こんにちは、
ともやんです。
20世紀最大の指揮者の一人であるアルトゥール・トスカニーニが亡くなったのは1957年(昭和32年)。
満90歳の誕生日まであと2ヶ月という時期で、亡くなる直前までNBC交響楽団とともに録音したテープの編集作業をしていたそうです。
今日は、僕が勝手に選んだ、トスカニーニの名演の名盤をご紹介します。
トスカニーニの名演の名盤 フルトヴェングラーとの比較
さて、生前から特に芸風の違うフルトヴェングラーと比較して論じられていたので二人は同世代と思われがちですが、トスカニーニの方が19歳も年上です。
※フルトヴェングラー
しかしトスカニーニは、長寿でしかも健康に恵まれ87歳まで指揮活動していたため、10歳年下のワルターと共に、大量のレコーディングが残っていて、それが後世に伝えられ、現代でも輝きを失わない存在になっています。
トスカニーニの名演の名盤 演奏史上不滅の業績2つ
トスカニーニの業績を演奏史上不滅にしている理由は、大別して二つあります。
ひとつは、オペラ指揮者としてきわめて進歩的で、イタリア・オペラ界の因習や敵と激しく戦いながら、古い芸術形式の温存と社交の場でしかなかったオペラ・ハウスを現代に生きる芸術上演の場に変貌させたこと。
※オペラハウス(1937年ニューヨーク)
ふたつめは、それまであまり前例のなかったことだが、オペラ以外に交響楽の指揮にも情熱を傾け、
しかもその分野でも。当時「新即物主義」などといわれた斬新な行き方で、あとに続く各国の指揮者たちに大きな影響を与えたことです。
特にその後のイタリア指揮者でトスカニーニの孫の世代にあたるアバドやムーティがオペラと交響楽の両方を両立させながら活躍を続けていますが、その先鞭をつけたのがトスカニーニだったわけです。
トスカニーニ&NBC交響楽団 名盤 おすすめベスト5
トスカニーニには、NBC交響楽団との膨大な録音がありますが、とくに現在タワーレコードのカタログで入手可能なおすすめベスト5をご紹介いたします。
まず、なんと言っても1939年のベートーヴェン・ツィクルス
これは凄い!
トスカニーニの前にトスカニーニなく、トスカニーニの横にフルトヴェングラー、トスカニーニの後にはわずかにムラヴィンスキー、クライバーありって感じかな。
ベートーヴェン・フェスティヴァル 1939 アルトゥーロ・トスカニーニ NBC交響楽団
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次が、涙なしでは聴けない、ラストコンサート。
ワーグナーの最初の音を聴いた瞬間から、深い感銘を受けます。
このCDを聴いて、何か感じない人はクラシック音楽とは無縁です。
ファイナルコンサート – ワーグナー・プログラム アルトゥーロ・トスカニーニ NBC交響楽団
3番目が、なんと言ってもレスピーギのローマ三部作。
トスカニーニ最高の名演の名盤と推す評論家が多い一枚です。
レスピーギ:ローマ三部作 「ローマの松」「ローマの噴水」「ローマの祭り」 アルトゥーロ・トスカニーニ
4番目が、メンデルスゾーン: 交響曲第4番『イタリア』、第5番『宗教改革』
もう晩年近くの録音ですが、その迫力と若々しさには驚異しかありません。
メンデルスゾーン: 交響曲第4番「イタリア」&第5番「宗教改革」 アルトゥーロ・トスカニーニ NBC交響楽団
最後に、モーツァルト。
トスカニーニとモーツァルトというとピンと来ませんし、モーツァルトはワルターに任せたと言っていたというくらいの逸話があるくらいですが、なかなかどうして。
聴きごたえのある名盤です。
まとめ
僕は、クラシック音楽ファンを40年以上続けていて、それなりに聴いてきたつもりです。
しかし、トスカニーニは、どちらからいうと敬遠していました。
なんか、機械的で、素っ気なく、情感が乏しいという先入観を持っていたからです。
しかし、聴きだしてみるとそれはまったく間違いだと気付きました。
トスカニーニには、ハードボイルドという言葉が似合います。
情感豊かで、感情の起伏も大きく、感受性の強り多情多感なところを、強い意志力でぐっと詰め込んで、表現しています。
でも、どうしても抑えきれない感情が噴出してくるところが堪らない魅力です。
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