こんにちは、
ともやんです。
20世紀最大のヴァイオリニストと言われたダヴィド・オイストラフ。
1908年9月30日、ウクライナのオデーサ生まれ。当時は、ソビエト連邦でした。
1974年10月24日、演奏旅行中のアムステルダムのホテルで急逝。66歳だった。
つまり今日が48年目の命日。
オイストラフ&ベルリン・フィル モーツァルト 晩年の名盤
今日は、オイストラフ&ベルリン・フィルによるモーツァルトのヴァイオリン協奏曲を聴きました。
1970年から72年の録音で、オイストラフ62歳から64歳の年齢だけど、66歳で急逝したことから晩年の名演の名盤と言われています。
その名演が、ついにSACD盤として登場。しかも世界初SACD化。
新規で本国アナログ・マスターテープからの新規の復刻だそうで、ハイブリッド盤ですので通常のCDプレーヤーでも再生できます。
これらの1970年から72年にかけてベルリン・フィルと収録を行ったモーツァルトのヴァイオリン協奏曲全集他は、オイストラフによるモーツァルト演奏のひとつの完成形としてあまりにも名高い盤です。
晩年の円熟期に描かれた録音にはモダン楽器、モダン奏法による究極の姿が記録されています。
マスターテープの状態も良く、今回の復刻では芯のあるオイストラフらしい音色が艶やかなまでに蘇りました。本国のオリジナル・アナログ・マスターテープから192kHz/24bitでデジタル化したマスターを用い、SACD層、CD層別々にマスタリングを行っています。新規解説付。永久保存盤です。タワーレコードより
オイストラフ&ベルリン・フィル モーツァルト ヴァイオリン協奏曲全集
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト – Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
ヴァイオリン協奏曲第1番 変ロ長調 K. 207
Violin Concerto No. 1 in B-Flat Major, K. 207
1.(08:05) I. Allegro moderato
2.(08:38) II. Adagio
3.(06:00) III. Presto
total(22:43)
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ヴァイオリン協奏曲第2番 ニ長調 K. 211
Violin Concerto No. 2 in D Major, K. 211
4.(08:17) I. Allegro moderato
5.(07:50) II. Andante
6.(04:58) III. Rondo: Allegro
total(21:05)
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ヴァイオリン協奏曲第3番 ト長調 K. 216
Violin Concerto No. 3 in G Major, K. 216
7.(03:58) I. Allegro
8.(09:26) II. Adagio
9.(06:46) III. Rondeau: Allegro
total(20:10)
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ヴァイオリン協奏曲第4番 ニ長調 K. 218
Violin Concerto No. 4 in D Major, K. 218 (cadenzas by F. David)
10.(09:24) I. Allegro
11.(08:02) II. Andante cantabile
12.(08:03) III. Rondeau: Andante grazioso – Allegro ma non troppo
total(25:29)
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ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調 「トルコ風」 K. 219 (J. ヨアヒムによるカデンツァ)
Violin Concerto No. 5 in A Major, K. 219, “Turkish” (cadenzas by J. Joachim)
13.(09:43) I. Allegro aperto
14.(11:17) II. Adagio
15.(09:43) III. Rondo: Tempo di menuetto
total(30:43)
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協奏交響曲 変ホ長調 K. 364
Sinfonia concertante in E-Flat Major, K. 364
16.(13:26) I. Allegro maestoso
17.(11:57) II. Andante
18.(06:10) III. Presto
total(31:33)
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ヴァイオリンと管弦楽のためのアダージョ ホ長調 K. 261
19.(08:12) Adagio in E Major, K. 261
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2つのヴァイオリンのためのコンチェルトーネ ハ長調, K. 190
Concertone in C Major, K. 190
20.(08:48) I. Allegro spiritoso
21.(10:53) II. Andantino grazioso
22.(09:15) III. Tempo di menuetto: Vivace
total(28:56)
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ロンド ハ長調 K. 373
23.(06:19) Rondo in C Major, K. 373
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ロンド 変ロ長調 K. 269
24.(06:41) Rondo in B-Flat Major, K. 269
イーゴリ・オイストラフ – Igor Oistrakh (ヴァイオリン)
ダヴィッド・オイストラフ – David Oistrakh (ヴァイオリン、ヴィオラ)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – Berlin Philharmonic Orchestra
ダヴィッド・オイストラフ – David Oistrakh (指揮)
モーツァルト: ヴァイオリン協奏曲全集他 ダヴィド・オイストラフ 、 イーゴリ・オイストラフ 、 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ヴァイオリン協奏曲第1番はオーケストラの呈示部から、楷書風に丁寧で、よく歌い、リズムの弾力にみちた音楽が、小編成のベルリン・フィルの艶やかで豊かでピラミッド状の響きを得て、勢いよく流れだす感があります。
オイストラフのヴァイオリンも細部に至るまで発音が明確で、音色は輝かしい高域から翳りが濃く力強い低域(とくにG線の意味深さ!)まで実に幅広く、音楽の流れはいささかの停滞もなく、オーケストラとのコンビネーションも指揮を兼ねているだけに理想的です。
イタリア風の第1番に対し、フランスのギャラント様式の影響が色濃い第2~5番の様式の違いに関しては、それぞれの終楽章の演奏に明らかです。
第1番の終楽章は快速調で、演奏も光輝の限りを尽くす、といった感がありますが、第2~5番の終楽章はまさにフランス趣味のロンドで、とくにヴァイオリンから始まる第2、4、5番のおっとりとしたテンポと表情は、昨今の時代考証演奏とは全く違う曲を聴く感があります。
カデンツァの選択にもオイストラフらしさが現れています。第1番ではモスクワ音楽院教授のモストラスの作、第4番と第5番では19世紀のドイツの名手二人、ダヴィッドとヨアヒムの作を使用し、ヴァイオリンの演奏伝統を重視した姿勢を示し、第2番、第3番、アダージョK.261では自作し、カデンツァ本来のあり方を示しています。
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