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クルト・ザンデルリンク ショスタコーヴィチ 交響曲第1番&第6番

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こんにちは、
ともやんです。

今年は、ドイツ、旧ソ連で活動した名指揮者クルト・ザンデルリンク(1912-2011)の没後10年の年です。

簡単にプロフィールを見てみましょう。

指揮者。1912年ドイツ生まれ。31年にベルリン国立歌劇場のアシスタントに就く。ナチスを逃れてソ連に亡命。モスクワ放送響の副指揮者からレニングラード・フィル(現サンクトペテルブルク)の指揮者となる。60年に帰国し、東独のベルリン響の芸術監督として、世界的な水準に同楽団を引き上げた。その間ドレスデン国立歌劇場の首席指揮者も兼任。76年以来読売日響の指揮台に立ち、79年名誉指揮者に就任。2002年、指揮活動から引退していた。2011年9月18日、ベルリンにて逝去、98歳。
タワーレコード・オンラインショップからの引用

個人的には、シュターツカペレ・ドレスデンと録音したブラームスの交響曲全集の旧盤が好きです。

ブラームスに対する印象がもっとも巧みに表現された全集だと思います。
暗く重く、くすんだ響きの中に、何かロマンティックで感傷的で、雪深い冬を耐えて春の来訪に憧れている、そんな感じが一番伝わる演奏なのです。

その他、ブルックナー、ベートーヴェンも聴きましたが、この人の演奏には、常に「寂しさ」がついて回っているように感じるのです。

名物評論家だった故宇野功芳さんは、著書の中で真の芸術の根本をなすものは、「情熱と寂しさ」ではないかと記しています。

僕はこの考えに共感します。いろんな音楽には、この一見相反するものが共存することで人びとの感銘を与えると思うのです。

ブルース、演歌、ボサノバ、ファド、その他あらゆる音楽で人びとが感銘を受けるのはこの二つの要素を感じるからではないしょうか?

生きるって辛くて大変、でも生きていればいいこともあるよ、という感じなのです。

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クルト・ザンデルリンクの好きな人はチェックするアーティスト

タワーレコードのオンラインサイトを見ているとクルト・ザンデルリンクの項の横に「このアーティストを見ている人は、こちらのアーティストも見ています。」という欄が出てきます。

そこで表示された指揮者は、以下の方たちです。

フランツ・コンヴィチュニー
クルト・マズア
オトマール・スウィトナー
ルドルフ・ケンペ
ヴァーツラフ・ノイマン
シャルル・ミュンシュ
ロリン・マゼール
ゲオルグ・ショルティ
オイゲン・ヨッフム
ヘルベルト・ケーゲル

一部の人は当てはまりませんが、なかなか的を得ていて、コンヴィチュニー、スウィトナー、ケンペ、ヨッフム、ケーゲルは僕の大好きな指揮者です。

この人たちに共通しているのは、その創り出す音楽は華美でも派手でもなく、堅実で実直で丁寧で聴き込むほど味わいが出てくるものです。つまり内容が深いのです。だから聴いていて飽くことがないのです。
そしてクルト・ザンデルリンクにも共通することです。

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クルト・ザンデルリンク ショスタコーヴィチ 交響曲第1番&第6番

クラシックのジャンルの中でも一番好きなのは交響曲のジャンルです。
やはりオーケストラの奏でる音の響きと作曲家たちが心血を注いで作り上げた曲には大きなドラマがあります。

ハイドン、モーツァルト以降多くの作曲家が交響曲の名曲を創作しましたが、その中でも著名な交響曲作家でありながら、個人的に聴かず嫌いな作曲家が二人います。

それはシベリウスとショスタコーヴィチです。

なかなか自分のものに出来ないのです。

二人共口当たりの良い、聴きやすい音楽を作った人ではありません。むしろ晦渋で難しい音楽です。

でもブルックナーの時のようにある程度我慢して聴いている内に、ハッと光が射して何か掴んだように感じるのでしょうか?

ということで、クルト・ザンデルリンクの指揮でショスタコーヴィチを聴き始めました。

第1番、なかなかいい。ピアノと打楽器の加わったオーケストレーションの妙は弱冠18歳の作品とは思えない。

第1番は、1925年の18歳と時の作品で、翌26年にレニングラードで初演、28年にはベルリンで、31年にはなんと日本でも初演されるほどの勢いでした。

第6番は、有名な第5番の2年後の作品。全体は3楽章で、ラルゴ、アレグロ、プレストと楽章を追うごとに速度を増していくという何か実験的な曲のように思えます。

作者によれば、「春、歓喜、生命の感じを表すことにつとめたものだ。」と言うことです。

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ドミートリー・ショスタコーヴィチ – Dmitry Shostakovich (1906-1975)
交響曲第1番 ヘ短調 Op. 10
Symphony No. 1 in F Minor, Op. 10

1.(08:42) I. Allegretto – Allegro non troppo
2.(05:01) II. Allegro
3.(08:29) III. Lento
4.(09:40) IV. Allegro molto
total(31:52)

ベルリン交響楽団 – Berlin Symphony Orchestra
クルト・ザンデルリンク – Kurt Sanderling (指揮)
録音:1983年6月8日-10日

—————————-

交響曲第6番 ロ短調 Op. 54
Symphony No. 6 in B Minor, Op. 54

5.(18:55) I. Largo
6.(06:17) II. Allegro
7.(07:05) III. Presto
total(32:17)

ベルリン交響楽団 – Berlin Symphony Orchestra
クルト・ザンデルリンク – Kurt Sanderling (指揮)
録音:1979年4月25日-27日

ショスタコーヴィチ: 交響曲集(第1番、第5番、第6番、第8番、第10番、第15番)<タワーレコード限定> クルト・ザンデルリング ベルリン交響楽団

ドイツの名指揮者クルト・ザンデルリング(1912~2011)はユダヤ人だったため、1935年に祖国を追われ、1936年から叔父の住むソヴィエト連邦に移住。

1941年からはムラヴィンスキー率いるレニングラード・フィルの指揮者陣に加わり、ムラヴィンスキーから薫陶を受けるとともに、大作曲家ショスタコーヴィチと交流をもちます。

1960年に東ドイツ政府に請われて帰国し、ベルリン交響楽団(現ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団)の首席指揮者に就任し、歴史の浅かった同団を世界水準のオーケストラに育成しました。

このショスタコーヴィチの交響曲集は両者の関係が熟成した1976年から1983年にかけて、東ドイツのエテルナ社によってアナログ・ステレオ録音されたものです。

作曲者と交流したザンデルリングの解釈は、譜面を隅々まで誠実に音にし、交響的な音の積み重ねを彫り深く表現し、ショスタコーヴィチらしい軽いユーモアから悲痛な心の叫びまで、多種多様な性格を十二分に生かしつつ、それらをドイツのオケならではの柔らかく重厚な響きで包み込んだものとなっています。

したがって、楽曲のクライマックスでも決して絶叫調にならず、有機的な響きを保っており、刺激的な演奏が多い中、異彩を放つ演奏となっています。しかし、前記したように移り変わる楽曲の情景は十全に表現されており、最も音楽的でいて意味深いショスタコーヴィチ演奏が成し遂げられています。

エテルナによるアナログ末期の優秀録音もスケール雄大で重厚で柔らかみのあるベルリン交響楽団の音を見事に捉えています。今回の高音質化により、一層細部がわかるようになりました。録音当時の空気感まで感じられる出来です。



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