こんにちは、
ともやんです。
アリス=紗良・オットは、今年、僕を一番惹きつけてくれたピアニストです。
ドイツ人の父と日本人の母をもつ、アリス=紗良・オットは、美貌の持ち主です。
もちろん美人に越したことはありませんが、注目を集めるには、利用は出来ますが、あとは実力がものをいう世界です。
美人ピアニストだから聴いてみたけど、大したことないよね、だとすぐ忘れ去られてしまいます。
でも、アリス=紗良・オットは、違います。
綺麗なだけではなく、確かなテクニックと輝くセンスを持った期待の大型ピアニストです。
アリス=紗良・オット 宇野功芳も注目したピアニスト
宇野功芳が、80歳を超えて、最後の力を振り絞って書き上げた著書が『ベートーヴェン 不滅の音楽を聴く』です。
宇野氏のあとがきが、2013年5月5日となっていますから、83歳の誕生日を数日後に控えた日でした。
多分、この著書が宇野氏の最後の本だと思います。
そして、僕はこの本に接して、宇野氏が最後まで名演、名盤を求めてCDを聴くだけではなく実演にも足繁く通われていたことを知りました。
その中で、アリス=紗良・オットの実演に接し、深く感銘を受け、彼女の実演にぜひ接してほしいとコメントされています。
少し長くなりますが、以下の引用します。
宇野氏が『エリーゼのために』のページで書かれていた文章です。
“ぼく自身はこの小品をとくに好きでもなく、愛奏もしていないが、ここに採り上げたアリス=紗良・オットの名演を2回も耳にしたからである。
これは彼女の得意とするアンコール曲で、ぼくはサントリホールと東京オペラシティで聴いたのだが、まるで夢のような体験だった。
オットは2回とも全曲をピアニッシモのまま弾いたが、その美しさは比類のないもので、彼女のコンサートがあれば必ず弾いてもらいたい。ピアニッシモだけ、というのはよほど才能がないともたないが、もてば夢の世界となる。”
どうですか、ぜひ、アリス=紗良・オットの実演に接したいと思いますよね。
アリス=紗良・オット ベートーヴェン 名演集
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
ピアノ・ソナタ第3番 ハ長調 Op. 2, No. 3
Piano Sonata No. 3 in C Major, Op. 2, No. 3
1.(10:51) I. Allegro con brio
2.(06:52) II. Adagio
3.(03:32) III. Scherzo: Allegro – Trio
4.(05:26) IV. Allegro assai
total(26:41)
アリス=紗良・オット – Alice Sara Ott (ピアノ)
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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
ピアノ・ソナタ第21番 ハ長調 「ワルトシュタイン」 Op. 53
Piano Sonata No. 21 in C Major, Op. 53, “Waldstein”
5.(11:16) I. Allegro con brio
6.(03:29) II. Introduzione: Adagio molto
7.(09:59) III. Rondo: Allegretto moderato – Prestissimo
total(24:44)
アリス=紗良・オット – Alice Sara Ott (ピアノ)
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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
8.(07:52) アンダンテ・ファヴォリ ヘ長調 WoO 57
Andante in F Major, WoO 57, “Andante favori”
アリス=紗良・オット – Alice Sara Ott (ピアノ)
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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
9.(06:20) ロンド・ア・カプリッチョ ト長調 「失われた小銭への怒り」 Op. 129
Rondo a capriccio in G Major, Op. 129, “Rage over a Lost Penny”
アリス=紗良・オット – Alice Sara Ott (ピアノ)
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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
10.(03:25) バガテル イ短調 「エリーゼのために」 WoO 59
Bagatelle in A Minor, WoO 59, “Fur Elise”
アリス=紗良・オット – Alice Sara Ott (ピアノ)
ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ第3番、第21番《ワルトシュタイン》、アンダンテ・ファヴォリ、失われた小銭への怒り アリス=紗良・オット
才媛アリスが満を持して贈る渾身のベートーヴェン作品集!
ドイツ音楽の真髄で、ピアノの新約聖書とも呼ばれるベートーヴェンのソナタにドイツと日本の血が流れる才媛アリス=紗良・オットが挑んだ渾身の1枚。ハ長調の2曲のソナタを軸に、当初は《ワルトシュタイン》の第2楽章として作曲された「アンダンテ・ファヴォリ」と《失われた小銭への怒り》を並べた選曲のセンスも光る1枚がようやく輸入盤でも発売となります。
ユニバーサル ミュージック/IMS
アリス=紗良・オット 光るセンスは?
アリス=紗良・オットの演奏について、個人的に思うことは、この人のセンスが光るのは
緩徐楽章と小品ではないかと思うのです。
このアルバムのベートーヴェンの3番とワルトシュタインのソナタでも、緩徐楽章である第2楽章が、その繊細な美しさに心を奪われます。
このブログでも紹介した、チャイコフスキーの協奏曲のような大曲でも、派手な部分よりもつなぎ的な部分にぞくっとするような美しさと煌めきを感じてと決めてしまうんです。
ナイトフォール アリス=紗良・オット
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だから今年発売された『ナイトフォール』というアルバムは、
彼女のセンスが詰め込まれているのも知れませんね。
最後に
アリス=紗良・オットには3歳違いの妹がいて彼女も注目のピアニストであることを最近知りました。
名前はモナ=飛鳥・オット。
このブログでも採り上げましたが、姉のアリスとは違い、モナは強靭なテクニックを武器に大曲が似合うピアニストです。
アリスとモナの姉妹は、2019年以降も注目ですね。
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