こんにちは、
ともやんです。
モーツァルトの交響曲と言えば、最後の3曲が超有名で、演奏回数やCDも多いですね。
次が38番“プラハ”で、これは3大交響曲に引けを取らない人気を誇っています。
というよりも人によっては、それ以上かもしれません。
事実僕は、“プラハ”が一番好きですね。良い演奏を聴くと一番心躍る曲ですよ。
そして次に来るのが、35番“ハフナー”36番“リンツ”そして映画アマデウスでも効果的に使われた小ト短調と呼ばれる25番でしょうか。
だから、34番なんて、どんな曲だっけとすぐ思い出せない人の方が多いのではないでしょうか?
何を隠そう僕もその一人でした。
そう、ある演奏に出会う前までは。
ケンペ モーツァルト 交響曲第34番
ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)
交響曲第34番ハ長調K.338
Ⅰ(07:09)Allegro vivace
Ⅱ(07:59)Andante di molto
Ⅲ(03:49)Finale,Allegro vivace
録音年:1955年
ルドルフ・ケンペ指揮
フィルハーモニア管弦楽団
ステレオ初出となるビーチャムのハイドン97番は、リマスターの効果も相まってファン歓喜のたまらない内容です。
ビーチャムのロンドン・セットは後半の曲がステレオで出ていますが、モノラル絶頂期ということもあり音質の優劣は一概には言えないものでした。しかし今回のステレオ音源は全く違う鮮烈さと言って良いでしょう。
くっきりと楽器が分離し、かつあたたかく柔らかく、緩徐楽章などビーチャムのお茶目な繊細さ全開でたまらない面白さ。
他にもCDでは初出となるケンペのモーツァルト34番ステレオ・バージョンや、イギリス往年の名指揮者ハリー・ブレックの忘れ難い名演など興味の尽きない1枚となっています。
キングインターナショナル
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ケンペが引き合わせてくれた隠れた名曲
最初、ケンペのモーツァルト?と聞いてあまり聞かないなというのが正直な印象。
ケンペと言えば、ベートーヴェン、ブラームス、ブルックナー。そしてリヒャルト・シュトラウスというような重量級の曲にその本領を発揮する人という印象で、しかも誠実にして端正にして重厚な演奏を聴かせてくれる人というイメージです。
実際、このブログでも取り上げたミュンヘンフィルとのブラームスの交響曲全集などは、聴いて納得の超名演でした。
そしてモーツァルト第34番。アリアCD店主・松本大輔氏の自主レーベルでクオリティの高い復刻が聴けるので取り寄せて聴いたところ、これが本当に、本当にいいのです。
なお、通常盤では上記のCDで聴くことが出来ます。
僕なんかの稚拙なレビューより、辛口評論家の故宇野功芳氏の評論を紹介しましょう。
洗練されず、スマートぶらず、ロココぶらず、恐縮された力強さが一貫し、すべての声部がくっきりと聴こえてくる。リズムやアクセントはどこまでも強靭、木管は細部までよく聴こえ、ハーモニーの味は濃い
「レコード芸術」2000年8月号より
なお、一緒に収録されているハイドンの交響曲第104番“ロンドン”がまたいいのです。まるでベートーヴェンのように響く感銘深い名演となっています。
こんな隠れた名曲の名演に出会えるからクラシック音楽を聴くのが止められません。
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