こんにちは、
ともやんです。
レナード・バーンスタインは、1990年10月14日に亡くなった。
72歳だった。
僕は70歳の誕生日パーティーの模様を写真週刊誌で見て、ああ、元気そうだな、なんて思っていました。
前年89年7月にはカラヤンが亡くなって、その年のベルリンの壁崩壊記念で第九を指揮したのはバーンスタンでした。
またその年、来日もしていた札幌での若者相手で指揮する姿も映像で観ていました。
ただ、その指揮するバーンスタインを見て、少し不吉な予感はしていました。
それは人相がかなり崩れているように感じていたからです。
たしか岩城宏之さんが、魔女が指揮しているかと錯覚したとのちに書いていましたがまさにそんな感じでした。
ただ、それから僅か1年で彼の訃報を聞くとは思ってもいませんでした。
最後のコンサートは、1990年8月19日タングルウッドでのもの。
ベートーヴェンの第7番の終楽章は凄まじかった。
満場からの祝福も凄かった。
バーンスタインは神童でも音楽一家でもなかった
『巨匠たちのラストコンサート』中川右介著を読んでいると、バーンスタインのラストコンサートのことも取り上げています。
そこに書いてあることで今回初めて知ったのは、バーンスタインは、神童でも音楽一家の生まれでもなかったことです。
バーンスタインは、1918年8月25日にマサチューセッツ州ローレンスで生まれました。両親はロシアからの移民で、革命を逃れてきた貴族ではなく、かなり貧しいユダヤ系の一族で、新天地を求めてアメリカに渡って来たのです。
父親は、美容用品を扱い会社を作り、一応ビジネスとして成功したようですが、バーンスタインが幼少期から音楽に触れるような環境ではなかったようです。
そんな中、10歳でたまたま叔母から譲り受けたピアノから彼の音楽人生が始まったのです。
バーンスタインは、ピアニストとしても手練れで協奏曲の引き振りでも録音を残しているくらいですから、てっきり幼い頃から正規のレッスンを受けていたと思っていたのですが、違っていました。
バーンスタイン タングルウッドでの出会い
バーンスタインは、ピアノを習い始め夢中になって行きプロの音楽家を夢見るようになりましたが、父親は猛反対だったそうです。
それでもハーバード大学の音楽専攻課程で、指揮と作曲を学び1939年に卒業。
翌年、タングルウッドの音楽家のためのサマースクールに参加しました。
ここで当時ボストン交響楽団の音楽監督を務めていたセルゲイ・クーセヴィツキ―と出会い、師事することになったのです。
クーセヴィツキ―に気に入られたバーンスタインは、助手を務めながら作曲家になるか指揮者になるか模索している時にクーセヴィツキ―の世話で1943年にニューヨーク・フィルのアシスタント・コンダクターとなりました。直訳すれば副指揮者。
といっても雑用係で、オケを指揮する機会もリハーサルの下準備を時くらいで当然コンサートを振ることもありませんでした。
しかし、ここで思いがけないチャンスが巡ってきました。
1943年11月14日のこと、その日の指揮者ブルーノ・ワルターが急病となり急遽副指揮者のバーンスタインが指揮することになったのです。
これがラジオで放送され、無名の青年が一躍全米に知れ渡ったことになったのです。
つまり、タングルウッドはバーンスタインが著名な音楽家になるきっかけになった場所だったと思います。
そして結局最後のコンサートとなったタングルウッドでの1990年8月19日の演奏はなにか因縁めいているとも言えます。
バースタイン ファイナル・コンサート
ベンジャミン・ブリテン – Benjamin Britten (1913-1976)
歌劇「ピーター・グライムズ」 – 4つの海の間奏曲 Op. 33a
Peter Grimes: 4 Sea Interludes, Op. 33a
1.(03:42) No. 1. Dawn
2.(04:01) No. 2. Sunday Morning
3.(05:01) No. 3. Moonlight
4.(05:26) No. 4. Storm
total(18:10)
ボストン交響楽団 – Boston Symphony Orchestra
レナード・バーンスタイン – Leonard Bernstein (指揮)
録音: 19 August 1990, Tanglewood Music Center, Lenox, United States
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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第7番 イ長調 Op. 92
Symphony No. 7 in A Major, Op. 92
ボストン交響楽団 – Boston Symphony Orchestra
レナード・バーンスタイン – Leonard Bernstein (指揮)
録音: 19 August 1990, Tanglewood Music Center, Lenox, United States
5.(16:19) I. Poco sostenuto – Vivace
6.(09:48) II. Allegretto
7.(10:26) III. Presto, assai meno presto
8.(08:39) IV. Allegro con brio
total(45:12)
20世紀の巨匠シリーズ::バーンスタイン最後の演奏会 ベートーヴェン:交響曲第7番 ブリテン:4つの海の間奏曲
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残念ながらタワーレコードオンラインショップでは、廃盤の扱いです。
Bernstein – The Final Concert
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但し、TOWER RECORDS MUSICのサブスクで聴くことはできます。初めて利用の方は1ヶ月間の無料サービスがあります。
また、Amazon Musicでも聴くことが出来ます。
Bernstein – The Final Concert ボストン交響楽団 & レナード・バーンスタイン
1990年8月19日、病身を押してタングルウッド音楽祭の指揮台に上がったレナード・バーンスタイン。20世紀楽壇を代表する巨匠の最後のステージを記録したボストン交響楽団とのライヴ録音。彼の特徴であった力感や激しい感情移入が影をひそめ、注意深くじっくりと音楽を構築し、厳粛とさえいえる演奏を展開している。
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