まいどはや
ともやんです
オーストリア・ツアー5日目
6月1日(土)リンツ
この日は、ザンクト・フローリアン修道院でコンサート。
午前中にゲネプロ。午後2時から開演。
楽屋というものはないので、貴重品は極力持ってこないように言われ、財布やパスポートは、ホテルのセイフティー・ボックスに保管。
コンサート用の正装に着替え、スマホだけ持って送迎のバスに。
外は雨が降るようで降っていない曇り空。
肌寒い。気温は12-3℃か。
リンツ 早朝散歩
日本でも早起きの僕は、当然早起きで、朝食前には1時間ほどリンツの市街地を散歩した。
リンツは、ウィーンから西に約175kmに位置するオーストリア第3の都市。といっても人口20万人程度で、僕の故郷の富山市よりも少ない。
※宿泊したリンツのホテル
現在、人口減に悲観的になっている日本だが、明治維新の頃で人口約3,300万人、1945年の敗戦時で約7,200万人。
個人的には明治以降の人口増は国策だったと思っていて果たして国民が望んだことなのか?
人口増で失ったものも多いのではないか?世界的に見ても豊かな自然や動植物、昆虫等の生き物たちもそうだ。
果たしてその後世界第二位の経済大国にまでなったことは国民に幸せをもたらしたのか?といつもヨーロッパに来るたびに感じてしまうのだ。
この朝も土曜日朝の静かなリンツの街を歩きながら、そんな思索に耽っていた。
※ホテル周辺のリンツの街並み
午前8時過ぎに送迎バスが来て乗り込む。寒いからか舞台衣装の上にコートやカーディガンを羽織っているご婦人たちが多い。僕も羽織りたかったが、残念ながらGジャンしか持ってなくて、スーツの上からはきつい。ただその後雨になったことからキャップと折りたたみ傘を持って行けば良かったと後悔した。
ゲネプロは、最初はオケから。なんと言ってもこの日はオケが主役だ。曲目はブルックナーの交響曲第7番。親しみやすさでは、第4番「ロマンティック」と同じくらい。これが通になってくると第5番や第8番、第9番となってくる。僕は第1番と第3番も好きだ。
オケのゲネプロが終わって、合唱団も入りベートーヴェンのミサ・ソレムニスの練習。
今回は独唱者が入らないので、第2曲グロリアと第3曲クレドから合唱部分の抜粋。
ただもっとも難しい部分もあるので緊張する。
残響が長いので、テンポはウィーンよりも大分遅く取られていた。倍くらい遅くなったような印象だが、実際は1.2~1.3程度かなと思う。
※オーケストラのゲネプロ風景
しかし、暖房のない礼拝堂は寒い。練習終了後、みんなトイレに急ぐ。
しかも元来コンサートホールではないので、トイレは一箇所だけ。
特に女性用は長い行列が出来ていた。
控室に用意されていた部屋は、そこそこ大きく200㎡以上はあったか。有難いことに多少暖房が効いている。そこにサンドイッチと水が用意されていて開演まで待機。
午後2時開演。
修道院のステージで歌うのは勿論初めて。礼拝堂には700名ほど座れるようだが、どこからそんな人が集まったかと思うほど満席だった。その光景は2日前のウィーンで経験済みだが、やはり外国映画のワンシーンだった。
ウィーンでは、約70分程のステージだったが、今回は抜粋だったので約30分のステージ。自分なりによく歌えたと思う。練習を始めて約半年で、この難しい作品を楽しむ程度まで歌えるようになっていた。2月のミューザ川崎ではボロボロだったが、ウィーンとリンツでは、多少にミスはあったが楽しめた。
少しの休憩があり、次のブルックナー交響曲第7番は、客席で聴いた。
やはり残響を意識してかなり遅いテンポ。
通常70分ほどの演奏時間が、90分ほど掛かった。でも演奏者たちは、よくその遅いテンポに付いていき素晴らしい演奏だった。終わったあとも温かい拍手が続いた。
※終演後の風景
その後、合唱団も再度ステージに上がり記念撮影。
残っている観客からも再び拍手が沸き起こる。
本当に音楽って良いなと思った。
朝比奈隆 ベートーヴェン交響曲全集&ミサ・ソレムニス 1977
ベートーヴェン: 交響曲全集、ミサ曲集(1977-78年ライヴ)、<特別収録>交響曲第5番(1982年ライヴ)<タワーレコード限定> 朝比奈隆 大阪フィルハーモニー交響楽団
朝比奈隆 生誕111年記念企画。ブルックナーに続くVictor原盤のSACDシングルレイヤー・プロジェクト2018年最新作。朝比奈2回目のベートーヴェン全集を世界初SACD化!ミサ曲を含む77,78年ライヴ。
82年の「運命」を特別収録!700セット限定のシリアル・ナンバー付。
《ライナーノート全56ページ》宇野功芳&小石忠男によるLP初出時の解説付。宇野功芳「演奏について」(14p)はLP以来の掲載。歌詞対訳、初出LPジャケット資料集ほか。収録時間9時間超シングルレイヤーならではの利点を生かした長時間収録。3枚のディスクにすべてを収録!
朝比奈隆 大阪フィル ブルックナー交響曲第7番 1975
ブルックナー: 交響曲第7番 WAB.107(ハース版) 朝比奈隆 大阪フィルハーモニー交響楽団
ブルックナーの眠る聖地ザンクト・フローリアン修道院での伝説的ライヴ
「朝比奈隆 聖フローリアンのブルックナー」が新マスタリングで発売!
録音者平澤氏秘蔵のオリジナルマスターテープから初の完全収録で登場
初出ジャンジャン全集盤特典、ビクター盤でカットされた箇所が見事に復活契約切れで長らく入手難であった朝比奈隆の代表盤といわれる聖フローリアン修道院での7番がアルトゥスより新マスタリングで完全復活。
うれしい事に初出でのジャンジャン盤特典およびビクター盤でカットされた1楽章演奏後の沈黙と小鳥の鳴き声が聞こえた後、演奏のあまりのスケール感に打たれた聴衆が自然発生的にじわじわ拍手が湧き上がる箇所も復活。
今まで文献のみで語られた伝説の拍手ですが、こうやって完全収録盤で聞きなおしてみますと、曲を知らないが故の事故的拍手などでなく、巷間語られてきたように演奏の迫真に打たれた聴衆の自然発生的拍手であったことが分かります。
また終演後の演奏の感動を伝える拍手も6分!収録。また宇野功芳氏が神の恩寵と称える2楽章演奏後に奇跡的聞こえてきた5時の修道院の鐘も万全です。
音質はやわらかで7秒の見事な残響が美しくオーケストラは広大になりわたります。ちなみに当日演奏会にはノヴァーク版のノヴァーク教授も臨席、「すばらしい演奏のまえには版の問題は関係ない」と名言を残し演奏を絶賛したとのエピソードも有名です。
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