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ヴァン・クライバーン チャイコフスキー ピアノ協奏曲

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こんにちは、
ともやんです。

今日7月12日は、アメリカのピアニスト、ヴァン・クライバーンの誕生日です。

1934年7月12日、アメリカのルイジアナ州の生まれ。
6歳でテキサス州に移住し、12歳で州のコンクールに優勝してヒューストン響と共演するという早熟ぶりを発揮しています。

そしてなんと言っても世界を驚かせたのは、1958年モスクワで開催された第1回チャイコフスキー国際コンクールで優勝したことです。

このコンクールは、前年10月にスプートニク1号の打ち上げ成功で科学技術での勝利を世界にアピールしたソ連が、芸術面でも優勢を誇示するために企画された国際コンクールだったそうです。

だからこの第1回開催においてはソ連としてなんとしても自国から優勝者を出したいところでした。

しかし、ヴァン・クライバーンがソ連勢を圧倒しました。

逸話によると審査委員一同は審査後、当時の書記長で首相のフルシチョフに「アメリカ人を優勝させて良いか?」と尋ねました。

フルシチョフは、彼が一番のか?と確認し、それならば賞を与えよ、と答えたそうです。ちなみにフルシチョフはウクライナ人でした。

ちなみにチャイコフスキー国際コンクールは、1958年以降4年に一度行われています。ただ、2002年の次が2007年に飛んでいて、前回が2019年で日本人の藤田真央が第2位に入賞しています。

だから次が来年2023年ですが、果たして開催されるのでしょうか?

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ヴァン・クライバーン 光と影

さて、優勝した当時23歳のヴァン・クライバーンは、アメリカに凱旋すると一躍時の人となりました。

その人気は凄く、その年にコンドラシン指揮RCA響と録音したチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番は、なんとビルボードのポップヒットチャートで7週連続で第1位を獲得するというクラシック音楽では考えられないような現象が起きました。

そしてなんと1962年にはヴァン・クライバーン国際コンクールという、彼の名を冠した国際コンクールまで開催されることになったのです。

ちなみにヴァン・クライバーン国際コンクールも1962年以降多少のずれもありながら4年毎に行われ、2009年には辻井伸行が優勝しています。

さて、クラシック音楽の世界で世界的に活躍するには著名なコンクールで優勝もしくは上位入賞することが大事なポイントになります。

ただ、コンクールで優秀な成績を収めるのは、あくまでスタート地点に着くというもので、諏訪内晶子さんのエッセイを読んでいるとコンクールで優勝してからが本当の試練と書いています。

優勝するとメディアで取り上げられ、周囲の態度も急に変わり、チヤホヤされるようになるのです。

そして著名なオーケストラ、指揮者やレコーディングのオファーがどんどん舞い込んできて、もっとも大切な研鑽を積む時間が削られます。

それは技術的な問題だけではなく、人間形成の上でもより重要なようです。
賢明な諏訪内さんは、それを察し、優勝から2年後には一旦活動を休止し、ジュリアード音楽院で学び直し、またより幅広い知識を体得するため同時にコロンビア大学でも学んだのです。

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彼女のエッセイに中にも、若くして注目されながらなんと多くの音楽家が消えていったか、と書いています。
彼女はそれをよくわかっていたようでこのエッセイを書いたのもまだ24歳の時でしたが、50才を越えた現在なお第一線で活躍し、しかもその音楽はより深く多くの人に感銘を与えてくれています。

一方、ヴァン・クライバーンは、どうだったか?僕はよくわかりません。
しかし、40代半ばでいきなり引退。8年後には復帰して、昔の名前で出ています的に再来日も果たしました。

しかし、中村紘子さんは厳しいコメントを寄せたそうです。その内容は「演奏はとやかく言うほどのレベルではない。彼が成熟することなく終わったのは、アメリカの豊かさや楽しさに問題があったのではないか」というものでした。

僕は、1958年のヴァン・クライバーンによるチャイコフスキーのピアノ協奏曲を聴きながら、中村さんのコメントを考えました。

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ヴァン・クライバーン チャイコフスキーピアノ協奏曲

ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー – Pyotr Il’yich Tchaikovsky (1840-1893)
ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 Op. 23
Piano Concerto No. 1 in B-Flat Minor, Op. 23

1.(20:45) I. Allegro non troppo e molto maestoso – Allegro con spirito
2.(07:03) II. Andantino semplice – Prestissimo – Tempo I
3.(06:48) III. Allegro con fuoco
total(34:36)

ヴァン・クライバーン – Van Cliburn (ピアノ)
RCAビクター交響楽団 – RCA Victor Symphony Orchestra
キリル・コンドラシン – Kirill Kondrashin (指揮)
録音: 1958

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番(クライバーン/コンドラシン)(1958)

世界中でミリオン・セラーとなったクライバーン青春の記念碑
東西冷戦の中、1958年のチャイコフスキー・コンクールの優勝により一躍アメリカの国民的英雄となったヴァン・クライバーン。ソ連から帰国直後に録音したチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番は、その若々しい響きをヴィヴィッドに刻印した名演として知られ、クラシック・レコードとしては異例のミリオン・セラーとなった名盤。バックをつとめるコンドラシンの切れ味鋭いロシア的な音楽作りも印象的。



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