こんにちは、
ともやんです。
883回目のメルマガです。
ヨハネス・ブラームス(1833-1897)の今年は生誕190年。
ブラームス・ファンとしては、一人ででも盛り上がらないとということで、連日ブラームスの作品と面白い演奏を紹介しています。
今日は、一昨日の交響曲第1番、昨日の第2番に続いて第3番です。
ブラームスの交響曲第3番について
ブラームスの交響曲第3番ヘ長調作品90は、1883年5月から10月にかけて比較的短時間で作曲されました。
ブラームスの交響曲の中では演奏時間が最も短いし、ユニークなのが、全楽章が静かに終わることです。
初演者ハンス・リヒターは、「この曲は、ブラームスの『英雄』だ。」と語ったそうですが、当のブラームスはこの曲の標題的な要素についてはなにも語っていないとされています。
リヒターが、何を感じブラームスの『英雄』と語ったかわかりませんが、単にベートーヴェンの『英雄』と同じ3番目の交響曲だから、という考えは安直だと思います。
リヒターは、この作品にブラームスならではの英雄像を感じたのかもしれません。
実際、第1楽章の開始部分なんかは、かなり勇ましさを感じさせます。しかし、前述のように静かに終わります。また第2楽章は、深沈とした曲想で、第3楽章はロマンティックでセンチメンタルな旋律で有名です。
ブラームスは交響曲を作るにあたり、ベートーヴェンを意識してそれを超えようとしましたが、50歳になって、やっぱりベートーヴェンには敵わないと悟ったとも思える諦観さえ感じさせる作品です。
つまりブラームスの心のなかにあった英雄的感情の思い出とも捉えられる作品だと思います。
ロビン・ティチアーティについて
指揮者のロビン・ティチアーティは、1983年ロンドン生まれ。2019年秋にベルリン・ドイツ交響楽団と来日した際の音楽情報誌ぶらあぼの記事に簡単なプロフィールが載っています。
“1983年ロンドン生まれ。若くしてその才能を開花させ、スコットランド室内管の首席指揮者、バンベルク響の客演指揮者を歴任し、2014年からグラインドボーン音楽祭の音楽監督、17/18年のシーズンから、ベルリン・ドイツ交響楽団音楽監督を務めるほか、これまでに、ウィーン響、バイエルン放送響、ヨーロッパ室内管、スウェーデン放送響、ブダペスト祝祭管、ロンドン響、フランス国立管といった錚々たる名高い楽団を指揮している。CD録音も積極的に行っており、その多くは批評家達から絶賛され、数々の賞を受賞している。”
ティチアーティは、来日時はまだ37歳だったし今年ようやく40歳。
しかし、ぶらあぼには次のよう記されています。
“15歳の時から一般向けのコンサートを指揮し、コリン・デイヴィスに導かれてプロ指揮者となり、プロになってからもサイモン・ラトルに音楽の深層について薫陶を受けるなど、年齢よりも遥かに豊かな音楽経験を持つティチアーティ率いるベルリン・ドイツ響の公演が今から楽しみだ。”
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今回聴いてスコットランド室内管とのブラームスの3番も小編成だからだろうか、とても透明感溢れる瑞々しい演奏で、美しいブラームスを聴かせてくれています。
ティチアーティ スコットランド室内管 ブラームス交響曲第3番
ヨハネス・ブラームス – Johannes Brahms (1833-1897)
交響曲第3番 ヘ長調 Op. 90
Symphony No. 3 in F Major, Op. 90
1.(12:18) I. Allegro con brio – Un poco sostenuto
2.(08:32) II. Andante
3.(06:18) III. Poco allegretto
4.(08:13) IV. Allegro – Un poco sostenuto
total(35:21)
スコットランド室内管弦楽団 – Scottish Chamber Orchestra
ロビン・ティチアーティ – Robin Ticciati (指揮)
録音: 15-29 May 2017, Usher Hall, Edinburgh, Scotland, UK
ブラームス:交響曲第1番 – 第4番(スコットランド室内管/ティチアーティ)
ロビン・ティチアーティ新録音!
スコットランド室内管とのブラームス全集!ロンドン生まれ、イタリア系イギリス人の若き天才指揮者ロビン・ティチアーティ。2009/2010シーズンから26歳でスコットランド室内管弦楽団の首席指揮者に就任し、2014年にグラインドボーン音楽祭の音楽監督、そして2017/2018シーズンからは名門ベルリン・ドイツ交響楽団(DSO)の音楽監督という大役も兼ねるティチアーティの新たな交響曲録音は、ブラームスの交響曲全集が登場!2017/2018が最後のシーズンとなるティチアーティとスコットランド室内管。
これまで、幻想交響曲を含むベルリオーズの一連の録音やシューマンの交響曲全集、ハイドンの交響曲集といった名録音をいくつも生み出してきたコンビによる渾身のブラームス。2015/2016シーズンのメイン・プログラムとしても演奏され、緻密に制御されたフレーズやバランスから織りなす独特の透明感と色彩感は高い評価を得ています。もちろん、Linn Recordsによる超優秀録音もポイント!
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