こんにちは、
ともやんです。
ヴァイオリニスト庄司沙矢香とイタリアのピアニストで作曲家の共演によるモーツァルトのヴァイオリン・ソナタvol.1を聴きました。
強くおすすめする演奏です。
日本のヴァイオリニストでは、特に個人的には女性奏者に注目していて諏訪内晶子、五嶋みどり、川久保賜紀といった人たちの演奏は録音や実演を聴いて深い感動を受けています。
そこに新たに庄司紗矢香が入りました。
庄司紗矢香&メナヘム・プレスラー ディオ
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以前このブログで取り上げた記事です。実はこの時初めて庄司紗矢香の演奏に接したのです。
そして今回聴いたのが、今年5月の新録音です。
前回を大きく上回る感動を受けました。この人は本物の芸術家だと思います。
庄司紗矢香 ヴァイオリンの響き
庄司紗矢香のタワーレコードのプロフィール紹介です。
1983年、東京生まれ。5歳でヴァイオリンを始め、97年、ヴィエニャフスキ国際コンクール(17歳までの部門)で日本人として初めて優勝。99年にはヴィオッティ・ヴァルセシア国際コンクール優勝に加え、パガニーニ国際ヴァイオリン・コンクール優勝(史上最年少、日本人初)という驚異的な成績を収めて世界中から注目される。2000年、メータ指揮イスラエル・フィルのサポートを得てドイツ・グラモフォンからCDデビュー。
キャリア的にもベテランの実力派という感じです。
失礼ながら、彼女の存在を知ったのは今年になってから。
元ボザール・トリオのピアニスト、メナヘム・プレスラーとのディオを聴いてからです。
最初は、まあ確かな技巧の実力派だなとは思いましたが、正直とときめかせてくれるほどではないかな、という印象でした。
しかし、今回聴いてこの人はとんでもない人だと戦慄が走るくらい感銘を受けました。
1曲目のホ短調 K.304のイントロを聴いた瞬間、ん?これモーツァルト?まるでバッハのように響くのです。
考えてみれば、モーツァルトのヴァイオリン・ソナタはそれほど聴き込んだわけではありません。しかし庄司紗矢香とカシオーリのディオを聴くと作品もさることながらそれを芸術的な高みに引き上げた演奏だと思います。
解説を見るとガット弦とクラシック弓を使っていて、モーツァルトのイメージである優雅で軽やかなイメージとは違い、ややかすれた音と抑制的な表現で深い思索を感じさせる演奏になっています。
しかもパッションも充分で、新たなモーツァルト像を築き上げた感があります。
ぜひ、聴いてほしい名演の名盤です。
庄司紗矢香 YOUTUBE
YOUTUBEで、今回のニューアルバムのエッセンスを知る事が出来ます。
庄司紗矢香/ジャンルカ・カシオーリ モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ 第35番 ト長調 K.379 第2楽章
庄司紗矢香/ジャンルカ・カシオーリ
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ集 VOL. 1
探求の旅を経て表情豊かに描く、庄司&カシオーリの新境地。
非常にパッションを感じる演奏です。
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ集 VOL.1<初回限定盤> 庄司紗矢香 ジャンルカ・カシオーリ
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ぜひ聴いてみてください。
庄司紗矢香 モーツァルト ヴァイオリン・ソナタ集 vol.1
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト – Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 K.304 (300c)
Violin Sonata in E Minor, K. 304(300c)
1.(09:58) I. Allegro
2.(05:15) II. Tempo di menuetto
total(15:12)
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ヴァイオリン・ソナタ ト長調 K.379 (373a)
Violin Sonata in G Major, K. 379(373a)
3.(13:01) I. Adagio – II. Allegro
4.(10:17) Theme: Andantino cantabile – Variation I-V – Allegretto
total(23:18)
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ヴァイオリン・ソナタ イ長調 K.526
Sonata for Keyboard and Violin in A Major, K. 526
5.(06:54) I. Molto allegro
6.(10:53) II. Andante
7.(06:53) III. Presto
total(24:40)
庄司紗矢香 – Sayaka Shoji (ヴァイオリン)
ジャンルカ・カシオーリ – Gianluca Cascioli (ピアノ)
録音:2022年5月イタリア・モンドヴィ
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ集 VOL.1 庄司紗矢香 ジャンルカ・カシオーリ
ヨーロッパを拠点にワールドワイドな活動を続ける庄司紗矢香の4年ぶりのニュー・アルバム。かつて「ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ」全曲録音を共に成し遂げたピアニストのジャンルカ・カシオーリと再びタッグを組み取り組む新プロジェクトは「モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ」。
コロナ禍でコンサート活動がままならなかった時期に庄司はモーツァルトをはじめとする18世紀の古典の文献を丹念に研究。
その成果を実際の演奏で表現すべく、2022年5月にカシオーリとイタリア・モンドヴィの教会「Sala Ghislieri」にてレコーディングしました。
当時の古典派の楽器に倣い、庄司はガット弦とモーツァルト時代のクラシック弓を使用し、カシオーリはフォルテピアノを演奏。
コメント
ともやんさん
庄司紗矢香のモーツァルトのCDについての文章を興味深く読みました
私は ちょうどCDが着いて聞き終わったところです
動画で見た驚きはちょと間違っていたなと思いました
彼女は基本理性的でクールな心を持っている演奏家だと 15年前にプラハでブラームスの協奏曲を聴いたときに思いましたが 今回のモーツァルトも「意志」の世界です
時折見せる激しさも 感情ではなく 意志の強さと聞こえます
モーツァルトは 意志で 表現してしまうと まるでベートーヴェンになってしまいます
このCDも 聞こえてくるのはモーツァルトではなくて ベートーヴェンでした
ということで ともやんさんとは 異なる 印象を持ちましたが ご意見をお聞かせください
アラン様、メッセージありがとうございます。庄司紗矢香さんは、昨年12月にサントリーホールで実演を聴きました。CDと同じくカシオーリさんとの共演でモーツァルトのソナタでした。
演奏は素晴らしかったですが、ステージ上の彼女は、クリオーリ氏が柔和な印象なのに対してクールでタフな印象を受けました。ご意見と言われても困ってしまいますが、彼女の演奏を聴いてからモーツァルトのソナタが好きになったのは確かです。答えになってないようですが、今後ともよろしくお願いします。