こんにちは、
ともやんです。
51歳で他界した名ピアニスト、二コラ・アンゲリッシュのベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番と第5番”皇帝”の感動した僕は、アンゲリッシュのピアノはもちろん、その伴奏をしていたロランス・エキルベイ指揮のインスラ・オーケストラにも興味を感じました。
そして彼女の録音を面白いCDを見つけました。
それは19世紀のフランスの作曲家ルイーズ・ファランク(1804-1875)の交響曲第1番と第3番というものでした。
エキルベイについて
まず、ロレンス・エキルベイについて簡単にプロフィールをご案内します。
1962年3月6日生まれのパリ出身の指揮者。だから今年60歳。
エリック・エリクソンに合唱指揮を学ぶ。パリやウィーンの音楽院で学生時代を過ごし、アバドやアーノンクールらに師事。
91年にパリで室内合唱団のアクサンチュスを創設。無伴奏合唱作品をはじめ、オペラや宗教作品もレパートリーとして活躍。
95年にはパリで若手のための合唱団を設立。多くの好成績を修め、2010年まで指揮を務める。
2012年には古典派からロマン派までの作品を中心にピリオド楽器で演奏するインスラ・オーケストラを設立し、芸術監督に就任。欧州を中心に演奏活動を展開している。
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ということで、「Explore France」というサイトで取り上げられているし、動画も配信されています。モーツァルトのレクイエムを指揮する姿もあるのでチェックしてみてください。
ファランクについて
ルイーズ・ファランク(1804-1875)は、旧姓ジャンヌ・ルイーズ・デュモンとして芸術家の娘としてパリに生まれました。
6歳でピアノを学び始め、当時の偉大なピアニストのヨハン・ネポムク・フンメルとイグナーツ・モシェレスがパリを訪れたときにレッスンを受けました。15歳のときパリ音楽院でアントニーン・レイハに作曲と音楽理論、楽器法を師事。1821年、彼女はフルート奏者、音楽学者、楽譜出版業のアリスティド・ファランクと結婚しました。アリスティド・ファランクは、彼女の仕事を非常に支援しました。
ルイーズが生まれた19世紀初頭は、まだハイドンが健在で、ベートーヴェンが交響曲第3番「英雄」を書き上げた頃でまだ初演もされていなかった。同世代の音楽家となるとベルリオーズが1歳年上、メンデルスゾーン、シューマンがそれぞれ4歳、5歳年下。
そんなことを考えると恵まれた環境に生まれ、育ったと言えます。
しかし、彼女はそんな環境に甘んじることなく、1842年に当時のヨーロッパでも初めてとなるパリ音楽院の教授という上級職に就き、しかもその後30年間もそこで働き、男性教授と同等の報酬を得るための闘いの活動もしたまさに女性の地位向上に務めた人でもありました。
ただ、残念ながら彼女の死後、その作品が顧みられることはありませんでした。
しかし20世紀後半になって、クララ・シューマンを始めとした女性作曲家たちの存在が注目されるようになり、彼女の作品も演奏される機会が増えてきました。このアルバムに収録された交響曲は、ドイツ古典派の流れを汲む堅固な構成と洗練された旋律を持つ作品です。
雰囲気がベートーヴェンからシューベルトやメンデルスゾーン、シューマンの作品を思い起させてくれます。
多分なんの先入観もなく聴いて、それらの作曲家の未発表の作品と言われたら信じるかもしれません、
ルイーズの交響曲第1番が1841年、第2番が1846年、第3番が1849年に初演されています。
メンデルスゾーン最後に完成した交響曲第3番”スコットランド”が、1841年完成で翌年初演ということを考えるとなんとなく両者の雰囲気が似ていることに興味を感じます。
ぜひ聴いてほしい作品です。
エキルベイ ルイーズ・ファランク 交響曲第1番&第3番
ルイーズ・ファランク – Louise Farrenc (1804-1875)
交響曲第1番 ハ短調 作品32
Symphony No. 1 in C Minor, Op. 32
1.(09:34) I. Andante sostenuto – Allegro
2.(09:09) II. Adagio cantabile
3.(04:27) III. Minuetto: Moderato
4.(08:12) IV. Allegro assai
total(31:22)
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交響曲第3番 ト短調 作品36
Symphony No. 3 in G Minor, Op. 36
5.(09:32) I. Adagio – Allegro
6.(10:33) II. Adagio cantabile
7.(06:41) III. Scherzo: Vivace
8.(06:41) IV. Finale: Allegro
total(33:27)
インスラ・オーケストラ – Insula Orchestra
ローレンス・エキルベイ – Laurence Equilbey (指揮)
録音: 4?6 March 2021, Auditorium Patrick Devedjian, La Seine Musicale, Boulogne-Billancourt, France
ルイーズ・ファランク 交響曲第1番&第3番 ロランス・エキルベイ インスラ・オーケストラ
パリ音楽院で女性として初めて教授職に就任した作曲家ルイーズ・ファランクの交響曲を、ロランス・エキルベイ指揮とピリオド楽器オーケストラによる、改革的表現が再現された演奏。
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