こんにちは、
ともやんです。
モーツァルトの交響曲第38番ニ長調”プラハ”は、1786年12月、モーツァルト30才の時にウィーンで作曲されました。
翌年早々プラハでモーツァルト自身の指揮で初演されました。
そのためこの交響曲は、”プラハ”という名称で愛されています。
当時のモーツァルトは、歌劇「フィガロの結婚」で大成功を収め、プラハ市の依頼で歌劇「ドン・ジョバンニ」も作曲しました。
第38番プラハは、僕はモーツァルトの交響曲の中では大好きな曲です。
何と言っても楽しくてわくわくさせてくれる曲です。
小学生の頃、叔父の家に遊びに行くとこのレコードがあり、何気なくかけると第一楽章の序奏の後の主題が堪らなく素晴らしいので、叔父の家に行くたびにプラハを聴いていた記憶があります。
さて、おすすめ盤ですが、名曲だけあってたくさんあります。
宇野さんならいつもシューリヒト&パリ・オペラ座管、ワルター&ニューヨークフィルを推していました。
さすがにそれはまずいと思ったかどうかわかりませんが、2001年に出した「宇野功芳のクラシック名曲名盤総集版」では、ムーティ&ウィーンフィルも推しています。
それでは僕が聴いていいなと思った5つのCDをご案内します。
ブリテン モーツァルト交響曲第38番”プラハ”
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト – Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
交響曲第38番 ニ長調 「プラハ」 K. 504
Symphony No. 38 in D Major, K. 504, “Prague”
1.(14:57) I. Adagio – Allegro
2.(11:55) II. Andante
3.(06:00) III. Presto
total(32:52)
イギリス室内管弦楽団 – English Chamber Orchestra
ベンジャミン・ブリテン – Benjamin Britten (指揮)
録音: July 1970, The Maltings, Snape, United Kingdom
ブリテンは、20世紀のイギリスの作曲家で、いやイギリスに留まらず20世紀を代表する作曲家でした。
また指揮者としても才能のある方で、ピアニストのカーゾンと共演したモーツァルトの第20番と第27番の伴奏は、最高でした。
どちらかというと陰影の濃い哀愁を感じさせる曲作りで、この典雅で華麗な曲にふっと曇る部分を感じさせる部分がとても大人の雰囲気を表現しています。
アーノンクール モーツァルト交響曲第38番”プラハ”
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト – Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
交響曲第38番 ニ長調 「プラハ」 K. 504
Symphony No. 38 in D Major, K. 504, “Prague”
1.(19:26) I. Adagio – Allegro
2.(11:03) II. Andante
3.(07:48) III. Presto
total(38:17)
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 – Royal Concertgebouw Orchestra
ニコラウス・アーノンクール – Nikolaus Harnoncourt (指揮)
ニコラウス・アーノンクール&RCO/モーツァルト:交響曲第38~41番 <<<タワーレコード提供
アーノンクールは、全てのリピートを忠実行っているため、演奏時間が長いです。
また念を押すような表現が、多少理屈っぽく感じます。
しかし、バロック音楽のスペシャリストとしての堅固な構成力と力強さに説得力があります。
ただ、モーツァルトなのでもう少し遊びがあってもいいかなと思います。
ムーティ モーツァルト交響曲第38番”プラハ”
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト – Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
交響曲第38番 ニ長調 「プラハ」 K. 504
Symphony No. 38 in D Major, K. 504, “Prague”
1.(16:38) I. Adagio – Allegro
2.(11:38) II. Andante
3.(07:53) III. Presto
total(36:09)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
リッカルド・ムーティ – Riccardo Muti (指揮)
モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」 第38番「プラハ」
ウィーンフィルの豊かな響きとムーティの推進力溢れる指揮が魅力です。
特に第1楽章展開部の覇気溢れる演奏には、熱いものを感じます。
ヘルムート・ミュラー=ブリュール モーツァルト交響曲第38番”プラハ”
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト – Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
交響曲第38番 ニ長調 「プラハ」 K. 504
Symphony No. 38 in D Major, K. 504, “Prague”
1.(12:49) I. Adagio – Allegro
2.(10:48) II. Andante
3.(05:44) III. Presto
total(29:21)
ケルン室内管弦楽団 – Cologne Chamber Orchestra
ヘルムート・ミュラー=ブリュール – Helmut Muller-Bruhl (指揮)
録音: December 2000 to May 2001, Deutschlandfunk, Funkhaus Koln, Sendesaal
ヘルムート・ミュラー=ブリュール指揮 ケルン室内管弦楽団 <<<タワーレコード提供
僕の大好きな指揮者ミュラー=ブリュールの演奏で、手練手管を十二分に使った演奏です。
ただ、やり過ぎの感もあります。もう少し自然な演奏の方が良かったかなとも思います。
でもいつもながらケルン室内管弦楽団の澄み切った響きは素晴らしいです。
クリップス モーツァルト交響曲第38番”プラハ”
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト – Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
交響曲第38番 ニ長調 「プラハ」 K. 504
Symphony No. 38 in D Major, K. 504, “Prague”
1.(13:01) I. Adagio – Allegro
2.(07:43) II. Andante
3.(06:12) III. Presto
total(26:56)
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 – Royal Concertgebouw Orchestra
ヨーゼフ・クリップス – Josef Krips (指揮)
モーツァルト:交響曲集(第21-36番・第38-41番)、リハーサル付(第33番)
モーツァルト: 交響曲集(第21-36番・第38-41番), リハーサル付(第33番)<タワーレコード限定>
先の紹介した4つの演奏のいいところを全て併せ持った名演です。
何もしていないかのように自然な演奏で、僕が一番好きなCDです。
自身音大の声楽家を出て現在評論家・合唱指揮者として活躍されている福島章恭氏の著書には、クリップスのモーツァルトを評して次のように書かれています。
このセットを座右に置き、すべてのフレーズのイントネーションを調べたり、どんなニュアンスのアクセントが置かれるのかを感じたり、主旋律と対旋律のバランスはどうか、適切なテンポとは何か、緩徐楽章とメヌエットのリズム感覚の違いは、等々を研究するだけで、4年間音楽大学に通う以上の知識が得られるに違いない。
そして最後に、そんなこと考えずにただただ美しいモーツァルトに浸ることが最高に幸せだと締めくくられています。
最後に
毎日毎日、クラシック音楽を聴いていてどの曲にも愛と敬意を感じます。
難解な曲に出会うと出来るだけその曲の良いところを探して、愛と敬意を感じる箇所を探します。
ただ、中には聴いた瞬間に好きになってしまう曲があります。
僕は、小学生の時にこの曲を初めて聴い依頼、ずっと好きです。
もう50年間以上です。こんな素晴らしい曲に出会えて事が僕がクラシック音楽を好きなったきっかけでした。
今回5つの演奏だけ紹介しましたが、まだまだ紹介したい名演がたくさんあります。
改めてご案内して行きたいと思います。
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