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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱付き」F. カルクブレンナー編

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こんにちは、
ともやんです。

面白くてしかも内容の素晴らしい演奏を聴きました。
ベートーヴェンの第九をカルクブレンナーという人が、ピアノ版に編曲し、しかも終楽章の声楽部分も残しています。

さてこの編曲版は、2020年のベートーヴェン生誕250年記念にラ・フォルジュルネ音楽祭で上演され話題を集めるはずだった作品で、音楽祭はコロナ禍により中止となり、まさに幻の作品となっていたのです。

そして今回僕が聴いたのは、音楽祭の前にフランスのナントで幸いなことにコロナ禍の前に録音されていたものです。

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F.カルクブレンナーについて

編曲者のフレデリック・カルクブレンナー(1785-1849)は、ドイツ人ながらパリに住み大成功したピアニストで作曲家。

何よりも若きショパンが熱烈に崇拝し、弟子入りを切望したことで知られています。作曲家としては4篇の協奏曲をはじめ多くのピアノ曲を残し、いずれも技巧的で派手な効果に満ちています。

年齢はベートーヴェンより15歳年下で、10歳の時にベートーヴェンの前で演奏し絶賛されたとか。

1837年にはベートーヴェンの交響曲全9曲をピアノ独奏用に編曲し、ベートーヴェン好きのフランス王ルイ・フィリップに献呈しました。

リストもやや遅れて編曲に挑みましたが、第9だけは断念し26年後の1864年にようやく行なったとされます。

カルクブレンナー編は、少年時代のワーグナーが1830年に行なった版に次ぐ史上2つ目、それもピアノ界に君臨する大物によるものとしては第1号となります。

同世代の著名な音楽家としては、ニコロ・パガニーニ(1782-1840)カルル・マリア・ウェーバー(1786-1826)ジョアキーノ・ロッシーニ(1792-1868)がいます。

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広瀬悦子 ベートーヴェン第9 カルクブレンナー編

今回ピアノ独奏を務める広瀬悦子。1979年生まれ、愛知県名古屋出身の女性ピアニスト。3歳からピアノを始め、1994年にパリ・エコールノルマル音楽院に入学。

96年に同院を首席で卒業後、パリ国立高等音楽院に入学。99年に首席卒業とともにダニエル・マーニュ賞を受賞。99年のマルタ・アルゲリッチ国際コンクールでの優勝をはじめ、数々の国際コンクールで優秀な成績を収める。

2001年にはシャルル・デュトワ指揮のN響と共演、日本でのオーケストラ・デビューを果たす。

経歴をみても分かるように超絶技巧のピアニストで、現在パリ在住で、ラ・フォルジュルネ音楽祭の常連。

そしてこの編曲の最大のユニークさは、オリジナルのドイツ語をフランス語に訳していることです。だから今回の録音もニュアンスを大切にするためフランス系の歌手を起用。

合唱はロシアのエカテリンブルグ・フィルハーモニー合唱団で、マリインスキー劇場の合唱指揮を務めるアンドレイ・ペトレンコが見事に統率し、声の音圧も物凄い迫力で聴きものです。

第1楽章から3楽章までのピアノ独奏。まさに広瀬さんの圧倒的なテクニックによる表現力豊かな演奏には感動的で、僕は第2楽章のスケルツォが意外に多彩に響きを楽しむことが出来ました。また第3楽章は情感豊かな演奏で広瀬さんの音楽家としての格を感じました。

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終楽章は、ピアノ独奏に対してなので合唱団も小編成なのか、独唱も含めクリアで引き締まった透明感のある演奏で素晴らしいです。
ただドイツ語歌詞を聴きなれた耳、そしてフランス語に疎い僕にとっては、言葉の響きに対しては新鮮さと違和感を同時に感じてしまいました。

なんとはあれ、第9好きな方には、もちろんそうでない方にもぜひ聴いてほしい演奏です。

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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱付き」F. カルクブレンナー編

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第9番 ニ短調 「合唱付き」 Op. 125 (F. カルクブレンナーによる声、合唱とピアノ編)
Symphony No. 9 in D Minor, Op. 125, “Choral” (arr. F. Kalkbrenner for voices, choir and piano)

1.(16:44) I. Allegro ma non troppo, un poco maestoso
2.(11:06) II. Scherzo. Molto vivace
3.(14:49) III. Adagio molto e cantabile
4.(24:23) IV. Presto
total(67:02)

作詞 : フリードリヒ・フォン・シラー – Friedrich von Schiller
編曲 : フレデリック・カルクブレンナー – Frederic Kalkbrenner
セシル・アシール – Cecile Achille (ソプラノ)
コルネリア・オンキオイウ – Cornella Oncioiu (アルト)
サミー・カンプス – Samy Camps (テノール)
ティモテ・ヴァロン – Timothee Varon (バス)
エカテリンブルク・フィルハーモニー合唱団 – Yekaterinburg Philharmonic Choir
広瀬悦子 – Etsuko Hirose (ピアノ)
アンドレイ・ペトレンコ – Andrei Petrenko (指揮)
録音: 29 January – 1 February 2020, Cite Nantes Events Center, Nantes, France

ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付き」(F. カルクブレンナー編)

リストとは全く異なる超絶技巧、歌唱はフランス語。
広瀬悦子が幻のカルクブレンナー編「第9」に挑戦!

今年5月のラ・フォルジュルネ音楽祭で上演され話題を集めるはずだった幻の「第9」の登場です。ベートーヴェン・イヤーの2020年には多くのピアニストがリスト編の交響曲第9番「合唱」をとりあげていますが、こちらは19世紀初頭のカルクブレンナーによる編曲で、もちろん世界初録音。キングインターナショナルが楽譜を提供し、パリ在住でフォルジュルネ音楽祭でもお馴染みの広瀬悦子の壮絶な演奏が実現しました。

「第9」好きなら目から鱗の落ちることの連続、たいへんな時代への日本、フランス、ドイツ、ロシア共同のエールとして響きます。
キングインターナショナル



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