こんにちは、
ともやんです。
ヨゼフ・カイルベルト(1908-1968)は、カラヤンと同い年ながら、惜しくも60歳で亡くなっています。
しかも1968年7月20日のバイエルン国立歌劇場においてワーグナーの『トリスタンとイゾルデ』を指揮している最中に心臓発作で亡くなったのです。
今日は、そんなカイルベルトの遺したベートーヴェンの名演をご案内します。
バイエルン放送響とのライブ録音でベートーヴェンのコリオラン序曲、交響曲第7番&第8番です。
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Beethoven: Symphony nos 7 & 8 / Keilberth ヨーゼフ・カイルベルト
カイルベルトは、風貌からして、スタイリッシュなカラヤンと比べてもいかにも質実剛健で堅物というイメージです。
その演奏を聴くと、まるでドイツの田舎料理のように栄養があるのは分かっているが、もうちょっとセンスのある味付けとか盛り方とかあるんじゃないの?と思ってしまいます。
カイルベルト ドイツの巨匠前に逝った名指揮者
しかし、こんな人の演奏は、とっつきにくいけど聴けば聴くほど、そして噛めば噛むほど、味わいが出てきます。
同じタイプでは、やはりドイツの名将ルドルフ・ケンペがそうでした。
日本では朝比奈隆がそうでした。
しかしこんな指揮者も60歳を過ぎ、70歳も過ぎると凄い指揮者になります。朝比奈さんはもちろん、オイゲン・ヨッフム(1902-1987)、ギュンター・ヴァント(1912-2002)も誠実に手を抜かないで愚直に演奏を積み重ねて、偉大な演奏に到達したのです。
だから、カイルベルトもこれからと言う時に亡くなったわけで、惜しい人を失くしたものです。そう言えば、ルドルフ・ケンペも65歳で他界しています。
自分自身で音を出さない指揮者は、多くの演奏を積み上げていくことで偉大な域に達していくのかもしれません。
このベートーヴェンの演奏は、そんな将来の巨匠を予感を感じさせる溌溂として底光りする演奏で、見目麗しいカラヤンの演奏とか一線を画する演奏です。
カイルベルト ベートーヴェン 交響曲第7番&第8番他
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
「コリオラン」序曲 ハ短調 Op. 621.
Overture to Collin’s Coriolan, Op. 62, “Coriolan Overture”
total(08:22)
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交響曲第8番 ヘ長調 Op. 93
Symphony No. 8 in F Major, Op. 93
1.(07:47) I. Allegro vivace e con brio
2.(03:43) II. Allegretto scherzando
3.(07:11) III. Tempo di menuetto
4.(07:32) IV. Allegro vivace
total(26:13)
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交響曲第7番 イ長調 Op. 92
Symphony No. 7 in A Major, Op. 92
1.(11:22) I. Poco sostenuto – Vivace
2.(07:46) II. Allegretto
3.(07:11) III. Presto, assai meno presto
4.(06:51) IV. Allegro con brio
total(33:10)
バイエルン放送交響楽団 – Bavarian Radio Symphony Orchestra
ヨーゼフ・カイルベルト – Joseph Keilberth (指揮)
録音(序曲): 30 November 1957, Herkulessaal der Munchner Residenz, Munich, Germany
録音(交響曲): 05 May 1957, Herkulessaal der Munchner Residenz, Munich, Germany
Beethoven: Symphony nos 7 & 8 / Keilberth ヨーゼフ・カイルベルト
カイルベルト&バイエルン/ベートーヴェン第7番、第8番
1967年5月5日 ミュンヘン、ヘルクレスザールでのステレオ・ライヴ録音。『コリオラン』序曲と、交響曲第7番、第8番を収録。堅実な芸風などと言われるカイルベルトですが、実演は素晴らしい内容です。このアルバムは音も良く、カイルベルトの代表盤として、今後最初に指折られることまず間違い無しの見事な演奏と言えるでしょう。バイエルン放送交響楽団の機能の高さも嬉しいところです。
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