こんにちは、
ともやんです。
ドイツの名ピアニスト、ヴィリヘルム・ケンプとフランツ・コンヴィチュニー指揮シュターツカペレ・ドレスデンの共演によるブラームスのピアノ協奏曲第1番を聴きました。
凄い!特にコンヴィチュニー&シュターツカペレ・ドレスデンの演奏が凄い。第一楽章の長い序奏部分の演奏を聴いただけで、心をグッと鷲つかみされたように揺さぶられる。
なんと荒々しく粗野にして、しかし格調の高さも併せ持っている。
この序奏を聴くだけで、この演奏への並々ならぬ心持が伝わってきます。
CDの解説では、ケンプが東ドイツに乗り込んで録音したそうです。
しかも二人の共演は、この1回限り。
若いコンヴィチュニーの方が、この録音の4年後に急逝してしまったためです。
コンヴィチュニーにばかり注目しましたが、ケンプは、終楽章に本領発揮。
やや早めのテンポに乗って、抑えて気味で出るケンプですが、次第に熱を帯びていく様は興奮します。
録音は、残念がらモノラルですが、ロバート・キャパの生々しい写真を見るように魂に迫るものがあります。
ぜひ、聴いて欲しい録音です。
コンヴィチュニー&ケンプ ブラームス ピアノ協奏曲第1番
ヨハネス・ブラームス – Johannes Brahms (1833-1897)
ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 Op. 15
Piano Concerto No. 1 in D Minor, Op. 15
1.(20:37) I. Maestoso
2.(12:18) II. Adagio
3.(11:51) III. Rondo: Allegro non troppo
total(44:46)
ヴィルヘルム・ケンプ – Wilhelm Kempff (ピアノ)
ザクセン州立管弦楽団 – Saxon State Orchestra
フランツ・コンヴィチュニー – Franz Konwitschny (指揮)
録音: 1957, Dresden, Saxony, Germany
ブラームスピアノ協奏曲 第1番 ニ短調 作品15<限定盤> フランツ・コンヴィチュニー ヴィルヘルム・ケンプ
ケンプが旧東ドイツのドレスデンに赴いて行った貴重な録音。
共演するのは古色蒼然たるドイツの音色を残していた頃のドレスデン国立管弦楽団と、当時ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の首席指揮者として東ドイツの音楽界を一身に背負っていた巨匠フランツ・コンヴィチュニー。
まさに一期一会の彼らの出会いが、壮烈な演奏となって鳴り渡ります。ケンプには珍しく情熱の迸るデモーニッシュな演奏を展開し、それをオーケストラが弦の底力を全面に押し出した完璧な合奏力でサポートします。
一音たりとも妥協を許さないこのような純ドイツ的表現手段は、現在の音楽界では皆無に等しく、これが彼らの唯一の録音となってしまったことが惜しまれます。
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