こんにちは、
ともやんです。
カール・シューリヒトが死に前年の1966年に録音した、J・S・バッハのブランデンブルグ協奏曲は、まさに奇跡の名演です。
オーケストラはチューリッヒ・バロック・アンサンブル。
1880年生まれのドイツの名指揮者カール・シューリヒトは、まさに大器晩成の人で、ドイツ国内でキャリアを積んで名門ウィーンフィルと本格的に共演をし出したのがようやく75才になってからでした。
※それまでは30年代、40年代に単発で数回の共演があったのみ。
その時のウィーンフィルを指揮して演奏したのがブルックナーの第九交響曲。
録音が残っていますが緊張感溢れる情熱的な演奏です。
詳しくは次の機会に記しますが、プロ擦れしたウィーンフィルのメンバーをガツンと言わせたそうです。
その後ウィーンフィルのメンバーからも特別に敬愛されました。
さて、このバッハの録音当時、シューリヒトは85才。
亡くなる約7ヵ月前の録音でまさに奇跡のような名演です。
シューリヒト 最後のスタジオ録音 奇跡のブランデンブルク協奏曲
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ – Johann Sebastian Bach (1685-1750)
ブランデンブルク協奏曲第1番-6番
Brandenburg Concerto No. 1-6
チューリヒ・バロック合奏団-Zurich Baroque Ensemble
カール・シューリヒト-Carl Schuricht
録音:1966年5月 チューリッヒ
【SACDハイブリッド】 J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲(全曲)<タワーレコード限定> カール・シューリヒト 、 チューリヒ・バロック合奏団
シューリヒト最後の録音である「ブランデンブルク協奏曲」全曲が待望の復刻!2013年からタワーレコードの企画盤CDとして発売してきました「コンサートホール音源」のシリーズでは発売していなかったこの名盤を、SACDハイブリッド盤として満を持してリリースいたします。
今回の復刻は1990年の市販での発売以来です。1966年5月にチューリヒで録音された当盤は、翌’67年1月に亡くなったシューリヒトの最後のスタジオ録音として、ファンに長く親しまれてきた名盤です。
前年の1965年12月には旧EMIレーベルでウィーン・フィルとブルックナーの交響曲第3番の録音を終えた後、’66年はさらに体調が思わしくないなかにあっても、この録音は精力的に行われ、とりわけ素晴らしいソリストたちとの共演はシューリヒトに充実した時を与えたようです。
当時既に著名であったモーリス・アンドレやハインツ・ホリガーなど錚々たるメンバー表は、今見ても圧巻の一言。当時85歳であった巨匠との貴重な記録ともなりました。
カール・シューリヒト 老いてなお瑞々しいバッハ ブランデンベルク協奏曲
しかし、なんと瑞々しい演奏なんだろう、活き活きとして躍動する木管や弦楽器。
これを聴いて魂を揺さぶられない人は、クラシック音楽とは無縁な人でしょう。
先にも述べましたが、シューリヒトは高齢になってから世界的に名声を得た指揮者です。
しかも晩年は持病のリウマチの悪化で、指揮台にたどり着くまで相当時間を要したようです。
しかし、一旦指揮を始めるとその音楽は生命力に溢れ、まったく年齢を感じさせませんでした。そして、楽団員、聴衆に大いなる感銘を与えました。
この演奏は、その逸話を裏付ける生命力あふれる瑞々しいバッハです。
コメント