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ギーレン・エディション1 モーツァルト、ハイドン&ベートーヴェン

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こんにちは、
ともやんです。

2019年3月8日に91歳で亡くなった指揮者ミヒャエル・ギーレン。

ドライなリアリストというイメージが一人歩きし、評論家の中には、狂気を秘めた怪しい科学者というかマッド・サイエンティストに論ずる人もいて、どんな演奏をする人だろうと以前から気になっていた存在です。

このブログでは2回ほど取り上げましたが、まだ踏み込んだ聴き方はしてないのが歯がゆいですね。

今日は、ギーレンの90歳を記念してリリースされてエディション第1集からモーツァルトとハイドンを聴きましたのでレビューしたいと思います。

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ギーレンはドライなリアリストか?

僕は、このブログを書くのにいろんな資料を参考にしています。
音楽を聴いて感じることは自分自身の感性ですが、その演奏者がなんでそんなスタイルになったか、その生い立ち、師事した先生、影響を受けた音楽家などを調べていくとなんとなく分かる部分があります。

ただそれはなんとかくであり、最終的には本人に聞いてくれって感じなるのですが、そこは無理なので想像するしかありません。

さて、ミヒャエル・ギーレンは、1927年7月20日ドレスデン生まれで、2019年3月8日にオーストリアのモントゼーの自宅で91歳で死去しています。

つまり今日が3回目の命日となるわけです。

さて、洋泉社MOOKから出ていた『名指揮者120人のコレを聴け!』(指揮者別・クラシック名盤&裏名盤ガイド)では、次のような記載があります。

“チャイコフスキーの《悲愴》もむき出しの状態で晒させる。そこにはロシアの大地の香りも、死への慟哭も、激情も喚起させるようなアゴーギグも否定されるのだ。
われわれが通常、チャイコフスキーからイメージされるようなものを一切排除したところにこのギーレンの意図したものがある。”

これが巷で言われるドライなリアリストというイメージと繋がります。

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それに対して、ONTOMOMOOKで出ている『世界の指揮者名鑑866』では、面白い記述が見られます。

そのギーレンの変化がわかるサンプルとして、1998年から2000年に収録されてDVDで出ている南西ドイツ放送響とのベートーヴェンの交響曲第7番から第9番です。

収録の順番が、第7番1998年、第9番1999年、第8番2000年。
特に第7番と第8番の差が大きく、第7番では抑制した身振りと無表情で振っているのに対し、第8番では、大きな身振りで笑みをたたえながら指揮しているそうです。

Beethoven: Symphony No.7, No.8, No.9 / Michael Gielen, SWR Baden-Baden And Freiburg Symphony Orchestra

そのDVDは、タワーレコード・オンラインストアで取り寄せられるみたいですね。

さて、90歳を記念してリリースされたギーレン・エディションから第1集の一部を聴きました。CD6枚組でかなり聴くには時間を要するため、自身のピアノでのJ・S・バッハの前奏曲とフーガ 嬰ハ短調 BWV 849とモーツァルトの交響曲第36番”リンツ”、ハイドンの交響曲第99番と第104番”ロンドン”を聴きました。

意外だったのは、バッハで情感豊かな演奏を展開しています。と思うと2002年の録音。
一方モーツァルトとハイドンは、87年から89年。

ドライなリアリストという定評が分かるような透徹して演奏で、まるでスコアを見ているようなという表現は合うような演奏です。

そうなるとモーツァルトでは優雅さが足りないとも感じますが、ハイドンにはむしろ先入観が無用で、それがギーレンのスタイルと合っていてこれは名演です。

結局、ONTOMOMOOKに書かれてギーレンの1999年から2000年の変化は耳でも確認しました。

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ギーレン ハイドン交響曲第99番&第104番

フランツ・ヨーゼフ・ハイドン – Franz Joseph Haydn (1732-1809)
交響曲第99番 変ホ長調 Hob.I:99
Symphony No. 99 in E-Flat Major, Hob.I:99

1.(08:25) I. Adagio – Vivace assai
2.(04:50) II. Adagio
3.(04:59) III. Menuet: Allegretto
4.(04:38) IV. Finale: Vivace
total(22:52)

バーデン・バーデン&フライブルク南西ドイツ放送交響楽団 – South West German Radio Symphony Orchestra, Baden-Baden and Freiburg
ミヒャエル・ギーレン – Michael Gielen (指揮)
録音: 13-14 June 1988, Hans-Rosbaud-Studio, Baden-Baden

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交響曲第104番 ニ長調 Hob.I:104 “ロンドン”
Symphony No. 104 in D Major, Hob.I:104, “London”

5.(07:25) I. Adagio – Allegro
6.(07:13) II. Andante
7.(03:52) III. Menuet – Trio
8.(06:44) IV. Finale: Spiritoso
total(25:14)

バーデン・バーデン&フライブルク南西ドイツ放送交響楽団 – South West German Radio Symphony Orchestra, Baden-Baden and Freiburg
ミヒャエル・ギーレン – Michael Gielen (指揮)
録音: 25-26 November 1987, Hans-Rosbaud-Studio, Baden-Baden

ミヒャル・ギーレン・エディション 1 – J.S. バッハ/モーツァルト/ハイドン/ベートーヴェン/シューベルト:管弦楽作品集(1967-2010)

ドイツの指揮者、ミヒャエル・ギーレン(1927-)の2017年生誕90年を記念して制作される録音集の第1集。彼のレパートリーは古典派から現代までと幅広く、とりわけ一連のバーデン・バーデン南西ドイツ放送交響楽団とのマーラーの交響曲や、シェーンベルク作品での精妙な演奏は、比類なきものとして評価されている。

本作には、1960年代から2010年までの録音を収録。そのほとんどは初出音源というもので、彼のファンのみならず、20世紀のクラシック音楽の演奏様式の一つのスタイルを俯瞰できる興味深いラインナップとなっている。



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