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ベートーヴェンの第九 世界遺産とフルトヴェングラーと

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こんにちは、
ともやんです。

 

いま、「『第九』ベートーヴェン最大の交響曲の神話」中川右介著(幻冬舎新書)
第九 ベートーヴェン最大の交響曲の神話 (幻冬舎新書)
を読んでいます。

 

まだ全部読み切っていませんが、これが面白くて面白くて。

 

著者の中川氏も相当資料を調べられたことと感謝しますが、

僕は、この本で初めて、ベートーヴェンの第九が、

世界遺産に指定されていると知りました。

 

もう年末ですね、ベートーヴェンの第九に関して、

今月と来月記事を書いていきたいと思います。

 

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ベートーヴェンの交響曲第9番の正式名称と献呈先

 

さて、皆さん、ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」と

呼ばれているこの世界一有名な曲の正式名称をご存知でしょうか?

 

実は、僕も『第九』を読むまでは知りませんでした。

 

ベートーヴェンの第九は、1824年5月7日のウィーンで初演されましたが、
ちゃんとした形で、つまり総譜の出版と言う形で正式に世の出たのは、

初演から2年以上経った、1826年8月28日にショット社から出版された時です。

 

その表紙には、次のように書かれていました。

 

『シラー作 頌歌《歓喜に寄す》を終末合唱にした、大管弦楽、四声の独唱、四声の合唱のために作曲され、プロイセン王フリードリヒ・ヴィリヘルム三世陛下に最も深甚な畏敬をもって、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンによって奉呈された交響曲 作品125』

 

これが、「第九」の正式な曲名なのです。

 

当時は、交響曲第何番という習慣はなかったのです。

 

だから後世の作曲家、例えば、マーラーなどは、9と言う数字を忌み嫌い、

9番目にあたる交響曲に『大地の歌』というタイトルを付けたの言うのは有名な話ですが、

当のベートーヴェンは、全く9と言う数字は意識していませんでした。

 

さて、献呈されたプロイセン王フリードリヒ・ヴィリヘルム三世ですが、
この献呈とシステムは、ベートーヴェンが始めたビジネスモデルだそうです。

 

ベートーヴェン以前、例えばハイドンなどは、皇族、貴族のお抱え音楽家で、

作曲もそのお抱え先の以来により作曲していました。

それにより報酬を得ていたわけです。

 

つまりサラリーマンと言うよりは、

大手企業の下請けまたは提携先と言った方がいいかもしれません。

 

一方、ベートーヴェンは、最初からフリーランスの作曲家で、

作曲をしてそれを出版することで収入を得ていました。

 

でも当時は印税と言うシステムがなく、

出版社に納品した時の報酬でおしまいです。

 

それが面白くなく、献呈と言って貴族や著名は音楽家に贈呈、

つまり送りつけビジネスで謝礼をもらっていたわけです。

 

献呈された方も名誉なことであるし、自分の名前が知れ渡ることでもあるので

謝礼として金品を渡していたのです。

 

ただ、ベートーヴェンに献呈される側が、承知していればよいのですが、

中にはベートーヴェンが勝手に献呈して、受ける側が、そんなの知らないよ、

とトラブルも発生していたそうです。

 

後年、「楽聖」なんて崇め奉られているベートーヴェンですが、

なかなかの商売人でしかも人間臭い人だったのです。

 

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ベートーヴェンの第九 ユネスコが選定する世界遺産

 

先の献呈に関して、後日談があります。

 

「第九」を献呈されたプロイセン王フリードリヒ・ヴィリヘルム三世に、

手書きの総譜が贈られたのは、1826年10月で、11月に礼状が届き、
「感謝の印としてダイヤモンドの指環を贈呈する」と書かれていました。

 

しかし、実際に届いたのは、赤い石が嵌め込まれた指環でした。

 

ベートーヴェンは、これをウィーンの宝石商に鑑定させたところ、

300フロリンの価値しかないと言われ、怒ったベートーヴェンは、その場で売ってしまいました。

 

ちなみに当時の貨幣価値を推測するのは難しいのですが、

1フロリンは、2000円という説と5000円という説がありますので、

安く見て60万円、高く見て150万円というところでしょうか?

