こんにちは、
ともやんです。
今年はヤマザキマリさんの影響で、札幌交響楽団のCDを何枚も購入し、そして聴きました。
ヤマザキマリさんは、「テルマエロマエ」の原作者の漫画家ですが、現在各方面で多彩な活動されています。
著書も多く、僕は現在『ヴィオラ母さん』を読んでいます。
またいくつかの著書も拝読しましたが、彼女のどんな場所でも偏見をもたず、フラットな視線で、今を生きていく姿勢に感銘を受けています。
『ヴィオラ母さん』にもあるように彼女のお母さまリョウコさんは、音楽家で札幌交響楽団のヴィオラ奏者でした。
そしてその合間にヴァイオリン教師として北海道各地を回っていたそうです。
湘南の鵠沼に生まれ育ったお嬢様が、27歳の時に札幌にオーケストラが出来るという情報を知って、全く身寄りのない北海道に単身向かった。時は1960年(昭和35年)。
女性が一人で仕事を持って生きていくには、なかなか厳しい時代だったと思います。
しかも音楽家なんていうともっと厳しそう。
しかし、そんな中破天荒なリョウコさんは、若くして夫と死別(マリさんの父親)、また二度目の結婚も上手くいかない中、二人の子供を育て、自分のやりたい音楽の道を歩み続けたのです。
そんな話を聴くと、リョウコさんが創設時から在籍した札幌交響楽団を聴きたくなりますね。
そこで、今回タワーレコード企画の中から、3点ご案内します。
札幌交響楽団 第1回定期演奏会 1961.9.6
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト – Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
歌劇「フィガロの結婚」 K. 492
1.(04:18) Le nozze di Figaro (The Marriage of Figaro), K. 492 – Overture
ヨハン・クリスティアン・バッハ – Johann Christian Bach (1735-1782)
シンフォニア ニ長調 Op. 18-4
Symfonia in D Major, Op. 18-4
2.(04:33) I. Allegro con sririto
3.(04:25) II. Andante
4.(02:40) III. Rond0,Rresto
フランツ・シューベルト – Franz Schubert (1797-1828)
劇音楽「キプロスの女王ロザムンデ」 D. 797
Rosamunde, D. 797
5.(06:05) Intermezzo No.3
6.(06:53) Ballet Music No.2
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第1番 ハ長調 Op. 21
Symphony No. 1 in C Major, Op. 21
7.(10:03) I. Adagio molto – Allegro con brio
8.(06:54) II. Andante cantabile con moto
9.(03:56) III. Menuetto – Allegro molto e vivace
10.(06:00) IV. Finale: Adagio – Allegro molto e vivace
札幌交響楽団 – Sapporo Symphony Orchestra
荒谷 正雄 – Masao Araya (指揮)
録音:1961年9月6日 札幌市民会館 第1回定期演奏会ライヴ
第1回定期演奏会(1961.9.6)ライヴ<タワーレコード限定> 荒谷正雄 札幌交響楽団
札響を創設した荒谷正雄指揮により、初めての定期演奏会が札幌市民会館で開かれたのが1961年9月6日。
今から半世紀以上前の音にもかかわらず、鮮明な響きに驚きます。大切に保存されてきた音源が高品位でリマスターされ、貴重な記録が現代に蘇りました。
記念すべき第1回定期演奏会の全曲がステレオ音源で収録されていました。尚、1曲目の「フィガロの結婚」序曲のみ、札響50年史の付録CDで聴くことが出来ましたが、それ以外の曲は今回が初リリースとなります。
当時、東京以外の都市にあるオーケストラは大阪フィルなど4つほどしかなく、東京以北では初となるプロオケの誕生に札幌は湧いていました。待ち望んでいた気持ちは、当日の聴衆の雰囲気で伝わってきます。
記念すべき1曲目の「フィガロの結婚」序曲での期待感、それを一身に背負った演奏者の息使いが聴こえてくるようです。シューベルトでの弦楽器の美しい調べは、思わずはっとするほどの出来。そしてメインであるベートーヴェンの交響曲第1番の雄弁さには驚くでしょう。
タワーレコードより
朝比奈隆&札響 1969&1972
リヒャルト・ワーグナー – Richard Wagner (1813-1883)
楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」 – 第1幕への前奏曲
1.(09:23) Die Meistersinger von Nurnberg (The Mastersingers of Nuremberg), Act I: Prelude
カール・マリア・フォン・ウェーバー – Carl Maria von Weber (1786-1826)
歌劇「魔弾の射手」 – 序曲
2.(10:04) Der Freischutz Overture
ロベルト・シューマン – Robert Schumann (1810-1856)
交響曲第3番 変ホ長調 「ライン」 Op. 97
Symphony No. 3 in E-Flat Major, Op. 97, “Rhenish”
3.(09:55) I. Lebhaft
4.(06:10) II. Scherzo: Sehr massig
5.(05:46) III. Nicht schnell
6.(04:56) IV. Feierlich
7.(05:55) V. Lebhaft
total(32:31)
札幌交響楽団 – Sapporo Symphony Orchestra
朝比奈 隆 – Takashi Asahina (指揮)
1969年5月19日 第84回定期演奏会ライヴ(1)
1972年10月17日 第120回定期演奏会ライヴ(2,3)
以上、札幌市民会館ライヴ
シューマン、ワーグナー&ウェーバー<タワーレコード限定> 朝比奈隆 札幌交響楽団
朝比奈隆と札響の最初の出会いは1969年でした。
まさに今回発売するトラックの1曲目であるワーグナーが、最初の共演となりました。創立からわずか8年ほどしか経っていない当時の札響は運営的にも岐路に立ち、奏者の完全プロ化は終了していましたが、激動の時代であったようです。
そのようななかで、当時60歳だった朝比奈が客演したこの記録は単なる演奏記録を超えた内容であり、両者の最初の出会いからその後回数こそ少なかったとは言え、重要な音源であることは確かです。
非常に開放的で豪快な鳴りを聴くと、そのような事情を感じさせないばかりか、朝比奈との相性の良さがわかる演奏でしょう。
タワーレコードより
岩城宏之&札響 1982&1985
1. リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」 Op.35
2. 武満徹:星・島(スター・アイル)
札幌交響楽団 – Sapporo Symphony Orchestra
岩城 宏之 – Hiroyuki Iwaki (指揮)
1985年10月7日 第263回定期演奏会ライヴ(1)
1982年12月23日 第232回定期演奏会ライヴ(2)
以上、北海道厚生年金会館ライヴ
リムスキー=コルサコフ シェエラザード; 武満徹 スター・アイル<タワーレコード限定> 岩城宏之 札幌交響楽団
岩城と札響の蜜月を物語る名演2曲を収録。技術的な向上と共に、オケのパレットの多彩さが際立つ魅力的な演奏です。
1975年に正指揮者に就任し、その後音楽監督として’88年までの間に数多くの名演を残してきた岩城と札響が残した重要な遺産のひとつを今回発売します。
1985年の記録である「シェエラザード」は、既に10年を過ごしてきた両者にとっては技術的な点は言うに及ばず、日本では稀に見る独自の音色を持ったオーケストラとして、その存在が確立していたことがわかる重要な記録です。
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