新宿の大久保駅近くにある東響の練習会場に行き、リハーサルにも参加しました。
僕のパートはベースだったので、コントラバス奏者のすぐ後ろでリハーサルに参加しました。
秋山さんは、当時50歳になられたばかりだったと記憶しますが、豊かな髪はすで白髪でした。
穏やかな口調でオケに指示を出す紳士ぶりにはすっかり魅了されました。

そしてコンサート当日。
休憩もはさんで3時間近く掛かる大曲ですが、歌い終わった瞬間、胸の奥からぐっとこみ上げてくるものがあり、思わず涙がにじみました
あの時の感動は生涯忘れることはないと思います。

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ガーディナーのメサイア全曲1982

今回「メサイア」を初めて歌おうという友人に僕が渡したのが、ガーディナー指揮の合唱曲集でした。

現在は残念ながら廃盤のようです。
ここでは現役の全曲盤をご紹介します。

ガーディナー:メサイア合唱曲集

ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル – George Frideric Handel (1685-1759)
オラトリオ「メサイア」 HWV 56
Messiah, HWV 56

作詞 : 新約聖書 – Bible – New Testament
マーガレット・マーシャル – Margaret Marshall (ソプラノ)
ソウル・カーク – Saul Quirke (ボーイ・ソプラノ)
キャサリン・ロビン – Catherine Robbin (メゾ・ソプラノ)
チャールズ・ブレット – Charles Brett (カウンターテナー)
アンソニー・ロルフ=ジョンソン – Anthony Rolfe-Johnson (テノール)
ロバート・ヘイル – Robert Hale (バス・バリトン)
モンテヴェルディ合唱団 – Monteverdi Choir
イングリッシュ・バロック・ソロイスツ – English Baroque Soloists
ジョン・エリオット・ガーディナー – John Eliot Gardiner (指揮)
録音: November 1982, St. John’s, Smith Square, United Kingdom
total(137:09)

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ガーディナー/ヘンデル・メサイア

不朽の名曲「メサイア」の決定盤のひとつ
アメリカではクリスマス・イヴに演奏される機会が多い、ヘンデル作曲の「メサイア」の名盤。
ガーディナー指揮、古楽器による決定盤のひとつとして名高いこの全曲を、タワーレコード限定盤としてリリース。価格的にもお得なCDです。誰もが知っている「ハレルヤ」含め、合唱団とオーケストラの優秀さも聴きもの。
タワーレコード(2023/12/08)

クレンペラーのメサイアは愛聴盤

ガーディナーの軽快でまるで羽毛が舞うような演奏も素晴らしいし、僕は大好きです。
でもやはりクレンペラーの演奏は忘れられられません。
そして、やはり愛聴しています。

評論家の礒山雅氏が、仰ぎ見る霊峰のようだと表現されていましたが、まさに言い得て妙だと思います。

遅いテンポで重厚ではありますが、決して重苦しくないのです。
最初はスローテンポに途惑うかもしれませんが、慣れてくるとそれが清々しく感じてくるくらいです。
まだの方は、聴いてみてください。

ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル – George Frideric Handel (1685-1759)
オラトリオ「メサイア」 HWV 56
Messiah, HWV 56

作詞 : 新約聖書 – Bible – New Testament
エリーザベト・シュヴァルツコップ – Elisabeth Schwarzkopf (ソプラノ)
グレース・ホフマン – Grace Hoffman (コントラルト)
ニコライ・ゲッダ – Nicolai Gedda (テノール)
ジェローム・ハインズ – Jerome Hines (バス)
フィルハーモニア合唱団 – Philharmonia Chorus
フィルハーモニア管弦楽団 – Philharmonia Orchestra
オットー・クレンペラー – Otto Klemperer (指揮)
total(141:49)

クレンペラーオペラ&宗教的作品録音全集

先頃発売済の『シンフォニック&協奏曲作品録音全集』に続く完結編。今回の29枚組と合わせ計124枚分を、一部を除いて最新で192kHz/24bitでデジタル化&リマスターを行った効果は絶大で、あらためてクレンペラーという不世出の指揮者の絶大な実績が示されたと言って良い。
音質はまるで最新録音かのような臨場感と解像度の高さが伴い、間近で演奏に接しているかのよう。
過去の市販CDで聴きなれた曲でも、前作のBOXを含め今回のリマスター盤で何度も聴き返したくなること必至。
CDとしての最終完成形と言って良いのではないだろうか。レーベルがいかにクレンペラーを大事にしているかがわかります。
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最後に

ヘンデルのメサイアは、聴いて良し、歌って良しの傑作です。
よくぞヘンデルは、こんなに素晴らしい曲を世に送ったものだと思います。

J.S.バッハとヘンデルは、同じドイツ出身で生まれ年も同じです。
しかし、生涯ドイツに留まったバッハに対して、ヘンデルは、ドイツを飛び出しイギリスで活躍しました。

しかもヘンデルは、戦争などで困窮する人々を放っておけず、世界を感化できる音楽の力を信じていたそうです。

だから救世主そのものを題材として、究極の救済の音楽をいまこそ書くべきだと考え作曲したのが「メサイア」ではないか、という人もいます。

実際、メサイアが作曲された発端は、オペラの興行がうまく行かず、困っていたヘンデルに友人ジェネシスから1冊の台本が届いたのです。
そこにアイルランド総督からダブリンでヘンデルのオラトリオのコンサートを行うから来てほしいと依頼が来ました。
その主旨というのは、そのコンサートの収益金を孤児院や貧しい人たちの病院への援助や、借金で監獄に入れられている囚人たちの職法に充てるというものだったのです。

それがモチベーションとなりヘンデルが、こんなにも素晴らしい作品を世に送りだしたのです。



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