 

何といってもベートーヴェンと言えば、当時のウィーンの名士ですから、

王様からの謝礼としては、十分な価値ではなかったのでしょう。

 

「第九」は現在、ユネスコが選定する世界遺産のひとつになっています。

 

世界遺産は、自然や建造物などの世界遺産と日本の歌舞伎などの

無形文化遺産である「人類の口承及び無形遺産の傑作」と、

歴史的な文書の「世界記録遺産」の三種類があります。

 

「第九」は、現在ベルリン国立図書館に所蔵されている直筆譜が、

この「世界記録遺産」に指定されています。音楽作品としては「第九」が初めてです。

 

この直筆譜こそが、ベートーヴェンがフリードリヒ・ヴィリヘルム三世に献呈したものなのです。

 

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ベートーヴェンの第九 フルトヴェングラーとバイロイト祝祭菅

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
74:17交響曲第9番 ニ短調 「合唱付き」 Op. 125
Symphony No. 9 in D Minor, Op. 125, “Choral”
作詞 : フリードリヒ・フォン・シラー – Friedrich von Schiller

 

1.(17:47)I. Allegro ma non troppo, un poco maestoso
2.(11:55)II. Molto vivace
3.(19:33)III. Adagio molto e cantabile
4.(03:06)IV. Finale: Presto –
5.(03:55)IV. Allegro assai –
6.(03:45)IV. Presto –
7.(04:01)IV. Allegro assai vivace –
8.(03:44)IV. Andante maestoso –
9.(02:13)IV. Allegro energico, sempre ben marcato –
10.(02:30)IV. Allegro ma non tanto –
11.(01:48)IV. Poco allegro stringendo il tempo, sempre piu allegro
total(74:17)

 

エリーザベト・シュヴァルツコップ – Elisabeth Schwarzkopf (ソプラノ)
エリーザベト・ヘンゲン – Elisabeth Hongen (コントラルト)
ハンス・ホップ – Hans Hopf (テノール)
オットー・エーデルマン – Otto Edelmann (バス)
バイロイト祝祭合唱団 – Bayreuth Festival Chorus
バイロイト祝祭管弦楽団 – Bayreuth Festival Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音: 29 July 1951, Festspielhaus, Bayreuth, Germany

 

レビュアー: CD帯紹介文 投稿日:2010/03/01

録音史上、もっとも名演とされている「バイロイトの第9」。数多く復刻される中、その音質についても熱い論議がなされていますが、NAXOSはオバート=ソーンの手によって、ヒス・ノイズの極めて少なくダイナミックレンジの広い盤を復刻しました。シンバルの音に多少のくぐもりがあるも、弦の細部の音~微妙なポルタメントなどの表現、中低音の金管、そして歌手達の声を生かすことに成功しています。とりわけ2006年8月3日に亡くなったシュヴァルツコップフを含めたスター歌手4人の声と、合唱団の底力を堪能することができる点においては、文句なしに既存盤と肩を並べるできばえといえるでしょう。

 

 

マーク・オバート=ソーン復刻。あの有名な「バイロイトの第9」が、いよいよオバート=ソーンの復刻で登場。足音入り、疑似ステレオなどさまざまな形で発売されていた永遠の名演ですが、今回の復刻は良質のL Pから丁寧に復刻したものであり、アナログの良さを感じることができるはず。すでにお持ちの方もこの新しい復刻により、「伝説の名演」の別の側面を知っていただけるでしょう。

1951年のバイロイト音楽祭の再開は、戦後のドイツが国際社会に復帰する重要な一歩を象徴するものでした。当時を代表する指揮者として、フルトヴェングラーこそ、祝祭曲としての伝統を持つベートーヴェンの「第9」を再開記念公演で指揮するのに相応しい人選でした。フルトヴェングラーにとって、「第9」は深甚な霊的意義を持つ聖なる作品であり、彼は特別な機会が無ければこの作品を指揮することに同意せず、スタジオ録音を残すこともありませんでした。彼の死後、1955年に初めて発売された、この1951年の実演の録音は、レコード史上に耀く、ベートーヴェンの傑作のもっとも深遠な再現演奏の一つであり続けています。タワーレコード (2009/04/08)

 

“ナクソス・ヒストリカル・シリーズ – ヴィルヘルム・フルトヴェングラー”

まとめ

 

クラシック音楽において『第九』は、

ブルックナーでもマーラーでもショスタコーヴィチでもありません。

 

『第九』と言えば、ベートーヴェンなのです。

 

日本の年末の風物詩でもありますが、

欧米でも神聖化され、歴史的意義の深い日に演奏されます。

 

ベルリンの壁崩壊記念に演奏されたバーンスタインの命を賭けた演奏は忘れがたいです。

 

フルトヴェングラーにもいくつかライブ録音が残されていますが、

彼自身、この曲を神格化してこともあり、結局セッション録音は残しませんでした。

 

このブログでは『第九』に関して引き続き深堀していく予定です。

 




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