こんにちは、
ともやんです。
イーゴリ・マルケヴィチ(1912-1983)は、先日の7月27日が誕生日でした。
今年が生誕110年。ウクライナのキーウ出身。
初来日は、1960年で日本フィル振ったのですが、なんでも当時の日本フィルはまだまだレベル的には高くなく、マルケヴィチは、本気で怒り容赦なく厳しい練習を課したそうです。
資料によると当時の楽団員は、マルケヴィチを「とても怖かった」と述懐しています。
しかし、その甲斐あってストラヴィンスキーの「春の祭典」は、日本フィル史上屈指の名演と語り継がれているそうです。
マルケヴィチ ドイツ・グラモフォン録音集
昨年10月に限定盤として、マルケヴィチが、1953年から65年に掛けてドイツ・グラモフォンに録音したものがCD21枚に収録して発売されました。
CD21枚組なので聴きごたえ充分で、これからの楽しみにしたいのですが、まず聴いたのがモーツァルトの交響曲。
ベルリン・フィルとの第34番と第38番”プラハ”、ラムルー管との第35番”ハフナー”の3曲。
興味深いのが、ベルリン・フィルとの2曲。
録音時期が54年2月ということですから、フルトヴェングラー健在の時です。
まず、録音のよさに驚かされます。
当然モノラルですが、この時期はこれだけの音質は確保できたということで、なんでフルトヴェングラーの録音がいまひとつなのか、EMIだったからか、それともフルトヴェングラーに問題があったのか、と思ってしまいます。
ただ、フルトヴェングラー関連の資料をいろいろ読んでいるとデッカの録音時のものがありましたが、録音技師がせっかく設置したマイクが気に食わないと機嫌を損ね、勝手にマイクの本数も位置も変えてしまったという記述がありました。
これからフルトヴェングラーには録音に対してある偏見があり、また性格的にもかなり気難しい人だったことがわかります。
さて、マルケヴィチの演奏は明快でキリッとして演奏で、舌がピリッとするほど辛口の演奏と評した人がいるのがよくわかるものです。
さすが、シェルヘンに指揮を学びトスカニーニを私淑していただけあるな、ということがわかりました。
ぜひ、来てほしい名演です。
またその他の演奏も改めてレビューしたいと思います。
マルケヴィチ モーツァルト 交響曲第34番・第38番&第35番
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト – Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
交響曲第34番 ハ長調 K. 338
Symphony No. 34 in C Major, K. 338
1.(06:48) I. Allegro vivace
2.(07:32) II. Andante di molto
3.(04:59) II. Minuet
4.(05:50) III. Allegro molto
total(25:09)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – Berlin Philharmonic Orchestra
イーゴリ・マルケヴィチ – Igor Markevitch (指揮)
録音: February 1954, Jesus-Christus-Kirche, Berlin, Germany
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交響曲第38番 ニ長調 「プラハ」 K. 504
Symphony No. 38 in D Major, K. 504, “Prague”
5.(10:17) I. Adagio – Allegro
6.(08:34) II. Andante
7.(05:34) III. Presto
total(24:25)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – Berlin Philharmonic Orchestra
イーゴリ・マルケヴィチ – Igor Markevitch (指揮)
録音: February 1954, Jesus-Christus-Kirche, Berlin, Germany
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交響曲第35番 ニ長調 「ハフナー」 K. 385
Symphony No. 35 in D Major, K. 385, “Haffner”
8.(05:21) I. Allegro con spirito
9.(04:49) II. Andante
10.(03:02) III. Menuetto
11.(03:53) IV. Finale: Presto
total(17:05)
コンセール・ラムルー管弦楽団 – Lamoureux Concerts Orchestra
イーゴリ・マルケヴィチ – Igor Markevitch (指揮)
録音: November 1957, Theatre des Champs-Elysees, Paris, France
イーゴリ・マルケヴィチが1953年から1965年にかけてベルリン、パリ、プラハ、ニューヨークで行ったドイツ・グラモフォン録音が初めてまとめて発売されます。CD21枚組。限定盤。
「自分でも自分の録音を忘れるほど多くの録音を行っている!」というマルケヴィチは、ドイツ・グラモフォン、HMV/EMI、フィリップス(エロクァンスからフィリップス録音全集が発売されています)を始め、数々のレーベルに多くの録音を残しました。博識なマルケヴィチは第二次世界大戦後、作曲から指揮に転向し、まもなく同時代の最も人気のある指揮者となりました。ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンによるクラシックの交響曲、ベルリオーズ、ワーグナー、チャイコフスキーによるロマン派の物語作品、そしてミヨー、オネゲル、ルーセルといったフランス系の現代作曲家など、幅広いレパートリーに精通し、それぞれの曲に切れ味鋭く取り組み、色彩とハーモニーに研ぎ澄まされた感覚をもたらしています。
マルケヴィチのドイツ・グラモフォン録音の多くは、1957年から1961年に首席指揮者を務めていたコンセール・ラムルー管弦楽団とパリで行われました。
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