こんにちは、
ともやんです。
このブログも今月中には、900記事に到達すると思います。
最初に記事は、2017年4月23日ですから、4年目に入ったということですね。
さて、そんなことはどうでも良いのですが、ここで意外な大物指揮者を取り上げていないことに気付きました。
その人は、アルトゥール・ロジンスキ(1892-1958)。
ロジンスキは、ポーランドとウィーンで音楽教育を受けました。
トスカニーニがNBC交響楽団のトレーナーに招いたほどの実力者で、ロサンジェルスフィル、クリーヴランド管、ニューヨークフィルの常任指揮者を歴任しましたが、全て短期で終わりました。
それは、音楽に妥協を許さなかった人で、楽団側との衝突が絶えなかったらしいのです。
さて、ロジンスキの芸術を知ることが出来る19枚組での『ロジンスキの芸術』から、ショスタコーヴィチの交響曲第5番を聴きました。
これが凄くて、一気にこの人に強い興味を感じました。
ロジンスキ 時代が追いつけなかった
ロジンスキが亡くなったのは1958年。
晩年は心臓病を患っていたそうですが、指揮者としては若い方の66歳で亡くなっています。
フルトヴェングラーが54年、トスカニーニが57年に亡くなっていて、当時は19世紀のロマン派様式を引き継ぐフルトヴェングラーと新時代の即物的様式のトスカニーニという相反する様式で評価されることが多く、ロジンスキは、トスカニーニ側で、しかもその亜流的に捉えられ、粗っぽいとかデリカシーが無いなど、と評され、忘れられた存在の様になっていました。
しかし20世紀も終わりになり、古楽器スタイルも定着し、演奏スタイルの多様化により、ロジンスキの演奏も見直
されてきたようです。
むしろトスカニーニが、ベートーヴェンだろうがレスピーギだろうが、トスカニーニ流で押し通しているのに、ロジンスキは、作曲家によってその演奏様式を変えています。
このショスタコーヴィチも緊密にアンサンブルをまとめ上げたテンションの高い演奏ですが、それだけはなく、表現力の多彩さも素晴らしく、第1楽章の緊張感と生々しさ、第3楽章の深沈とした深い情感と終楽章のムラヴィンスキーの倍近く速いのではと感じるテンポ感といいう見事な演奏です。
しかも1954年10月という録音時期ですが、モノラルながら音が生々しく届いてくるのが嬉しいです。
引き続き、チャイコフスキーなど他の演奏もぜひ聴きたい指揮者です。
ロジンスキ ショスタコーヴィチ 交響曲第5番
ドミートリー・ショスタコーヴィチ – Dmitry Shostakovich (1906-1975)
交響曲第5番 ニ短調 Op. 47
Symphony No. 5 in D Minor, Op. 47
1.(14:24) I. Moderato
2.(04:23) II. Allegretto
3.(13:59) III. Largo
4.(08:05) IV. Allegro non troppo
total(40:51)
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 – Royal Philharmonic Orchestra
アルトゥール・ロジンスキ – Artur Rodzinski (指揮)
録音: October 1954, London
トスカニーニになれず、ストコフスキーに(も)なら(れ)ず、バーンスタインの陰に埋没した、“変人”指揮者・・・という一言で片付けるなんて勿体なくね!?音楽の都ウィーンで基礎を学んだ確かな実力と作曲家の“個性”を引き出す“柔軟”さ、そして妥協のなさこそロジンスキの神髄。 没後60年を迎える“匠”の音楽、“食わず嫌い”こそ勿体ない!!タワーレコードの購入者レビューより
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