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リセンコ ヴァイオリンとピアノのための作品全集

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こんにちは、
ともやんです。
890回目のメルマガです。

昨晩、青葉台駅前にある横浜市青葉区民文化センターフィリアホールで、あるコンサートが開かれました。

フィリアホールは、駅近の収容人数500名ほどのホールで、1993年オープンなので、今年で30周年です。

実は、この記事を書く前に僕には記憶違いによる勘違いがありました。
ヴァイオリニストの諏訪内晶子さんが1990年に史上最年少で、チャイコフスキー国際コンクールに優勝した後の最初のコンサートはこのフィリアホールで行ったと思っていたのです。
ただそうなると時期が合いません。
そこで改めて彼女のエッセイを読み返すと「横浜市の青葉区に小さなコンサート・サロンがある。収容人員は六十名程度、吹き抜けの洋館で・・・」でとあり、最初に弾いたのが1988年9月とあるので、明らかにフィリアホールとは違う。
ではどこか?
横浜市青葉区コンサートサロン等で検索してもそれらしきホールは見つからず、諏訪内さんのエッセイを読み進めるとすでにそのホールはなくなっているような書き方でした。

また2021年10月に諏訪内さんが19年ぶりにフィリアホールでリサイタルを開催したという記事があり、もしかして横浜市青葉区ということで、若き日の研鑽を積んだサロンのことを思い出されたのかもしれない。

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澤田智恵 日本ウクライナ芸術協会

昨晩のコンサートの主催は、日本ウクライナ芸術協会。そこの代表がヴァイオリニストの澤田智恵さん。
今回、ウクライナのピアニスト、デニス・ヤヴォールスキー氏を招いてのコンサートでした。

澤田さんは、ヴァイオリニストとしてロシア、ウクライナで研鑽を積んで帰国し横浜市青葉区でソリストとして教育者として活動しています。

帰国後の15年、ウクライナ出身の世界的バイオリニスト、オレグ・クリサさんが来日。澤田さんは、ウクライナではクリサ氏に師事しており、来日の際も通訳を務めたことをきっかけに、多くの音楽家を生んだウクライナに改めて惹かれました。

そこで豊かな文化、芸術とそれらを育む土壌を知り、魅力を伝えたいと2018年に日本ウクライナ芸術協会を設立したのです。

協会にはウクライナ人も含め計11人が所属。ウクライナの演奏家を招いたコンサートや、同国のステージ出演などで交流を深めました。そして活動の広がりを感じ始めた頃、ロシアによる侵攻が始まったのです。

これに澤田さんが心を痛めないはずはありません。音楽を通してのウクライナ支援に立ち上がったのです。
昨年10月にはクリサ氏を横浜市に招き、日本とウクライナの国交樹立30周年記念コンサートを主催、日本に避難している演奏家たちにも出演してもらいました。
20年から続けるウクライナ支援コンサートを通じて1000万円超を集め、現地の国際非政府組織(NGO)に寄付しました。
そしてその活動はウクライナに平和が訪れるまで続けられるでしょう。昨晩のコンサートはそのチャリティーコンサートの一環で、今回はトルコとシリアの支援も含まれています。

ステージで見る澤田さんは、ほっそりとして清楚な印象でスピーチも穏やかで、どこにそんなパワーがあるのだろう思いますが、僕も少しも澤田さんのコンサートに行くことで応援できればと思いました。

なお、フィリアホールのホワイエでは、ウクライナの写真家ヴェラ・ブランシュさんの写真展「法廷」も開催されていて、ロシア軍に破壊されたキーウやリビウの市街地の白黒写真は、強烈なメッセージを発していました。

また、ウクライナの詩人タラス・シェフチェンコの詩の朗読もあり、ウクライナおよびトルコ、シリアへの支援の気持ちを促してくれました。
参考資料:東京新聞2023年2月7日の記事

