こんにちは、
ともやんです。
先日、今年没後40年を記念して、カール・ベーム(1894-1981)のデッカ&フィリップスレーベルの名演集が発売されました。
CD39枚組で、今回の特色は、ベームが得意だったオペラが全体の枚数の2/3ほど占めているところです。
オペラが得意ではない僕としては、および腰になりそうなセットですが、その中から交響曲中心にコメントしていきたいと思います。
カール・ベームの全盛期の録音の数々
1970年代のカール・ベームの人気は絶大なものがありました。
当時僕はクラシック音楽を聴き始めた中学生でしたが、レコード店に行くとカラヤンやベームのレコードが、かなりのスペースを占めていました。
しかし、当時のベームは既に70代後半に差し掛かっていて、例えばウィーンフィルとのベートーヴェンの交響曲全集やモーツァルトの交響曲集などは、ウィーンフィルの美音と妙技に助けられていた感があります。
一方、50年代から60年代の録音を聴くと、同じ指揮者かと思うほど気迫に富んだ演奏を聴くことが出来ます。
また、ベームは実演で燃えるタイプという文章もよく目にしました。残念ながら実演を聴いたことがないのでなんとも言えませんが、録音を聴くとそれがわかります。
ただ、ベームの60歳前後の録音を聴くとその腰の座った気迫のこもった演奏を聴くと実演だは、どんなに凄い演奏だったのか想像するとぞくぞくします。
さて、今回は1955年のコンセウルトヘボウ管とのモーツァルトの後期三大交響曲を聴きました。
ベームは、同曲をベルリン・フィルと60年前後、ウィーン・フィルと70年代に録音しています。
ベームは、ベルリン・フィルとモーツァルトの交響曲全集を録音しています。僕が初めてモーツァルトの交響曲のLPを買ったのが、ベーム&ベルリンフィルの第40番&第41番「ジュピター」でした。
ベルリンフィルのやや暗めの音色とベームの堅実な指揮で、落ち着いた演奏ですが、モーツァルト特有の愉悦感はありません。
一方、ウィーンフィルとの録音は、遅めのテンポでウィーンフィルの艶やかなな響きを聴くと演奏です。
ベルリンフィルに比べ、肩の力を抜いた演奏で逆に聴く方としてはリラックスして聴くことができます。
その2つに比べ、コンセウルトヘボウ管と演奏は、一番古い録音でモノラルと思われますが、音質が良く情報量は多く鑑賞へのマイナス点は少ないです。
特に木管の温もりがある響きは素晴らしいです。
各第3楽章のメヌエットが、やや遅めのテンポできっちりと刻んだ演奏で、それが素朴な感じで素晴らしいです。
また3種類の中では、もっとも愉悦感がある演奏で、もっとも楽しい演奏だと僕は思います。
ベーム&コンセウルトヘボウ管 モーツァルト後期三大交響曲
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト – Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
交響曲第39番 変ホ長調 K. 543
Symphony No. 39 in E-Flat Major, K. 543
1.(08:51) I. Adagio – Allegro
2.(07:40) II. Andante con moto
3.(04:06) III. Menuetto: Allegretto
4.(04:00) IV. Finale: Allegro
total(24:37)
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交響曲第40番 ト短調 K. 550
Symphony No. 40 in G Minor, K. 550
5.(07:38) I. Molto allegro
6.(07:43) II. Andante
7.(04:47) III. Menuetto: Allegretto
8.(04:39) IV. Allegro assai
total(24:47)
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交響曲第41番 ハ長調 「ジュピター」 K. 551
Symphony No. 41 in C Major, K. 551, “Jupiter”
9.(07:31) I. Allegro vivace
10.(07:34) II. Andante cantabile
11.(05:21) III. Menuetto: Allegretto
12.(06:11) IV. Molto allegro
total(26:37)
コンセルトヘボウ管弦楽団 – Concertgebouw Orchestra
カール・ベーム – Karl Bohm (指揮)
録音: 1955, Amsterdam, Netherlands
デッカ&フィリップス録音全集 [38CD+Blu-ray Audio]<限定盤> カール・ベーム ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 ウィーン交響楽団
没後40周年記念。20世紀を代表する指揮者の録音を集大成。CD38枚組+BDオーディオ
20世紀を代表する指揮者カール・ベームは、主要なヨーロッパのクラシック音楽、ベルクやR.シュトラウスのような20世紀の後継者たちを中心に、多くの録音を残しました。同時代で最も賞賛されたオペラと管弦楽の指揮者の一人であり、今日のクラシック界に最も影響力を持つ音楽家、録音アーティストの一人でもあります。
没後40年を記念し、デッカとフィリップスに残された録音が初めてまとめて発売されます。CD38枚組+BDAのBOXセット。BDオーディオには1966/67年バイロイト音楽祭のライヴ録音による『ニーベルングの指環』が24bit/96kHzリマスタリングで収録されています。この音源がBDAになるのは初めてです。
『ニーベルングの指環』では伝説のワーグナー歌手テオ・アダムがヴォータン、ビルギット・ニルソンがブリュンヒルデを歌っています。その他、モーツァルトの『魔笛』『フィガロの結婚』『コジ・ファン・トゥッテ』、R.シュトラウスの『こうもり』のオペラ全曲録音、ウィーン・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団とのモーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス、シューベルト他の管弦楽録音、ヴィルヘルム・バックハウスとフリードリヒ・グルダによるピアノ協奏曲録音、リーザ・デラ・カーザ、アントン・デルモータ、パウル・シェフラーとの歌曲録音も収録されています。
個々のCDはオリジナル・デザインを踏襲した紙ジャケットに封入されています。
ユニバーサル・ミュージック
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