こんにちは、
ともやんです。
僕がクラシック音楽を聴き始めた’70年代の指揮者のアイドルは、ヘルベルト・フォン・カラヤンとカール・ベームでした。
この両者のイメージは、カラヤンが絢爛豪華だか内容はイマイチ、ベームが無骨だが、内容が充実しているという分かったようなわからんような総評だったように思います。
年齢はベームの方が14歳上で当時既に80才近い高齢で、一方カラヤンの方は60代に入ったばかりで全盛時代を築いていました。
僕は、評論家宇野功芳氏の信奉者で、つまりアンチ・カラヤンで生意気な中学生にもかかわらず、恥ずかしげもなく友人たちとカラヤンだ、ベームだと意見を戦わせていたものです。
カール・ベーム ベルリンフィル ベートーヴェンとモーツァルト
さて、今日ご紹介するのはLPは、
ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)
交響曲第5番ハ短調作品67「運命」
ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)
「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
カール・ベーム(1894-1981)指揮
ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
ベームのベートーヴェンというと70年代ウィーンフィルと録音した全集が有名ですが、演奏はウィーンフィルの美音に助かられた感のある演奏で物足りないものでした。
※ただ最近はこの寛容で穏やかな演奏も悪くないと思うようになりましたが。。。
しかし、このベルリンフィルとの運命はすごい!
LPジャケットには録音年月日が記載されていませんが録音状態の良いモノラルなので、多分50年代後半と思われます。
録音当時ベームは60歳前後。芸術家としてもっとも脂の乗り切っていた時期でしょう。
こんな厳しく気魄のこもったベートーヴェンはなかなか聴けないでしょう。聴いていて背筋がピンと伸びる思いがする演奏です。
ベームのベルリンフィルとの名盤は、他にベートーヴェンの英雄とブラームスの交響曲1番がありますが、それと比肩する名盤だと思います。
なお、モーツァルトのアイネ・クライネ・ナハトムジークの方は肩の力を抜けた暖かい演奏です。
残念がら、LPと同じCDが探せませんでしたが、ベームの名演集のボックスに収録されています。
聴くべき名演が多数収録されています。
カール・ベーム~グレイト・レコーディングス1953-1972<限定盤>
カール・ベームの録音は、日本ではかねてより高い評価を得ていましたが、近年世界的にもその価値の高さが再評価されています。
リズム感、テクスチャ、構造的な明快さを重視する彼の演奏は、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、R・シュトラウス、マーラーにおいて時代を超えた不朽の解釈を我々に提示します。
日本では1970年代から1980年代初頭に、“ベーム狂騒曲“とも言われる爆発的な人気を獲得し、現在に至るまでドイツ・オーストリア作品における第一人者として高く評価されてきました。
一見優しそうな指揮者に見えますが、音楽に対しては非常に厳しい顔を持っており、「私は普通の職人です。 私の指揮棒は魔法の杖ではなく、誰にも呪文を唱えません。魔法は音楽そのものからのみ生まれるのです」と語っています。
またグラモフォン誌は「ベームは、作品のテンポに対して並外れて優れた感覚を持っており、彼の指揮の下では、 “正しい”テンポが自発的に確立されているようだ」と評しています。
このボックスは彼が最も愛したモーツァルトのセレナーデ他、比類ないR.シュトラウスの作品など、1953-1972年に録音された名演ばかりを収録。ベルリン・フィルの文芸部門のヘルゲ・グリューネヴァルト氏による書き下ろしライナーノーツ(欧文のみ)とベームのレアな写真が掲載されたブックレット付き。
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