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ウクライナのクラシック音楽の父 リセンコ

ウクライナのクラシック音楽の父、ミコラ・ヴィラリヨヴィチ・リセンコ – Mykola Vytaliyovych Lysenko (1842-1912)を今回のコンサートで初めて知りました。

今回のプログラムは、デニス・ヤヴォールスキー氏のソロによるショパンの「子犬のワルツ」「革命のエチュード」それにウクライナの作曲家ドレムリュガ、フィリペンコのピアノ曲。
ヤヴォールスキー氏と澤田さんのディオによるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ「春」とブラームスの第3ソナタなどメジャーは作品を披露してくれました。

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そして最後を飾ったのが、ルセンコの「ウクライナ民謡によるラプソディNo.2」。
このルセンコの作品が素晴らしいのです。哀愁と情熱を兼ね備えた作品で、ジプシー音楽も連想させてくれました。

幸いにもウクライナ出身のヴァイオリニスト、ソロミア・ソロカによる素晴らしいCDがあります。郷愁を感じさせ、何か懐かしさを感じさせてくれる作品であり演奏です。

ぜひ、聴いてみてください。

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リセンコ ヴァイオリンとピアノのための作品全集

ミコラ・ヴィラリヨヴィチ・リセンコ – Mykola Vytaliyovych Lysenko (1842-1912)
1.(08:25) ウクライナの主題による第2狂詩曲 「ドゥムカ・シュムカ」 Op. 18 (V. ステツェンコによるヴァイオリンとピアノ編)1.
Second Rhapsody on Ukrainian Themes, Op. 18, “Dumka-Shumka” (arr. V. Stetsenko for violin and piano)
編曲 : ヴァジム・ステツェンコ – Vadym Stetsenko

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2.(10:01) 悲しげな奇想曲 Op. 32
Elegiac Capriccio, Op. 32

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3.(07:53) 2つのウクライナ民謡の主題による幻想曲 Op. 21
Fantasy on 2 Ukrainian Themes, Op. 21

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4.(02:48) ロマンス Op. 27
Romance, Op. 27

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5.(01:56) 個人的なアルバム 「絶望の瞬間」 Op. 40, No. 1
Personal Album, Op. 40, No. 1, “A Moment of Despair”

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6.(02:33) シェブチェンコの思い出のためのエレジー
Elegy in Memory of Shevchenko

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7.(01:41) ウクライナ民謡 「太陽は昇っている」(ヴァイオリンとピアノ編)
The Sun is Setting (arr. for violin and piano)
編曲 : 不詳 – Anonymous

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8.-17.(20:05) 春の万華鏡(ヴァイオリンとピアノ編)
Spring Kaleidoscope (arr. for violin and piano)
編曲 : 不詳 – Anonymous

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18.(08:29) 華麗なワルツ(ヴァイオリンとピアノ編)
Valse brillante (arr. for violin and piano)
編曲 : 不詳 – Anonymous

ソロミア・ソロカ – Solomia Soroka (ヴァイオリン)
アーサー・グリーン – Arthur Greene (ピアノ)

リセンコ:ヴァイオリンとピアノのための作品全集

現在「ウクライナのクラシック音楽の父」とみなされているミコラ・ルイセンコ(リセンコ 1842-1912)。しかし、その作品が存分に世界中で知られているとは言えません。

彼は幼い頃からウクライナの民謡に強い関心を持ち、これらを収集し、7巻にわたる民謡集を編纂、キエフ大学に在学中に出版し、またこれらのメロディを自作に取り入れています。

このアルバムには彼のヴァイオリンとピアノのための作品の全てが収録されています。

一番有名なのは「ドゥムカ・シュムカ」でしょう。もともとはピアノ曲ですが、今回はヴァイオリンとピアノのために編曲したものを収録しています。

また他のいくつかの曲は、同じウクライナの作曲家、ヴィクトル・カミンスキーがルイセンコの歌曲をヴァイオリンとピアノのために編曲したもので、こちらも叙情性に満ちた懐かしい響きを持っています。

また詩人タラス・シェフチェンコの詩を愛していたことでも知られています。



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