こんにちは、
ともやんです。
ギュンター・ヴァントが神格化されたのは、80年代も終わろうとすることから90年代に掛けてでしょう。
当時、ギュンター・ヴァントと朝比奈隆が最後の巨匠と言われていました。
朝比奈が2001年に92歳で、ヴァントが翌年90歳で亡くなりました。
二人とも最後は、ベートーヴェン、ブルックナー、ブラームスと本当にこれでもかというように懲りずに演奏していたように感じます。
その年齢になってもこの3人の作曲家の音楽は究めきれなかたのでしょうか?
それとも、前人未踏の高さにまで達した二人にしかわからない境地だったのでしょうか?
ヴァントの名盤 ブラームス交響曲第3番 82年録音
ヨハネス・ブラームス – Johannes Brahms (1833-1897)
交響曲第3番 ヘ長調 Op. 90
Symphony No. 3 in F Major, Op. 90
1.(12:32)I. Allegro con brio – Un poco sostenuto
2.(07:41)II. Andante
3.(05:42)III. Poco allegretto
4.(09:18)IV. Allegro – Un poco sostenuto
TOTAL(35:13)
北ドイツ放送交響楽団 – North German Radio Symphony Orchestra
ギュンター・ヴァント – Gunter Wand (指揮)
録音:1983年4月16日~21日
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ヨハネス・ブラームス – Johannes Brahms (1833-1897)
交響曲第3番 ヘ長調 Op. 90
Symphony No. 3 in F Major, Op. 90
1.(13:10) I. Allegro con brio – Un poco sostenuto
2.(08:21) II. Andante
3.(06:06) III. Poco allegretto
4.(09:57) IV. Allegro – Un poco sostenuto
total(37:34)
ギュンター・ヴァント不滅の名盤[10] 北ドイツ放送交響楽団編 – ブラームス: 交響曲第3番、第4番、モーツァルト、リゲティ
北ドイツ放送交響楽団 – North German Radio Symphony Orchestra
ギュンター・ヴァント – Gunter Wand (指揮)
1990年2月14日/ケルン、フィルハーモニー
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ブラームス:交響曲全集[1995年~1997年ライヴ] <<<1995年~97年の全集(ライブ)
ヴァントは、ブラームスを特に得意としていてようで、80年代から90年代に掛けて3回も全集を録音しています。
どれも素晴らしい名演の名盤ですが、僕は82年~83年に手兵北ドイツ放送響と録音した全集が好きです。
なんか、高みの域に達していない大らかさを感じるからです。
ヴァントの名盤 ブラームスの官能美を描いた名演
音楽評論家・許俊光氏は、その著書の中で、ブラームスという作曲家は、本質的に非常に官能的な作曲家だと思う、
と書いていますが、僕もそれは感じていました。
ただ僕の場合、多少ニュアンスが違って、ブラームスは、非常にロマンティックで感傷的な本質を持っていながら、それを抑制、もっと言えば抑圧して、本音と理性が、常に葛藤している作曲家だと思っています。
だから大規模な交響曲や協奏曲では、その構成力により、堅固で力強く、男性的な曲を作り上げています。
しかし、小規模な室内楽が独奏曲になると、より内面の感情が吐露されるような曲作りになっていると思います。
ヴァントの名盤 ブラームス交響曲第3番
その中で交響曲第3番は、大規模な曲にしては珍しく内面の感情が、表現されている曲だと思います。
表面的には真面目で常識人的なブラームスは、その内面では官能的な部分を人並み以上に持ち合わせていたのかもしれません。
ヴァント&北ドイツ放送響は、その官能的な部分のドラマを見事に表現した名演です。
まとめ
ヴァントは、90年代にも同じ北ドイツ放送響と2度の全集を録音していますが、僕はこの80年代のものが断然好きです。
のちに神格化されるヴァントですが、この頃は70才くらいで煩悩の葛藤が見られるからです。
どんな紳士、淑女であっても官能の誘惑からは、逃れられないのでしょう。
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