こんにちは、
ともやんです。
シューベルトは、31年という短い生涯に驚くほど膨大な作品を創り残しています。
しかし、当の本人は生涯貧困に喘いでそのために寿命を縮めてしまったとも言えます。
個人的には、モーツァルトに匹敵するかいやそれ以上の天才だったと思うのです。
ただ人がいい割に、いやだからか世渡りが下手だったようです。
いい友人たちにも恵まれたようですが、そんなシューベルトの作品を世に売り出すという商売上手な人はいなかったようです。
もしシューベルトが現代の日本に生まれていたら、小室哲哉を上回るヒットメーカーになっていたかもしれません。
しかし、人が良くて金銭感覚に乏しいシューベルトは、大金持ちになれたかどうかは怪しいですね。そんなところも小室さんと、おっと話しが逸れてしまった。
村上春樹とシューベルトのピアノソナタ
さて、シューベルトはピアノソナタの分野でも21曲もの作品を残しています。
しかし、どうもシューベルトのピアノソナタは、どこが頭でどこが尻尾かわからないという構成力の弱い作品が多いですが、それがかえって自由でイマジネーションを?き立てていいという人がいます。
その一人が、作家の村上春樹さん。
僕が唯一所有する村上さんの本は『古くて素敵なクラシック・レコードたち』で、この本でも遺作となったピアノソナタ第21番を取り上げています。
村上さんは、この本の中で、”シューベルトの長大なピアノソナタは、知らず知らずのうちにのめりこんでしまいますよね”と記していますが、いやいや、僕なら長すぎて眠っちゃいますよ。
やはり天才は天才を知るということでしょうか。
凡人にはわからないシューベルトの凄さが、村上さんには知らず知らずのうちにわかるのでしょう。
さて、村上さんは、小説の中でもよくレコードをさりげなく登場させています。
著書『海辺のカフカ』『意味がなければスイングはない』で2度にわたり取り上げたのが、ユージン・イストミンが弾くシューベルトのピアノ・ソナタ第17番。
そして2022年6月12日(日)日経日曜版の鈴木淳史氏による名物コラム「名作コンシェルジュ」で紹介されました。
ぼんやりしたシューベルトのソナタを村上さんにその妙味を気づかせたのが、ユージン・イストミンのレコードだったということです。
実は僕も今回初めて聴いたのですが、なんと3回もくり返し来てしまいました。
なんか、シューベルトのピアノソナタの魅力が、ちょっとだけわかったような気がします。
イストミン シューベルト ピアノソナタ 第17番
フランツ・シューベルト – Franz Schubert (1797-1828)
ピアノ・ソナタ第17番 ニ長調 「ガシュタイナー・ソナタ」 Op. 53, D. 850
Piano Sonata No. 17 in D Major, Op. 53, D. 850, “Gasteiner Sonate”
1.(08:30) I. Allegro vivace
2.(13:41) II. Con moto
3.(09:22) III. Scherzo – Allegro vivace – Trio
4.(08:18) IV. Rondo – Allegro moderato
total(39:51)
ユージン・イストミン – Eugene Istomin (ピアノ)
アメリカのピアニスト、ユージン・イストミン(1925~2003)によるシューベルトのピアノ・ソナタ第17番。イストミンは、室内楽のピアニストとして名高く、カザルスらとのアンサンブルやスターンとローズと組んだスターン・トリオ、スターンとのペアなどで多くの録音を残しました。イストミンの柔和であたたかみのあるタッチが繰り出す、シューベルトへの深い共感や愛情があふれ出た名演、待望の復活です。
ソニー・ミュージック
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