こんにちは、
ともやんです。
ドイツ・グラモフォン、英デッカのクラシック音楽の名門レーベルの中から、「クラシック百貨店」と出して厳選された名盤100点を紹介する企画の中の1枚です。
交響曲部門では、全部で20タイトルありますが、その中で小澤さんの録音が2点あります。共に2010年に病気療養から復帰してニューヨークに登場した時のライブです。
もう10年以上前のことですが、よく憶えています。
その頃から小澤さんは、体調が優れず、トレードマークの長髪も真っ白になって、年齢よりもかなり老けた印象でした。
でも、逆にその後の演奏はまるで厄が落ちたかのように清々しい演奏が多くなったように感じます。
小澤征爾さんの思い出
これは、このブログでも何度か触れていることです。
僕は、一度だけ小澤さんの実演を聴いています。もう30年以上前のことでしょうか?まだ独身の頃でした。昭和女子大の人見記念講堂でのコンサートで、日本フィルを振ったベートーヴェンの”英雄”を聴いたのです。
非常にスマートな演奏で、日本フィルが、気持ちいいほど小澤さんの棒にピタッと合わさる光景を観て感銘を受けたものです。というのも当時は朝比奈さんの演奏を聴くことが多く、朝比奈さんの指揮では体験できないことだったからです。
ただそれはバトンテクニックに限ったことで、そこから響き音楽は、あまり関係がないようにも感じました。
つまり当時の僕は、小澤さんのファンではなかったのです。
その棒から創り出される音楽は、スマートで洗練され心地いいものだけど、そのだけの物という印象でした。
しかし、この人は凄いなと感じ出したのは、やはりこの2010年のブラームス交響曲第1番のライブを聴いてからでしょうか。初めて聴いたのは確かFM放送だったと思います。
巷で言われるような壮絶なライブという感じは受けず、あくまで洗練された端正な演奏なのですが、何か以前にはわからなかった深みのようなものを感じるようになったのです。
それから小澤さんの録音を少しずつ聴くようになりました。アルゲリッチと共演した水戸室内管とのベートーヴェンのピアノ協奏曲なども素晴らしかったです。
まさに2010年のニューヨーク、カーネギーホールでのライブは、小澤さんにとっても転機だったでしょうが、一人のファンにとっても小澤さんの偉大さを感じるようになった記念的アルバムです。
小澤征爾 サイトウ・キネン ブラームス交響曲第1番
ヨハネス・ブラームス – Johannes Brahms (1833-1897)
交響曲第1番 ハ短調 Op. 68
Symphony No. 1 in C Minor, Op. 68
1.(13:38) I. Un poco sostenuto – Allegro
2.(09:03) II. Andante sostenuto
3.(04:53) III. Un poco allegretto e grazioso
4.(17:56) IV. Adagio – Piu andante – Allegro non troppo ma con brio
total(45:30)
サイトウ・キネン・オーケストラ – Saito Kinen Orchestra
小澤征爾 – Seiji Ozawa (指揮)
録音: 14 December 2010, Figure 8, Brooklyn, New York, USA
病気療養から復活した小澤征爾が、音楽の殿堂・ニューヨークのカーネギーホールで、得意のブラームスの交響曲第1番を指揮した奇蹟のライヴ録音。
「世界のオザワ」が、強力な盟友=サイトウ・キネン・オーケストラを指揮した本盤では、ニューヨークの聴衆を沸かせた熱く感動的な演奏を、リアルに追体験することができます。
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