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ベートーヴェン 第九 名盤 オスカー・フリート 1929

ベートーヴェン
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こんにちは、
ともやんです。

ベートーヴェンが自身の9番目の交響曲を初演したのが、1724年5月7日ウィーンでのことでした。つまり今から200年前。

それから100年後、極東の日本で、この曲についていくつかの出来事があります。

今日は、それについて記したいと思います。

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ベートーヴェン 第九 初演から100周年の日本

1924年、日本では大正13年。ベートーヴェンの交響曲第9番の完成、初演から100年目の記念すべき年でした。

そのため、この年にはヨーロッパ各地では記念演奏会が行われ、ドイツ、イギリスでは全曲の録音が行われたのです。

録音では、ドイツでグラモフォンからブルノ・ザンドラ―=ウィンクラー指揮ベルリン国立歌劇場合唱団,ベルリン新交響楽団のもの、イギリスでは、ヒズ・マスターズ・ヴォイスからアルバート・コーツ指揮が相次いで録音されました。

さて、そんな動きの中、日本でも特筆すべきことが3つありました。

第1は、上記ドイツ、イギリスで録音されたレコードが輸入され急速に普及しました。当初2種類のレコードは2,000組輸入されました。その後、日本は海外の高級レコードが世界一売れる国になっていったのです。

第2は、日本初の第九の「解説書」が刊行されたことです。いまでは、第九に関する著書や解説書は多くありますが、当時はまさに未知の音楽だったのです。

第3に日本人のよる初演が行われました。1924年11月29日上野の東京音楽学校(現藝大)ででした。

指揮はグスタフ・クローン。彼は東京音楽学校の教師で弦楽、声楽、和声学、作曲、合唱、管弦楽を担当していたそうです。当時50歳。
独唱陣は、ソプラノ長坂好子、アルト曽我部静子、テノール船橋栄吉、バリトン沢崎定之、東京音楽学校のオーケストラと学生全員による合唱で行われました。
なお、当時の東京音楽学校には、管楽器科がなく管楽器に関しては海軍軍楽隊から応援を得たりしたそうです。

指揮者のクローンはじめ200余名の出演者は、約半年に渡って週2回の練習を重ねました。

ただ経済的には厳しいものがあり、経済的援助をしたのが、数年前徳島までドイツ人捕虜による第九を聴きに行き、感銘を受けた紀州徳川家16代目当主徳川頼貞氏(1892-1953)でした。

なお演奏は、日本人による初演という栄誉はありましたが、内容自体は一部は混乱しまずいという部分もあったそうです。

でもその挑戦は素晴らしいもので、人によってはインチキとは言わないが、まずかったという人もいたそうです。なら、お前がやってみろよと言いたいくらいです。

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オスカー・フリート 第九 世界初 完全録音

第九の初演100周年を記念して録音された前述のザンドラー盤、コーツ盤は記念すべきものではありましたが、ザイドラー盤は一部カットがあり、コーツ盤は英語で歌っていました。

ドイツ語による完全盤は、1929年に録音されたオスカー・フリート盤が最初です。
オスカー・フリート(1871-1941)はベルリン生まれ。ユダヤ系の家に生まれ幼少期から音楽に親しんだようですが、貧しかった家庭だったので10代から流しの楽師やさまざまな職に就きほぼ放浪生活を送っていました。

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しかし、その後作曲を学び、自作を発表したりしてマーラーと知己を得、親交を持つまでになり、1906年にはベルリンフィルを指揮してマーラーの交響曲第6番の初演をするまでになっています。

また1924年には世界初となるマーラーの交響曲全集の録音も行っています。

29年録音の第九は、ドイツ語より、スコアのカットも行わない完全版の世界初のものとして貴重なものです。

また90年以上前の録音ながら聴きやすく独唱陣の歌詞も明瞭に聴こえます。
演奏時間が61分代と快速テンポですが、せかせかした感じは受けず、キリリとして演奏です。

歴史的な演奏の録音としてぜひ聴いてほしいです。

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オスカー・フリート ベートーヴェン交響曲第9番 1929

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第9番 ニ短調 「合唱付き」 Op. 125
Symphony No. 9 in D Minor, Op. 125, “Choral”

1.(13:56) I. Allegro ma non tropppo, un poco maestoso
2.(10:00) II. Molto vivace
3.(13:56) III. Adagio molto e cantabile – Andante moderato
4.(23:22) IV. Finale: Presto – Allegro assai
total(61:14)

作詞 : フリードリヒ・フォン・シラー – Friedrich von Schiller
ロッテ・レオナルド – Lotte Leonard (ソプラノ)
ジェニー・ソネンバーグ – Jenny Sonnenberg (コントラルト)
オイゲン・トランスキー – Eugene Transky (テノール)
ヴィルヘルム・グートマン – Wilhelm Guttmann (バス)
ブルーノ・キッテル合唱団 – Bruno Kittel Choir
ベルリン国立歌劇場管弦楽団 – Berlin State Opera Orchestra
オスカー・フリート – Oskar Fried (指揮)
録音: 1929

ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付き」(ベルリン国立歌劇場管/フリート)(1929)

今から93年前の第九の全曲録音。指揮は、マーラーの『復活』やブルックナーの第七の全曲を世界で初めてレコーディングしたオスカー・フリートで第九のドイツ語歌唱による全曲の世界初録音。



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