こんにちは、
ともやんです。
もう3週間ほど過ぎましたが、9月23日は、ピアニスト小林愛実さんの誕生日でした。
おめでとうございます!
1995年生まれということなので僕の長女を同じ年です。
まあ、そんなことはいいです。
現在、すでに始まっているショパン国際ピアノコンクールから彼女に結びつき、しかも最新録音のシューベルトを聴いたばかりなので、そのことについて触れたいと思います。
小林愛実の心に響くシューベルト
小林愛実というと2021年秋のショパンコンクールを思い出します。
パンデミックのため、2020年の予定が1年延びて2021年に開催されました。
そして日本人の反田恭平さんと小林愛実さんが、それぞれ2位と4位に入るという快挙を成し遂げたのです。
それから4年。
そんな二人が結婚し、子供も授かるという二人に取って激動の4年間だったのではないでしょうか。
特に愛実さんにとっては妊娠と出産という女性として大きな体験をされたので、当然演奏にも変化もあったと思います。
待望のニューアルバム
小林愛実、待望の約3年ぶりの新録音を聴きました。
ニュー・アルバム『シューベルト:4つの即興曲 作品142、ピアノ・ソナタ第19番 ハ短調、ロンド イ長調 他』は、作曲家とのつながりを深く感じさせる、精緻かつしなやかなシューベルトの世界を示す一枚です。

フランツ・シューベルト – Franz Schubert (1797-1828)
実に約3年ぶりの新録音は、彼女が長年あたためてきた念願のシューベルト作品集であり、聴き手にとっても期待の高まるリリースですね。
特に僕は4つの即興曲に深い感銘を受けました。
作品としては、ピアノソナタに比べ、小規模で簡素で質素な印象ですが、それだからピアニストの技量が問われると思います。
こんな素敵な曲だったんだとそしてなんて愛しく深いんだと感じさせてくれました。
シューベルトのピアノソナタは、曲想が泉のように湧き出るようで、実はとらえどころがない感じもしてあまり聴き込んでいません。
でも愛実さんの演奏なら好きになって行けそうです。
夫の反田恭平さんとの大ロンドの連弾は、心が通じ合っている二人の穏やかで信頼し合っている様子がビシビシ伝わってきて、嫉妬しそうなくらい羨ましいです。
自分もピアノが弾けたらなぁって思わずにはいられない演奏です。
収録曲について
メインの収録曲は《4つの即興曲 作品142》と《ピアノ・ソナタ第19番 ハ短調》。
いずれもシューベルト後期を代表する作品で、作曲家の精神性が色濃く反映されています。
《4つの即興曲》は小林が学生時代から思い入れを抱き、近年のリサイタルでも繰り返し取り上げてきた楽曲です。
作品全体に漂う幻想的な響きと、時折覗く不安や影のバランスを、彼女はしなやかなタッチと豊かな色彩感で描き出しています。
一方、《ピアノ・ソナタ第19番 ハ短調》は、アメリカ留学時代に本格的に向き合った思い出深い曲で、「もしシューベルトをアルバムにまとめるなら、必ず入れたい曲」と本人が語る特別な一曲になりました。
ニューアルバムCDの紹介
フランツ・シューベルト – Franz Schubert (1797-1828)
4つの即興曲 Op. 142, D. 935
4 Impromptus, Op. 142, D. 935
1.(10:06) No. 1 in F Minor
2.(08:06) No. 2 in A-Flat Major
3.(12:35) No. 3 in B-Flat Major
4.(06:36) No. 4 in F Minor
total(37:23)
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ピアノ・ソナタ第19番 ハ短調 D. 958
Piano Sonata No. 19 in C Minor, D. 958
5.(08:28) I. Allegro
6.(09:13) II. Adagio
7.(03:26) III. Menuetto: Allegro
8.(09:55) IV. Allegro
total(31:02)
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9.(11:53) ロンド イ長調「大ロンド」 Op. 107, D. 951
Rondo in A Major, Op. 107, D. 951, “Grand Rondeau”
小林愛実 – Aimi Kobayashi (ピアノ)
小林愛実/シューベルト: 4つの即興曲、ピアノ・ソナタ第19番、他
夫妻の共演としては初の公式録音であり、互いの呼吸と響きの重なりが作品の温かみを際立たせます。録音は今年5月、歴史あるベルリンのテルデックス・スタジオで行われ、その空間が演奏に特別な空気感を与えています。
前作『ショパン:前奏曲集 他』から約3年の間に、小林はショパン国際ピアノ・コンクールで第4位入賞、結婚、出産と人生の大きな節目を経験しました。
収録作品はすべてシューベルトが晩年の30歳前後に書いたもので、今年29歳の小林が同世代に近い年齢でこれらを演奏することは深い意味を持ちます。
人生の光と影、希望と諦念を抱きしめるような演奏は、聴く者に強い共感と余韻を残すでしょう。
本作は単なるレパートリーの集成を越え、彼女の歩みとこれからの音楽人生を示す記念碑的な一枚です。ぜひじっくり味わってください。
※タワーレコード・オンラインショップの解説を参照
最後に
器楽の演奏テクニックは、プロになるような音楽家は、10代のうちのある程度習得しているという話を聴いたことがあります。
また、世界的な音楽家になるには、最低〇〇万時間の練習が必要という話も聞いたことがあります。
小林愛実さんは、妊娠と出産を経験し、それまでに比べ、時間的に十分な練習が出来なかったかもしれません。
しかし今回のニューアルバムでは、心に響くシューベルトを聴かせてくれて、僕には特に即興曲で魅せた深い余韻を与えてくれました。
まさに練習できない時も人間的な成長があったと確信しました。
これからの演奏もぜひ聴いて行きたいです。



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