こんにちは、
ともやんです。
指揮者には若い頃から注目され、将来を嘱望されながら後年の円熟期になってみるとそれほどではない人。
一方、若い頃は特に注目もされず、60歳時には70歳を過ぎてから巨匠と呼ばれまでになった人がいます。
個人的な見解では、前者にはズビン・メータとジェームズ・レヴァイン。
後者にはギュンター・ヴァント、朝比奈隆が当てはまると思います。
今日は、その中から3月9日に1周忌となったジェームズ・レヴァインを考えたいと思います。
ジェームズ・レヴァイン 1周忌に思う
2021年3月9日にジェームズ・レヴァイン氏が77歳で亡くなりました。
その数年前にセクハラ問題でメトロポリタン歌劇場を解雇になったという報道を聴いていました。
まず、訃報で感じたのは、えっ?まだ若いんじゃない?という印象でした。亡くなった時の年齢が77歳ですから、特に早いということではないですが、80歳を過ぎてからも活動する人が多い指揮者としてはそう感じたのかもしれません。
また僕がクラシックを聴き始めた1970年頃はレヴァインはまだ30代だったのでそういう印象が残っていたのかもしれません。
また晩年のレヴァインの画像を見るとかなり太っていて健康面での不安もあったのかもしれません。
結局、セクハラ問題とそのメタボ的見た目は晩節を汚したという印象が、僕には残ってしまいました。
一方、30代から90年代に掛けてのレヴァインの活躍は、素晴らしいし録音で聴く彼の演奏には称賛を送りたいと思います。
僕は、この人は凄いなと思ったのはシカゴ交響楽団を振ったマーラーの交響曲、シューベルトの「ザ・グレート」を聴いてで、その歌心溢れる艶やかな響きは、忘れられないものでした。
レヴァイン&ベルリン・フィル シューマン交響曲全集より
ジェームズ・レヴァインとベルリン・フィルは、1987年と1990年にイエス・キリスト教会で、シューマンの4つの交響曲とマンフレッド序曲を録音しています。
その中から第2番と第3番”ライン”を聴きました。
真摯な演奏で好感を持ちました。
特に第2番が名演です。
1987年と1990年の2回のベルリンフィルとの録音と言うと、3年間の間隔があります。
この3年間はベルリンフィルに取って、大きな変化がありました。
1989年にカラヤンが終身指揮者を辞任。そして辞任から3ヵ月も経たずして死去。
まだ90年の録音を聴いていないがどんな変化があるだろうか。
レヴェインの録音は、90年にウィーン・フィルと録音したモーツァルトの交響曲全集以降は聴いていない。いや聴く気がしないと言ったほうがいいかもしれない。
言えることは、87年録音のシューマン交響曲第2番と第3番”ライン”は聴いて欲しい名演です。
ジェームズ・レヴァイン シューマン 交響曲第2番&第3番
ロベルト・シューマン – Robert Schumann (1810-1856)
交響曲第2番 ハ長調 Op. 61
Symphony No. 2 in C Major, Op. 61
1.(11:30) I. Sostenuto assai
2.(07:08) II. Scherzo
3.(11:13) III. Adagio espressivo
4.(08:52) IV. Allegro molto vivace
total(38:43)
————————–
交響曲第3番 変ホ長調 「ライン」 Op. 97
Symphony No. 3 in E-Flat Major, Op. 97, “Rhenish”
5.(09:49) I. Lebhaft
6.(05:45) II. Scherzo: Sehr massig
7.(05:41) III. Nicht schnell
8.(06:03) IV. Feierlich
9.(06:32) V. Lebhaft
total(33:50)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – Berlin Philharmonic Orchestra
ジェイムズ・レヴァイン – James Levine (指揮)
録音: 1987年11月ベルリン、イエス・キリスト教会
シューマン: 交響曲 第2番, 第3番 「ライン」<タワーレコード限定> ジェイムズ・レヴァイン ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
作曲家が精神を病んでいた時期に書かれた苦悩と闘争する心情を表出した、シューマンの個性が存分に発揮された第2番。
ライン地方の明るい生活を反映させた、新鮮で力強い感覚に溢れる豊満なロマンティシズムと敬虔さが同居する第3番。
2曲の交響曲の本質を的確に捉えたレヴァインが、ベルリン・フィルハーモニーを見事にドライヴしています。
ジェームズ・レヴァイン 追悼 マーラー&ブラームス交響曲を聴く
上記は、約1年前にジェームズ・レヴァインの追悼の意味で書いた記事です。
良かったら合わせて読んでみてください。
コメント