こんにちは、
ともやんです。
パーヴォ・ヤルヴィは、1962年12月30日生まれ。
つまりこの記事を書いている2025年12月30日は、パーヴォの63回目の誕生日です。
エストニアのタリン生まれ。
父親は、偉大なマエストロ、ネーメ・ヤルヴィであることは周知の通り。
しかも10歳年下の弟クリスチャン・ヤルヴィも指揮者で、妹のマーリカ・ヤルヴィはフルート奏者という音楽一家です。
今回、オルフの「カルミナ・ブラーナ」を紹介します。
パーヴォ・ヤルヴィのカルミナ・ブラーナ
2018年のNHK音楽祭で、当時NHK交響楽団の首席指揮者を務めていたパーヴォ・ヤルヴィが披露し、強烈な印象を残したオルフ「カルミナ・ブラーナ」。
あの圧倒的な演奏体験を記憶に刻んだ聴き手にとって、ヤルヴィがこの作品をついに初録音したという知らせは、まさに待望と言うほかありません。
ライヴで示された切れ味と爆発力が、スタジオ録音でどこまで深化しているのか、その期待は冒頭から裏切られることはありません。
充実のソリスト陣
まず注目したいのは、極めて充実したソリスト陣です。
ソプラノには、ヨーロッパを中心にオペラとリートの両分野で急速に評価を高めているコロラトゥーラ・ソプラノ、アリーナ・ヴンダーリン。
「カルミナ・ブラーナ」でもすでに高い評価を得ており、その澄み切った声と鋭い集中力は、無垢さと官能が交錯するこの作品に理想的です。
バリトンは、ドイツ出身でカナダに学び、メトロポリタン歌劇場をはじめ欧米各地で活躍するラッセル・ブラウン。
確かな声の芯と豊かな表現力で、人間の欲望や皮肉をにじませる場面を説得力たっぷりに描き出します。
そしてカウンターテナーには、ウィーン少年合唱団時代からボーイソプラノとして人気を博し、現在は世界的な名声を誇るマックス・エマヌエル・ツェンチッチ。
2018年のN響との名演でもソリストを務めた彼の存在は、この演奏に強い連続性と説得力を与えています。
冒頭の運命の女神から炸裂
演奏は冒頭の「運命の女神」から、パーヴォ・ヤルヴィならではの引き締まったフォルテシモが炸裂。
音量の迫力に頼るのではなく、リズムと構造を徹底的に明確化することで、聴き手を一気に作品世界へ引き込みます。
以降も、古代の旋法による旋律をどこか気品ある抒情として歌わせる一方、まるで歌劇のクライマックスのような激しい煽りで音楽を燃え上がらせるなど、コントラストの妙が際立っています。
終曲まで緊張感が持続し、聴き終えた後には確かな充実感が残ります。
さらに、大編成オーケストラと合唱を見通しよく捉えた録音も秀逸で、複雑な響きの中からリズムと旋律が鮮明に浮かび上がります。作品の野性味と洗練、その両極を高次元で融合させたこの一枚は、《カルミナ・ブラーナ》の新たな決定盤候補と呼ぶにふさわしい、圧倒的完成度を誇る録音です。
パーヴォ・ヤルヴィのカルミナ・ブラーナ
カール・オルフ – Carl Orff (1895-1982)
カルミナ・ブラーナ
Carmina Burana
1.(02:34) Fortuna Imperatrix Mundi: O Fortuna
2.(02:55) Fortuna Imperatrix Mundi: Fortune plango vulnera
3.(05:08) I. Primo vere: Veris leta facies
4.(02:44) I. Primo vere: Omnia sol temperat
5.(02:59) I. Primo vere: Ecce gratum
6.(01:57) Uf dem anger: Tanz
7.(03:37) Uf dem anger: Floret Silva
8.(03:34) Uf dem anger: Chramer, gip die varwe mir
9.(05:08) Uf dem anger: Reie – Swaz hie gat umbre – Chume, chum geselle min – Swaz hie gat umbe
10.(00:56) Uf dem anger: Were diu werlt alle min
11.(02:27) II. In taberna: Estuans interius
12.(03:31) II. In taberna: Olim lacus colueram
13.(01:39) II. In taberna: Ego sum abbas
14.(03:14) II. In taberna: In taberna quando sumus
15.(03:50) III. Cour d’amours: Amor volat undique
16.(02:21) III. Cour d’amours: Dies, nox et omnia
17.(01:52) III. Cour d’amours: Stetit puella
18.(01:59) III. Cour d’amours: Circa mea pectora
19.(01:06) III. Cour d’amours: Si puer cum puellula
20.(00:59) III. Cour d’amours: Veni, veni, venias
21.(02:02) III. Cour d’amours: In trutina
22.(02:25) III. Cour d’amours: Tempus est iocundum
23.(00:44) III. Cour d’amours: Dulcissime
24.(01:54) Blanziflor et Helena: Ave formosissima
25.(02:36) Fortuna Imperatrix Mundi: O Fortuna
total(64:11)
作詞 : 不詳 – Anonymous
ラッセル・ブラウン – Russell Braun (バリトン)
マックス・エマヌエル・ツェンチッチ – Max Emanuel Cen?i? (カウンターテナー)
アリーナ・ヴンダーリン – Alina Wunderlin (ソプラノ)
チューリッヒ少年合唱団 – Zurich Boys Choir
チューリッヒ・ジング・アカデミー – Zurcher Sing-Akademie
チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団 – Zurich Tonhalle Orchestra
パーヴォ・ヤルヴィ – Paavo Jarvi (指揮)
録音: June 2022 , Tonhalle Zurich, Switzerland
パーヴォ・ヤルヴィ 、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団 オルフ: カルミナ・ブラーナ
2018年のNHK音楽祭で当時首席指揮者を務めていたNHK交響楽団との共演で披露、大きな評判となった「カルミナ・ブラーナ」をパーヴォ・ヤルヴィがついに初録音しました。
この作品の新たな定番となり得る素晴らしい一枚です。



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