こんにちは、
ともやんです。
僕は1957年(昭和32年)生まれ。だから今とは違い、男の子は男らしく、女の子は女らしく、なんて言われていた時代でした。
ただ僕の両親からは、そんな言葉を聴いたことがないし、もしかして意外と進んでいたのかもしれません。
しかし、僕は幼少の頃は大人しい子供だったので、女の子みたいと言われて傷ついたこともあります。
そして漠然とした男らしいものに憧れて、剣道部に入り少林寺拳法の道場に通い、オートバイに乗るようになったのかもしれません。
石田組を知ったきっかけ
ヴァイオリン教室の先生が、「ああ、名前忘れちゃった。ほら、神奈川フィルのコンマスやっていた人で面白い人いるのよ」とある時言っていました。
僕は、地元でありながら神奈川フィルのコンサートには行っていないので、その時は「へえ」というくらいのリアクションしか出来ませんでした。
そんな時、たまたま聴いた『THE 石田組』というアルバムでリーダーの石田泰尚氏のプロフィールを見ていたら、神奈川フィルのコンサートマスターの経歴をみて、ああ、先生はこの人のことを言っていたのか、とわかりました。
オーケストラの抱える根本的な問題
僕はオーケストラの運営に携わったことがないので勝手なことを書きます。
元々オーケストラという組織は、誰かの金銭的なサポートがないとやっていけないものだと思います。
それが行政や大企業などのスポンサーだったりで、単純にコンサートとレコーディングだけの収入では運営できないのではないでしょうか?
またオーケストラの団員もそこからの給料では足りなくて個人的、またはどこかの組織に入って指導したりの副業もやらなければならないようです。
漫画家ヤマザキマリさんの母親は、札幌交響楽団の創設メンバーでしたが、二人の娘を養うために北海道中を車でヴァイオリンを教えに回っていたそうです。そして謝礼として多くの農産物、海産物を車に積んで帰って来たので食費はあまり掛からなかったようだと語っていました。
なんか話は逸れましたが、2014年に石田泰尚氏が創設した男組も各オケから集まったメンバーと言うことでつまり副業としての活動と思われます。
しかし、逆に考えれば、楽器が出来ると言うことは、実力とコネがあれば、活躍が出来る場はそれなりにあるのではということですね。
ただ、それは出産をしない男性の場合で、女性は、産休=退団という現実もあるようで、結局は財政的に脆弱なオーケストラはそこまで面倒見れないというのが現実なようです。
そんなことを考えながら、石田組の演奏を聴いてしまいました。
石田組 THE 石田組
リッチー・ブラックモア – Ritchie Blackmore (1945-) / デイヴィッド・カヴァデイル – David Coverdale (1951-) / ジョン・ロード – Jon Lord (1941-2012) / イアン・ペイス – Ian Paice (1948-)
1.(07:05) 紫の炎(編曲:近藤和明)
Burn (arr. Kazuaki Kondo for orchestra)
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ジョン・ウェットン – John Wetton / エディー・ジョブソン – Eddie Jobson (1955-)
2.(05:30) シーザーズ・パレス・ブルース(編曲:近藤和明)
Caesar’s Palace Blues (arr. for orchestra)
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ジョン・ボンハム – John Bonham (1948-1980) / ジミー・ページ – Jimmy Page (1944-) / ロバート・プラント – Robert Plant (1948-)
3.(08:21) カシミール(編曲:近藤和明)
Kashmir (arr. Kazuaki Kondo for orchestra)
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アストル・ピアソラ – Astor Piazzolla (1921-1992)
4.(04:58) タンゲディアIII (編曲:近藤和明)
Tanguedia III (arr. Kazuaki Kondo for orchestra)
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エルマー・バーンスタイン – Elmer Bernstein (1922-2004)
5.(06:05) 荒野の七人(編曲:近藤和明)
The Magnificent Seven (arr. Kazuaki Kondo for orchestra)
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オットリーノ・レスピーギ – Ottorino Respighi (1879-1936)
リュートのための古風な舞曲とアリア 第3組曲 P. 172
Antiche danze ed arie per liuto (Ancient Airs and Dances), Suite No. 3, P. 172
6.(03:10) I. Italiana
7.(07:23) II. Arie di Corte
8.(03:23) III. Siciliana
9.(04:58) IV. Passacaglia
total(18:54)
石田泰尚 – Yasunao Ishida (ヴァイオリン)
石田組 – Ishida-gumi
今どき、音楽をジェンダーで分けることは時代錯誤かもしれないが、男性だけのグループ、女性だけのグループ、それぞれが聴き手に与えるインパクトの違いは否定できない。
石田組の魅力と個性はやはり「男性だけ」ということにある。彼らを形容する「硬派弦楽アンサンブル」という言葉が示すように、「硬派」とはおよそ男性にしか使われない言葉でもある。
22歳からオーケストラのコンサートマスターの重責を担い、その一方でリサイタルシリーズや、弦楽四重奏、バンドでのジャンルを超えた活動を繰り広げてきた石田泰尚。地道に積み重ねて来たこれらの音楽が、石田組に結実したと言えよう。「強面だが、音は愛と優しさに満ちている」とは石田を讃える常套句となっているが、彼の玲瓏な音は、音楽への愛とか優しさといった情緒的なものに由来するのではないと思う。
それは、自分のヴァイオリンで「絶対なる美しい音を出す」という条件反射のような、もっと本能的なミッションから来ているのではないだろうか。だからいかなる時も彼の音は、決してブレることがない。演奏家が自分の美学や先鋭なスタイルを長年守り抜くのは、精神的にも肉体的にも非常に困難なことである。
たとえ若い頃はそれができても、年齢を重ねれば、人は丸くなり、物腰もやわらかくなる。何故なら、人はその孤独に耐えられないからだ。しかし石田泰尚は孤高の存在であることを貫く。美音という凶器を持ち続けるために。
アルバム ライナーノーツより
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