こんにちは。
ともやんです。
先日、訃報が届きました。
指揮者のマリス・ヤンソンス氏が11月30日に逝去しました。
享年76歳。
もっと若いイメージがありましたが、それでも指揮者としては特に高齢という感じではないので残念です。
ただ、53歳の時心臓発作を起こし、手術で一命を取り止めていたそうで、そんなに頑健な身体でもなかったのかもしれません。
しかも近年、世界的指揮者として多忙を極めていたようにも思います。
僕は、このブログで今年の4月30日の平成最後の日にヤンソンス指揮バイエルン放送響の演奏を取り上げて、絶賛しています。
↓
ヤンソンス指揮バイエルン放送響 ベートーヴェン第九 改元記念
そこには、
演奏は素晴らしいの一言です。
こんな美しい第九は珍しいです。
バイエルン放送響もヤンソンスの指揮のもと、実の活き活きとした演奏を展開しています。平成最後を飾るに相応しい、いやいや何度でも聴きたい第九です。
と絶賛しています。
マリス・ヤンソンスのプロフィール
マリス・ヤンソンスは、1943年1月14日にラトヴィアの首都リガに生まれています。
父親も著名な指揮者のアルヴィド・ヤンソンスで、レニングラードフィルの指揮者の一員であり、来日して東京交響楽団に客演して熱演し聴かせています。
マリスは、そんな父のリハーサル風景を見ながら成長しましたが、直接の指導はなかったそうです。
マリスは、レニングラード音楽院を経てウィーン音楽大学に在籍し、名教師スワロフスキーに師事しました。
そして71年28歳の時に行われた第2回カラヤン指揮者コンクールで第2位となり、レニングラードフィルを振ってソビエト楽壇にデビューを果たしました。
その後、73年からは巨匠ムラヴィンスキーのアシスタントを務め、85年には、准首席指揮者となりムラヴィンスキーと並んで指揮をするようなりました。
88年にムラヴィンスキーが亡くなるとテルミカーノフとともにレニングラードフィルの指揮者となりました。
また79年からはノルウェーのオスロフィルの首席指揮者となりレコーディングを通して西側でも注目されるようになりました。オスロフィルとの関係は、2000年まで20年以上に渡って続き、当楽団の黄金時代を築きました。
※ノルウェー オスロ
20世紀末には、ヤンソンスの名声は確立し、ベルリンフィル、ウィーンフィルにも客演するようになり、しかも1997年にはピッツバーグ交響楽団、2003年からはバイエルン放送交響楽団、2004年からはロイヤル・コンセウルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者に就任し、名実ともに世界のトップクラスの指揮者になったのです。
2010年に音楽之友社から出版されているONTOMO MOOK 世界の指揮者名鑑866では、
“優れた指導力、人間的で温かな人柄という点で傑出、聴き手はもとより楽員からも愛される指揮者になっている。ただ時に健康を害することがあると伝えられており、マイ・ペースでの指揮活動が期待されてならない。”
と記載されていました。
心よりご冥福をお祈りいたします。
追悼 マリス・ヤンソンス(1943年1月14日 – 2019年11月30日)
世界的巨匠指揮者で、1977年の初来日以来、度重なる来日で我が国の聴衆にもお馴染みの存在だったマリス・ヤンソンス氏が2019年11月30日、サンクトペテルブルクの自宅で亡くなりました。76歳でした。謹んでご冥福をお祈りいたします。タワーレコード
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追悼 マリス・ヤンソンス(1943年1月14日 – 2019年11月30日)
僕としては、オスロフィルとのチャイコフスキー第5番、レニングラードフィルとのショスタコーヴィチの第7番も忘れがたいですが、2007年のバイエルン放送響とのブラームス交響曲全集を本日はご案内したいと思います。
2012年発売のヤンソンス&バイエルン放送響によるブラームスの第2番&第3番は、第2番での伸びやかさ、第3番でのドラマティックさを前面に出しつつも、細部に至るまでの濃密な感情表現と、練りに練られた解釈と、充実の音色が相俟った素晴らしい演奏を聴くことができました。
今回は、残りの2曲、第1番と第4番が満を持しての登場となります。第2番の翌年、2007年に録音された第1番と、2012年2月に録音されたばかりの第4番は、同曲異演盤の中でも群を抜く「革新さ」を持ち、この曲を聞き飽きるほど楽しんだ方にも新たな衝撃を与えることは間違いありません。
今回はSACD収録でないのが残念ですが、会場はどちらもヘラクレス・ザールで、豊かな音響は健在です。 ヤンソンス&バイエルン放送響を知るための、最良のアルバムです。CD帯紹介文
このブラームスはいいです。
正統派の演奏ですが、これだけ中身の詰まった演奏は少ないと思います。
超おすすめの名演です。
まとめ
マリス・ヤンソンスは、ムラヴィンスキーのもと研鑽を積んだだけあって、深みのある充実した演奏を聴かせる貴重な指揮者でした。
その経歴から分かるように目立つ存在でもスター性があるわけでもなく、その音楽性と実力とプラスして指導力、人柄で世界的指揮者になった方です。
だから演奏を聴いても、腰が据わって派手さはないけど、正統的で堅実な演奏で聴く人を感動させます。
僕は、凄い指揮者は当たり前の演奏を当たり前にして、聴く人に感動と深い感銘を与える人だと思っています。
マリス・ヤンソンスは、そんな指揮者だったと思います。
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