こんにちは、
ともやんです。
朝比奈隆が、新日本フィルと録音したブラームスの交響曲ツィクルスの実況録音を取り上げます。
ツィクルスは、2000年9月から2001年3月までサントリーホールで行われました。
既に朝比奈隆は、90歳を超えています。(2001年12月29日他界。享年93歳)聴いていて涙が出てきます。
新日本フィルの熱演も称賛ものですが、弦楽器の内声部となる伴奏パートもしっかり弾かせていて、それがはっきりと聴き取れ、
朝比奈氏自信、自称職人としての自分の主張は曲げない職人魂が炸裂して微笑ましくもあります。
この全集は、朝比奈ファンのみならず日本のクラシック音楽ファンはみんな聴くべき名盤だと思います。
朝比奈隆 90歳のブラームス交響曲全集 最後の職人魂の燃焼
ヨハネス・ブラームス – Johannes Brahms (1833-1897)
交響曲第1番 ハ短調 Op. 68
Symphony No. 1 in C Minor, Op. 68
1.(16:53)I. Un poco sostenuto – Allegro
2.(08:02)II. Andante sostenuto
3.(04:54)III. Un poco allegretto e grazioso
4.(16:51)IV. Adagio – Piu andante – Allegro non troppo ma con brio
total(46:40)
新日本フィルハーモニー交響楽団 – New Japan Philharmonic Orchestra
朝比奈隆 – Takashi Asahina (指揮)
録音: 11 September 2000, Suntory Hall, Tokyo, Japan
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Disc 2
ヨハネス・ブラームス – Johannes Brahms (1833-1897)
交響曲第2番 ニ長調 Op. 73
Symphony No. 2 in D Major, Op. 73
1.(19:59)I. Allegro non troppo
2.(08:58)II. Adagio non troppo – L’istesso tempo, ma grazioso
3.(04:58)III. Allegretto grazioso (quasi andantino) – Presto ma non assai
4.(08:54)IV. Allegro con spirito
total(42:49)
新日本フィルハーモニー交響楽団 – New Japan Philharmonic Orchestra
朝比奈隆 – Takashi Asahina (指揮)
録音: 4 October 2000, Suntory Hall, Tokyo, Japan
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Disc 3
ヨハネス・ブラームス – Johannes Brahms (1833-1897)
交響曲第3番 ヘ長調 Op. 90
Symphony No. 3 in F Major, Op. 90
1.(12:09)I. Allegro con brio – Un poco sostenuto
2.(07:35)II. Andante
3.(05:51)III. Poco allegretto
4.(07:50)IV. Allegro – Un poco sostenuto
total(33:25)
新日本フィルハーモニー交響楽団 – New Japan Philharmonic Orchestra
朝比奈隆 – Takashi Asahina (指揮)
録音: 26 February 2001, Suntory Hall, Tokyo, Japan
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ヨハネス・ブラームス – Johannes Brahms (1833-1897)
40:16交響曲第4番 ホ短調 Op. 98
Symphony No. 4 in E Minor, Op. 98
5.(12:29)I. Allegro non troppo
6.(10:58)II. Andante moderato
7.(06:07)III. Allegro giocoso – Poco meno presto
8.(10:42)IV. Allegro energico e passionato – Piu allegro
新日本フィルハーモニー交響楽団 – New Japan Philharmonic Orchestra
朝比奈隆 – Takashi Asahina (指揮)
録音: 19 March 2001, Suntory Hall, Tokyo, Japan
ブラームス:交響曲第1番 – 第4番(新日本フィル/朝比奈隆)(2000-2001)
2000年9月から2001年3月にかけて行われた、朝比奈隆&新日本フィルによる”ブラームス・ツィクルス”のライヴ録音。
この半年の間、NHK交響楽団とのブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」[11月3、4日;CD化]を指揮しており、ハードなスケジュールをこなしていました。最終回の3月公演も熱気溢れる演奏で、嵐の様な喝采を巻き起こしています。この時点で、9ヶ月後の訃報の事など、聴衆は誰一人予想出来なかったことでしょう。
周知の通り、最晩年の朝比奈隆の演奏は、巨大な造形は不変ながら、”ルパートを排し、収斂したテンポで音楽を統一する”という境地に達していました。勿論、こちらのブラームスも例外ではなく、終演後に楽屋を訪れた金子建志氏が、テンポに関して質問すると、巨匠は以下の様に答えました。
「今回、たまたまクレンペラーの録音を聴きなおしてみたんですよ。これが、速いテンポでなかなかいい。フルトヴェングラー先生の真似をすると、色々と問題が多いのだけれど、クレンペラーならいいのではないかと思ってね。」
金子氏は、「これを先生一流のリップ・サーヴィスと受け流すだけでなく、常に試行錯誤を繰り返しながら演奏に臨んでいる現役の演奏家ならではの言葉と捉えることも必要なのではあるまいか。」と述べておられます。
同一作品を繰り返し演奏する朝比奈のプログラム、聴衆はそこに「現役の演奏家」の変貌をともに体験していました。次のブラームスはどうなるか—しかし、朝比奈最後のブラームス演奏となったツィクルス—
それが、この4日間です。
巨匠による最後の貴重な遺産として熟聴下さい。タワーレコード (2009/04/08)
まとめ
僕は以前、朝比奈さんの全盛期は、70年代だと思う、と書いたことがあります。
それをいま撤回します。
90歳を過ぎてのブラームスは、常に前進する芸術家として職人としての魂が込められているのです。
人は、亡くなるまで成長するだと実感した全集です。
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