こんにちは、
ともやんです。
シューマンの本領が発揮されているのは、ピアノ作品と歌曲と言われます。
その一方、管弦楽曲の大曲である4つの交響曲はよくオーケストレーションに難点があると言われます。
ただ、そんなことには素人の僕にはよくわかりません。
今回は、そんなシューマンのオーケストレーションの弱さを改良したとされるマーラーのよる編曲版を聴きました。
オルソップ&ウィーン放送響 マーラー版 シューマン交響曲全集
オルソップ&ウィーン放送響によるマーラー版のシューマン交響曲第3番と第4番を聴きました。これがこのシリーズ第2弾ということで、第1弾が、交響曲第1番と2番なので、これで全集になったのです。
第1弾の方は聴き洩らしていて、近いうちに聴こうと思います。
さて、シューマンは4つの交響曲を残しましたが、これらを近代以降のオーケストラで演奏すると、音が濁ったり、バランスが取れなかったりすることが多く、指揮者泣かせの曲と言われてきました。
19世紀の終わりから20世紀の初頭にかけて、指揮者としても著名だったマーラーが、このシューマンの交響曲に対し、このシューマンの交響曲が抱える問題に取り組み大胆は回答をしてみせたのです。
マーラーは、4曲の交響曲のスコアに数多くの改変やカットを加えました。それらの多くは打楽器や金管の増減などによってマーラーが重要と見なすモチーフを補強し、そうでないと考えた部分を抑えるというものでした。
オルソップが再評価 マーラー版 シューマン交響曲
せっかくのマーラー苦心のシューマンの交響曲もシューマン自身が書いた通りではないという理由で敬遠されるようになりました。
僕も50年に渡ってクラシック音楽ファンですが、シューマンの交響曲のマーラーの編曲版があるとは、初めて聞きました。
マーラーの編曲は、自身の交響曲の作風からもわかるように多彩は、楽器の響きを楽しめますが、ややごてごてしている部分もあります。
どこでオルソップはマーラーのオーケストレーションを再評価すべく、ウィーン放送響と全4曲を収録したのです。
個人的には、どこがどう編曲されたのかわかりません。
しかし、オルソップの見事な演奏で、躍動的で瑞々しいシューマンを聴かせてくれます。
ぜひ、多くの人に敬意てほしい名演の録音です。
オルソップ シューマン 交響曲第3番&4番
ロベルト・シューマン – Robert Schumann (1810-1856)
交響曲第3番 変ホ長調 「ライン」 Op. 97 (グスタフ・マーラーによる編曲版)
Symphony No. 3 in E-Flat Major, Op. 97, “Rhenish” (re-orchestrated by G. Mahler)
1.(08:56) I. Lebhaft
2.(05:40) II. Scherzo: Sehr masig
3.(05:10) III. Nicht schnell
4.(04:33) IV. Feierlich
5.(05:32) V. Lebhaft
total(29:51)
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交響曲第4番 ニ短調 Op. 120 (グスタフ・マーラーによる編曲版)
Symphony No. 4 in D Minor, Op. 120 (re-orchestrated by G. Mahler)
6.(08:39) I. Ziemlich langsam – Lebhaft
7.(03:58) II. Romanze: Ziemlich langsam
8.(05:32) III. Scherzo: Lebhaft – Trio
9.(07:38) IV. Langsam – Lebhaft – Presto
total(25:47)
編曲 : グスタフ・マーラー – Gustav Mahler
ウィーン放送交響楽団 – ORF Vienna Radio Symphony Orchestra
マリン・オルソップ – Marin Alsop (指揮)
録音: 19-23 October 2020, Musikverein Wien and ORF Funkhaus Studio 6, Vienna, Austria
シューマン:交響曲第3番、第4番(グスタフ・マーラーによる編曲版)(ウィーン放送響/オルソップ)
交響曲第3番「ライン」は1850年作曲、1851年にシューマン自身によって初演されました。ラインというタイトルはシューマン自身の命名ではありませんが、悠然たる河の流れを思わせる雄大な作品です。マーラーの編曲はとりわけ管楽器の削減が特徴で、ホルン・パートの修正や第5楽章の冒頭など耳に残る部分が数多くあります。
交響曲第4番は、第1番の完成から間もなく構想され、1841年に完成した際は誕生日プレゼントとして妻のクララに贈られました。もともとは単一楽章で書かれていたせいか初演時に好評を得ることができず、10年を経てシューマンは作品に大幅な改訂を施します。
現在知られているのはこちらの改訂稿で、マーラーもこの改訂稿に手を加えていますが、この曲での彼の改訂はそれほど目立つものではありません。オルソップは全体的にテンポを速めにとり、全曲をすっきりとした印象に仕上げています。
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